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中学受験算数あれこれ vol.1 倍数の見つけ方

中学受験においては、倍数の見分け方は重要なスキルの1つとなります。算数の問題では、倍数を利用するケースが非常に多く見られます。
割り算、最小公倍数、最大公約数などの基本的な概念を理解し、応用するためにも、倍数の見分け方を習得しておくことが役立ちます。

特に、2、3、4、5、6、9、10 の倍数の見分け方を覚えておくことで、中学受験の算数の問題に効率的に取り組めるようになり、正解率も向上するでしょう。

さらに、一部の問題では、特定の知識を持っていないと解答が困難になるケースがあります。このため、基本的な倍数の見分け方を習得し、知識として身につけておくことが重要です。

2・4・8の倍数

2の倍数の見分け方

1の位が偶数(0, 2, 4, 6, 8)であれば、その数は2の倍数です。
例: 12(1の位が2)、48(1の位が8)、260(1の位が0)

4の倍数の見分け方

下2桁(1の位と10の位)でできる2桁の数が4で割り切れる場合、その数は4の倍数です。
例1:88 - 下2桁が88で、88 ÷ 4 = 22 なので、4の倍数です。
例2:352 - 下2桁が52で、52 ÷ 4 = 13 なので、4の倍数です。
例3:617 - 下2桁が17で、17は4で割り切れませんので、4の倍数ではありません。

8の倍数の見分け方

下3桁(1の位、10の位、100の位)でできる3桁の数が8で割り切れる場合、その数は8の倍数です。3桁に満たない数については、そのまま8で割り切れるかどうかを確認します。
例1:40 - 40 ÷ 8 = 5 なので、8の倍数です。
例2:192 - 下3桁が192で、192 ÷ 8 = 24 なので、8の倍数です。
例3:1632 - 下3桁が632で、632 ÷ 8 = 79 なので、8の倍数です。
例4:2670 - 下3桁が670で、670は8で割り切れませんので、8の倍数ではありません。

3・9・6の倍数

3の倍数の見分け方

 数字の各位の数の和が3で割り切れる場合、その数は3の倍数です。
例1:123 - 各位の数の和は1 + 2 + 3 = 6で、6 ÷ 3 = 2なので、3の倍数です。 例2:621 - 各位の数の和は6 + 2 + 1 = 9で、9 ÷ 3 = 3なので、3の倍数です。 例3:145 - 各位の数の和は1 + 4 + 5 = 10で、10は3で割り切れませんので、3の倍数ではありません。

9の倍数の見分け方

 数字の各位の数の和が9で割り切れる場合、その数は9の倍数です。
例1:324 - 各位の数の和は3 + 2 + 4 = 9で、9 ÷ 9 = 1なので、9の倍数です。
例2:549 - 各位の数の和は5 + 4 + 9 = 18で、18 ÷ 9 = 2なので、9の倍数です。
例3:380 - 各位の数の和は3 + 8 + 0 = 11で、11は9で割り切れませんので、9の倍数ではありません。

6の倍数の見分け方

数字が2の倍数であり、かつ3の倍数である場合、その数は6の倍数です。
例1:72 - 1の位が2(偶数)なので、2の倍数です。また、各位の数の和は7 + 2 = 9で、9 ÷ 3 = 3なので、3の倍数です。よって、72は6の倍数です。
例2:48 - 1の位が8(偶数)なので、2の倍数です。また、各位の数の和は4 + 8 = 12で、12 ÷ 3 = 4なので、3の倍数です。よって、48は6の倍数です。
例3:52 - 1の位が2(偶数)なので、2の倍数です。しかし、各位の数の和は5 + 2 = 7で、7は3で割り切れませんので、3の倍数ではありません。よって、52は6の倍数ではありません。

5・10・11の倍数

5の倍数の見分け方

1の位が0または5である場合、その数は5の倍数です。
例:20(1の位が0)、45(1の位が5)

10の倍数の見分け方

1の位が0である場合、その数は10の倍数です。
例:30、120、450

11の倍数の見分け方

偶数桁目の数の和と奇数桁目の数の和の差が0または11で割り切れる場合、その数は11の倍数となります。
例1:154 - 偶数桁目の和:5、奇数桁目の和:1 + 4 = 5、差:0、11で割り切れるため、154は11の倍数です。
例2:363 - 偶数桁目の和:6、奇数桁目の和:3 + 3 = 6、差:0、11で割り切れるため、363は11の倍数です。
例3:517 - 偶数桁目の和:1、奇数桁目の和:5 + 7 = 12、差:11、11で割り切れるため、517は11の倍数です。

補足

7の倍数の見分け方はやや複雑であり、中学受験では覚える必要はないでしょう。
また、途中で25の倍数や125の倍数で約分して式を簡単にしてから計算する問題は、模試や入試でよく出てきます。

算数の計算でよく間違える子は、数字が大きくなりすぎて、間違えるのをよく見受けられます。倍数を考えて約分などを常に心がけることが大切です。

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