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アメリカ中西部 KfT#18 「アメリカの」ウォルマートとイーグルの町


ウォルマートとシティマーケット

だんだん東京へ帰る日が迫ってきて、帰りたくないなーという気持ちになってくる。
でもまだ日はある。どうしようか、ウォルマートに行ってみようか。
「あまり好きじゃないんだけど、まあ行ってみよう」とダニー。

買い物へ行くなら「クラフトのマカロニ&チーズを買ってきて」と同居しているダニーの弟のマイルス。むむ、私も欲しい。

小さなマカロニがチーズまみれになって、箱に直に入っているやつだ。まるでプラスティックみたいなマカロニで、食べ物とは思えないしろものだけど、なぜか憧れるアメリカの味だった。

日本のスーパーマーケット西友で、Walmart ウォルマートのお菓子をたくさん見ていたので、私は本場のウォルマートには興味があった。
いろんな種類のナッツ缶や、クッキーモンスターが食べてるような大きなクッキー、キーボードみたいなチョコレートとか、その売り場だけアメリカっぽい雰囲気で、本場ならきっともっとアメリカンな感じなんだろうと思っていた。
2005年にウォルマートが西友を買収した頃から、ウォルマートロゴの商品が西友の売り場で見られるようになったように思う。

エイボンの町のウォルマート


でも、本場であるはずの、ここのウォルマートは、がこーんと広い倉庫のようなところに、あんまり楽しそうでなく商品が棚にならんでいた。棚に商品がただ置いてある感じで、なんともスカスカだし、西友で見たみたいに楽しそうに見えない。

「All about made in China だよ」 とダニー。
小物やぬいぐるみみたいな商品もちっとも楽しそうじゃない。意外だった。
そう言うと、
「でしょ?」
ウォルマートで買いたいものは何も見つからず、お客もなんとなくぱっとしなくて、いまいちな感じ。
「ウォルマートでは買わないよ。ぼくはいつもこのマーケットに行くんだ。
少し家から遠いけど、このスーパーマーケットの方がいいんだ」

エイボンの町のシティマーケット


ウォルマートの近くにある Avon エイボンの町のCity Market シティマーケットに移動して、食料の買い出しをした。
「そうだ、ネコのトイレの砂も買わなくちゃ」

眺めのいいところへ行ってみよう。シティマーケットの後は、道路向かいの斜面へ車で登って、車を降りて一息。マーケット側の山は冬にはスキー場になる。

10月のエイボンの町と紅葉と雪が混ざったコロラドの山並み


緑と黄葉と紅葉の混じったコロラドの山の斜面。
少し初雪らしき雪が見える。
「冬はスキーができるくらいの雪が積もるんだよ、標高が高いからね。」

タバコで一服のダニー

イーグルの町

いよいよ最終日、朝からいい天気。
ダニーの家の住宅地の庭は公園みたいだった。というより、公園の中に家が建っているようだった。
10月のコロラド、大きな木の黄色、緑色、落ち葉が敷き詰められて、向かいの住宅も景色の一部になっている。


「イーグルの町を散策したいな」
イーグルの町はとても静かだった。ショップや少し大きな施設、小さな映画館のようなものもあった。
スーパーマーケットはないが、雑貨屋のようなお店が並んでいたような気がする。
午前中だからか、オープンしてるかどうかわからないくらいひっそりとしている。私たちの他に人は歩いていなかったような気がする。
道幅が広くて、少し山の方へ上り坂になっている。山の上の方はガスがかかって曇っていた。

ダニーの家の宅地の横から少しくねって、見通しのいい小道が延びて、向こうに車道が見える。
草地を挟んで小道にベンチがあったり、木立があったり、この遊歩道では人々が散歩していた。

ダニーは、必ず行き交う人と挨拶をする。
あまりに会う人会う人「Hi」と挨拶をするので、
「日本じゃ、知らない人とすれ違って、そんなにあいさつしないよ」
「そうなの?どうしてだい?」
東京では、という方が正しかったかな?
うーん、そう聞かれると、どうしてだろう。


犬の散歩をしていたり、くつろいで人が歩いている。いいな、こんなところに住みたいな、小川のせせらぎも気持ちいい。
「こんなところに住めたらいいなあ」
「でもKyokoは、こんなところに住んでも、きっと退屈するよ」
「そうかな?そんなことないよ」
と言いながら、ずっと東京で生まれ育ってきたわたしにとって、田舎はとても憧れているけど、長期的に見たら、ダニーの言うことも、もしかしたらあっているかもしれない、と頭の片隅をよぎった。
ダニーはこの旅の間、私を見ていて、そう感じるところがあったのかな。

イーグルの住宅地の裏庭



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