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秀和レジデンスのファンです

秀和レジデンスとは、今で言う昭和レトロのマンションです。とはいえ、昭和の当時は、最先端で憧れの建物だったに違いありません。1964年に竣工されたマンションから始まるシリーズなのです。
青い瓦屋根、白いぼこぼこした壁、黒いアイアンのデザイン、オリジナリティあふれる装飾や、モザイク画など南欧を思わせる雰囲気なレトロマンションといえば、イメージできるでしょうか。

「秀和レジデンス」という名で認識したのは、最近のことです。でも、以前から都内の住宅街で見かけていたし、よくよく考えると、通っていた高校の道路を挟んで向かい側に秀和レジデンスが建っていたので、自然と目にしていたはず。もちろん、高校時代は、まったく意識していませんでしたけど。

「秀和レジデンス図鑑」なる本も刊行されています。書店で特徴的な外壁の写真を使った表紙を見て、記憶が”うわ~”っとよみがえり、購入したのでした。すぐ、私が高校時代に見ていたマンションを確認したのは言うまでもありません。

この本は、「秀和レジデンス」愛にあふれています。
建物好き、レトロ建築好きの方なら共感していただける内容です。文章の熱もあり、写真が美しいです。リフォームしながら楽しんで住まわれている例もあり、読んでいるだけですが、ちょっぴり夢を見られます。
そして、どんな小さな隠れた部分も見逃していません。

全体を見ると、「秀和レジデンス」とわかりますが、1棟、1棟、それぞれが個性あり、”ここぞ”というポイントを探すのが楽しいのです。

例えば、こんな感じです。

通用口の扉の取手も手は抜かない
特徴的な壁の凹凸
そして、アイアンの柵の曲線が素敵

そうそう、この雰囲気は模倣されることもよくあったので、一見似ているけど「秀和レジデンス」ではないマンションもあります。が、それも間違い探しのような気分で確認してしまう、わたし。

マンションを含めて建物が自由なデザイン、設計であった時代。今となっては、どこの駅前でも似たりよったり没個性な建物ばかりですが、このマンションは、規格品ではない個性と手間暇を掛けていた昭和の名残りといえるのではないでしょうか。そういう徐々に少なくなる昭和の建物を訪ねて歩くのが好きなのです。
眺める建物の特徴や、好きなポイントはどこだろう、と探すのが、建築知識がなくても古い建物を味わう醍醐味だと思います。

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