感謝日記 十がつ十四にち 『ノーベル平和賞と「この世界の片隅に」』
ノーベル平和賞を、日本原水爆被害者団体協議会が受賞した。
その影響もあり、アニメ映画「この世界の片隅に」を観た。
戦争は人災なのだと改めて思った。
人々から奪い尽くす国策。
美化して覆い隠そうとする犠牲。
「美化」
「美化」
「美化」
修身という教科など余計なお世話だ。
奪われた人たちは、泣くことすら許されない後ろめたさを味わいながら、大切な人の死を受け入れて、涙を飲んだ。
犠牲者は美しく死ぬことなんて決して望んでいない。
日常の日々に感謝し、毎日笑って過ごすことだけを希望した。
人の創造力など1寸先も見ることができないほど無能だと思う。
被害状況の隠蔽、情報操作。
いがみ合いの画策。
お互いの監視。
主人公すずは広島市から呉市に嫁ぐ。
軍港のある町だ。
軍港があるがゆえにアメリカの空爆で狙われる。
しかし仕事の恩恵を受けているのも確か。
普通でない不自然な環境で生活しているのだ。
一人寂しい時に描いていたスケッチを憲兵に奪われる。
落とされた爆弾で利き手も奪われる。
原爆で母、友を奪われる。
幼馴染みと兄を兵隊で奪われる。
生きがいも、大切な人も、希望もすべて奪う戦争、国家という人工物。
それは今も変わらない。
国民から税として富を奪い、一部の支援者に横流しする与党。
世界の戦争犯罪に加担し、多大な軍事費の負担を国民に背負わせる。
奪われるのはいつも弱き人たち。
死んでいった人たち、奪われた人たちは決して美化されて肯定されるものではない。
その犠牲は美徳ではなく、略奪だ。
覆い隠しては駄目だ。
為政者の美意識に付き合わされるのは御免だ。
私たちの望むことは今を愛する人と笑って過ごしたいだけだ。