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元バスガイドで不登校児の母が育児たいへんな親子のためにツアーを始めた話③〜起業編〜(全3部)

産後ノイローゼから復帰した私は、二人目を出産。

個人事業主ライターとして働いたのち、会社もつくって社会起業に挑戦!

でもまあ、そんなにうまくいくことばかりでもなく、特にプライベートでは子どものことでいろいろあり、事業の方向性も変更。

今は安定してビジネスを営むためにも、新しいことに挑戦したいとも思っている。

そのあたりの話を書いた〜最終章〜


I なにこの余裕??「保育園が決まっているだけ」で別次元に違う!二人目の子育て


二人目を産んだあとすぐにコロナ騒動が起き始めた。

世の中に不安の空気が立ち込め、世界全体がこれからどうなるのか?暗い雰囲気だったと思う。

産後の私はというと、不謹慎だがちょっとうれしかった。

産後というのは、自由に外出することができず、イヤでもおこもり生活になるのだが、この時期は世界中の人がステイホーム生活だった。

夫は在宅で家にいることが多かったし、世の中はオンラインでの活動やデリバリーなど、家にいてもできることがどんどん増えていた。

「家の中にしばられているのは、私だけじゃない」
ということが、無性にうれしかったのだ。

しかも保育園はすでに決定していたので、気分は上々。

コロナで入園自体が延期されたものの、保育園へ「入ること」は確約されている。

もう「子育てに怖いものなし」くらいの気分だった。

”自分一人で育てなくていい”ということが、約束されているだけで、こんなにも育児に不安がないんだ!って自分でもおどろいた。

園から事前にお手紙ももらっていたし、7月になれば預かってもらえる。

期限があるおかげで、それならその日まで、とことん我が子との時間を楽しもう!って一人目のときとは比べ物にならないくらい「赤ちゃん育児」を満喫。

本来ならこの「安心感」こそ子育てにあるべき姿だ。

それだけ「先の見通しが見えない状態」人を不安に、そして悲観的にさせる。

I 勤めるのはムリ!個人事業主ライターとして起業してみることにした


さて預け先は決まっていたが、二人の子どもを抱えた状態で外で働くのは難しいとも思っていた。

平日はほぼワンオペのなかで、

赤ちゃんと幼児をそれぞれ送迎し、9時-5時で仕事をし、迎えに行って、夕飯作り→食べさせる→片付ける→お風呂入れる→寝かす

×5日間

なんて絶対無理!!

私がパンクするってわかってたので、なにか自分で、自宅で、仕事をできないか模索していた。

そのときに昔からやりたかった「世界の貧困問題」や「日本の子ども・子育て領域」で活躍するNPOのこと、

またそういった社会問題をビジネスで解決する「社会起業」という方法があることを知る。

ぜひ、これをやってみたいけど・・・

産後で乳飲子を抱えた主婦がどうやって??

ってか「ソーシャルビジネス」の前に、そもそもビジネスについて私は知っているんだろうか?と考えるようになった。

そこで生まれて初めて起業塾にはいってみた。

そこでマーケティングを学び、ニーズがあった「ブログを代行する」というライティングのお仕事を創り出し、個人事業主ライターとして開業することにした。

それまでFacebookすらやっていなかったのに、ぜったい嫌だと思っていた「顔出し」や「SNS発信」を2021年ごろからバンバン始めた。

正直自分の趣味だとここまでできないけど「仕事のため・・!」「理想の働き方のため」と思ったら案外できちゃうものだ。

最初はとにかく激安で案件をいただき、がむしゃらに記事を書いた。

お客様のブログも、自分のブログも書いて、書いて、書きまくって、1年で700記事ほど書いた。

累計16人の起業家の方のブログを書かせてもらい、1年半ほど経つと毎月安定してパート代くらいは稼げるようになった。

でもここから次のステージへ行くという段階で、

「本当に自分がやりたかったはこれだっけ?問題」にぶつかる。

たしかに起業塾では
女性が経済力を持つこと
・自由に働けること

に重きを置いていて、そこには私も共感していたのだけれど・・・

何かが違う。

「ただ稼げればいい」じゃなくて、自分が自分の人生で本当にやりかたったのは、

・世界の子どもの貧困問題の解決とか
・子育てしにくいこの社会を変えること

だったはず。

I やっぱりやりたいのは「社会起業」だ!〜人生の最後で後悔しないように〜

ただお金を稼げればいいんじゃない。

それだけで満たされない自分の気持ちを再認識したので、ひとまずライターの仕事はすべて、たたむことにした。

基本のSNS発信や、マーケティングは学べたのだから、次に進んでみよう。

一度きりの人生、やりたかったことにトライしておこう!ということで、社会起業のコミュニティに入った。

ここでとことん自分の気持ちと向き合あった。

すると・・・

インド・バングラデシュへ行った時に、結局何もできずに帰ってきてしまったことが、まだ尾を引いているらしかった。

ちょうどこのころ、『The true cost』というドキュメンタリー映画を見た。

先進国の貪欲で過剰なまでの消費が、地球や地球の向こうにいる誰かをひどく傷つけていると知った。

バングラデシュのラナプラザでおきた、縫製ビル崩落事故は1000人以上の人が亡くなったファッション史上最悪の事故と言われている。

日本ではほとんど報道されなかったそうだが、バングラデシュという国でホームステイもして、当時大学生活を送っていた私でも知らなかった。

社会問題は悪意があって起きるわけじゃない
”未認知”なだけ

この言葉を知って、なにか「社会問題を知るきっかけ」をつくれないだろうか?思った。

そこで自分にでもできるバスガイドの経験を活かし、親子で参加して社会問題を知れるツアーを始めた。

クラファンで20万円を55人の方から集めて、2022年に第一回と二回のツアーを行った。

ターゲットは自分のように子育て中だけど、もっと社会問題にも触れたいし、いろんな体験を子どもにさせたいと願う親

オーガニックコットンの収穫体験をしたり、衣服の製造を見学しながらお仕事体験ができる内容など、親子で楽しめるものにした。

その後も、製材所の見学ツアー川遊びと紙漉き体験のツアーを行い、合計4回のツアーで63人の親子に参加してもらった。

会社登記もして法人化し、さあ、これからやるぞー!ってときに、事件が起きた。

I 事件発生!突然、学校へ行かなくなった長女

このツアーの第一回目が終わった後、事件は起きた。

小学2年生の長女が学校へいかなくなったのだ!

どうやらみんなで行ったツアーが楽しすぎたらしい・・(汗)

うんうん、楽しかったよね。みんなでバスに乗ったり、コットンの収穫したり、帰りにはおやつ替えっこしたり。

それに比べて学校はそんなにおもしろくない?」
「ダメっすか?」

いろいろあの手この手でやってみるものの、
「行きたくない」の一点張り。

親としては晴天の霹靂。

だって
だってさ・・

保育園は落ちるけど、小学校に待機児童はいない。


保活では散々苦労したけど、小学校にあがれば、みんなが入学できる。

どれだけ地域に子どもが増えようと、どんな離島に住もうと、確約されているのが義務教育なのだ。

それって、サイコー!
義務教育バンザイ!学校バンザイ!

小学校に入ったら、こっちのもんだー!
って思ってた。

な の に

「行かない‥」

11月のある月曜日を境に、娘は完全不登校になった。
もう2年も学校へは行ってない。

ここで私はまたしても、育児の大変さを味わうことになった。

日本ではまだまだ教育の選択肢はない

学校へ行かなくてもいいけど、代わりに体を動かしたり、同い年くらいの友達とふれあったり、なんなら給食も食べてきてくれると母としてはサイコーなんだが、

そんな場所はなく・・

いや、ないこともないけど、まだ長女にはそういう場所へいく状況ではなかった。

当時はただただ学校生活に疲れた様子で、それはもうバーンアウトした会社員のよう。

毎日大量の宿題をこなし、集団行動をする。

繊細でまじめで、超マイペースでコミュニケーションの不得手な彼女には、集団で騒がしい中、画一的な授業と団体行動は、苦痛だったのだろう。

親としてはもちろんショックも大きかったけど、とりあえず休ませるしかない。

いざ不登校になると”学校以外のメニューがこの国に用意されてない”ことに愕然とした。

それでも

・あれはどうだろう?
・これはどうだろう?

と情報収集に時間を注ぎ込む日々。

それでも我が子が不登校になってわかったことがある

学校に行けなくなった子ども
そして、そんな子どもを支える親に対して、多くの人が心を寄せてくれたのだ

私が「娘が不登校になっちゃって・・」って言ったら

・何とか力になりたい
・力になれなくても話くらい聞いてあげたい

ってママ友、不登校スクールの先生、小学校の担任の先生、SNSのフォロワーさん、家族、親族、

思ってもないくらい
たくさんの人が私たち親子に気持ちを寄せてくれた。

泣きそうなくらい感謝でいっぱい。
ありがとう。私の周囲のみなさん。

あなたのやさしさのおかげで、なんとか親子でつぶれずに、子どもの不登校につきあってここまで来れた。

が、そんな矢先、次女にも異変が・・

I 大学病院通い?次の事件発生!


長女の不登校スタートから半年後くらい。

次女の3歳児検診にいった春の日、生まれて初めての検尿の検査をしたら、なんと数値が悪い。

すぐにかかりつけ医へ行ってください

大きい病院へ行ってください

専門的な病院へ行ってください

最終的に大学病院の小児科にたどり着いてしまった。

原因不明だけど「尿からタンパクがでている」とのことで、最初は即入院かも‥なんて言われた。

うそ・・それだけは勘弁。

次女は生後2週間ほどでインフルエンザにかかり、2泊3日入院している。

付き添いの親ってこんなにツラいんだ!って私も初めての親としての仕事にぐったりしたのを覚えている。

なんたって、風呂無し、自分のベットなし、食事は3食コンビニ。

これは「3日が限度だ」って思った。
とても人権がある状態じゃなかった。

なんとか即入院は免れたものの、そこから半年ほどは、2週間に1回の大学病院通院生活がはじまり、一度検査のための5泊6日の入院&入院付き添いも経験した。

次女は、日常の食事制限や運動制限はないが、まだ病気は治ったわけじゃないし、今後も末長く付き合うことになりそうな状態だ。

I 私自身が社会問題の当事者じゃないか?説


そう。

話をツアーに戻すと、私は世の中の社会問題を広く知ってもらいたいし、知る機会が必要だと思ったから、

「親子で社会課題を知るツアー」を始めた。

でも・・・

気づけば自分が社会問題の当事者まっただ中。

・30万人に迫ろうかという不登校問題
・医療的ケア児や病気・障がいのある子どもに付きそう親の問題

どちらも共通するのは

『子育て罰』(末富芳・桜井啓太 光文社新書 2021)
の言葉を借りれば、

日本という国が「子どもと子育て家庭に冷たく厳しい社会」だということ。

子育ては”自己責任”と言われる。

適切な社会的サポートが圧倒的に少ない。

これなら子ども産むことや、もう一人授かることに、みんなが躊躇して少子化が止まらないのも当然。

自分のプライベートに大きな変化があったことで、私の中でやりたいことも少しずつ変わっていった。

まず私自身が不登校や病児の世話で、育児が一筋縄では行かず「困っている」ということ。
(いや前から子育てには困っていたが、さらに困った)

そして

ツアーをする中で、「子連れの人ばかりで気疲れせずよかった」と多くの親がアンケートで回答してくれように、

みんな子どもを連れて出かけることに苦労していること。

なにかそれらを解決する方法はないのか?

「子どもと子育て家庭にあたたかい社会をつくる」
これが自分のミッションでは?

と思うようになった。

I 「子どもと子連れにあたたかい社会にしたい」〜これから私が目指すもの〜

2024年夏にはゲストハウスを一棟借りする宿泊ツアーを行った。

弊社は旅行会社ではないので(イベント企画運営会社)、移動や宿泊を伴う業務は宿や旅行会社さんとコラボして行う必要がある。

これまでツアーで各地を転々としていると、どこかにホームのような場所が作れないかなあ?と感じるようになった。

宿泊イベントも自分たちで好きな時に、親子限定とか自由に内容をデザインできたらおもしろそう!

海外の人とかもたくさん泊まって、親子で交流できるようなそんな場所はつくれないかな・

協賛してくれる宿をたくさん探して、第二土日は子連れの日!とかしたらどうだろう??

そんなことを考えていたら、

「あれ?もしかして、それ自分でやったらいんじゃない?」と思うように。

自分が得意なインバウンドへの接客や、観光知識を使って、宿に泊まってもらいつつ、日本人親子もウェルカムにする。

ゲストハウスは昼間はお客さんが出かけて少なくなるから、そこを利用してうちの子みたいな不登校の子が集まれるように・・とかできないかな?

アイデアだけは湧くようにでてくる。

でも経営的に考えても、1シーズンに1回開催するのがやっとなツアーだけでやっていくのは難しいとも思っていた。

なにかツアーのように単発イベント的なものだけでなくて、もうちょっと安定的に収益につながるもの。

たとえば宿泊業は、日本人は週末や大型連休しか泊まってくれないので、インバウンドで安定的に平日を稼働させつつ、月1とかで日本人親子と旅行中のインターナショナルは人たちの交流の場をつくる。

今は、長期滞在の外国人の中にも、とりわけ「デジタルノマド」とよばれる人たちが存在するらしい。

IT技術を駆使して、世界中のどこでもPCひとつで働けるからノマド(放牧民)のように各地を旅し、3-6ヶ月好きな国に滞在して地域の文化もとことん楽しむ。

本当に「旅行と仕事」を掛け合わせたような、自由な生き方・働き方で、最近とても注目されているんだとか。

2024年に日本政府もデジタルノマド向けにビザを発行し始めたという、今大注目のマーケットだそうな!

私も彼らのような人たちが泊まれる宿泊施設をつくれないか?

しかも今は、コワーキングならぬ「コリビング」という考え方があるらしい。

シェアハウス+コワーキングスペースのようなところで、みんなで共有スペースはシェアしつつ、ともに子育ても介護もお互いに関わり合いながら、仕事も協業したりして、より発展的な関係をつくる。

そんなスペースをつくれないだろうか?

みんなで子育てもわかちあえる、地域に開かれた場所。
子どもと子育てにあたたかい社会の象徴になるようなところ。

そして・・・

なによりもその場所を欲しているのは、この私。

不登校になった長女には、教室ですごした1年半くらいで、「この世はこんなものだ」なんて思わないでほしい。

世界はもっと広くて、もっと多様で、もっとおもしろい!

そんな国際色豊かでクレイジーな大人と関わらせてみたい。

それは、日本に住み「つまらない・・」と思いながらも毎日学校へ通う他の子どもたちにも思うこと。

I 最後に

「ワンオペ育児なんて昔はあたり前だった」
上の世代の人からはこんな言葉を聞く。

私は言いたい。

なんでワンオペ我慢したんですか?
おかげで、相変わらず次の世代も同じことで苦労してます。

上の世代の人には「ワンオペなんてできるか!こんなのおかしい!」って怒ってほしかった。

ちゃんと社会を変えといてほしかった。

我慢って美徳のように聞こえるけど、、、
本当にそう?

それって逃げじゃない?

我慢は何も生み出さないし、
我慢は変革を起こすよりも、受け身でラクな方法だ。

私はそちらに逃げたくない。
おかしいなら、きちんと声をあげたい。

でないと、次の世代の人から
「なんで社会を変えといてくれなかったんですか?」って言われる。

今何もしなかったら、きっと子どもたちを囲む環境は変わらない。

次の世代が親になっても、相変わらず日本は子どもと子育て家庭に冷たい国のままだ。

今は、システムチェンジの時。
子育てはみんなでやるもの。

それを体現するような宿泊施設を作ってみたい!

さて、私のあらたな挑戦は始まったばかり。

どこか空き家となった良い物件はないかな?
どなかた良い情報があれば、ぜひおしえてください!

ここから私は、ツアーのことをたくさん発信して、多くの人に知ってもらって、ビジコンにも挑戦して、一人でも多くの人に自分の実現したい世界を語れるように、行動し続けるつもりです。

応援どうぞ、よろしくお願いいたします!!!

【大久保じゅんこSNS】
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我が子が不登校になってわかったこと

学校に行けなくなった子ども
そして、そんな子どもを支える親に対して

多くの人が心を寄せてくださいました

何とか力になりたい
力になれなくても話くらい聞いてあげたいと

ママ友、不登校スクールの先生方、小学校の担任の先生、SNSのフォロワーさん、家族、親族、

思ってもないくらい
たくさんの方が私たち親子に心を配って下さいました

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