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雨が少し好きなった理由

12月中旬にベイエリアに越してきて以来、嫌になるくらいに雨が多い。
今年は異常気象だと周りの人たちが口をそろえて言うので、例年よりどうやら相当雨が多いらしい。まぁ、12月~3月はこちらの雨期なので仕方がないのだけれど、最近では車でも酔うくらいの気象病。カラッと晴れた日々がひたすら恋しいわけです。

先日、頼んでいた洋服をどうしてもその日のうちに取りに行かなくてはならなくて、土砂降りの中、サンフランシスコのデパートBloomingdale'sまで行った時の話。
閉店間際だったので、マップを見ている時間もおしくて、手っ取り早く店員さんに尋ねたところ、嬉しそうにそ別の階まで案内してくれると言うのです。これ少なくともマンハッタンのBloomingdale'sでは考えられなかったこと。何かの場所を訪ねても、適当な方向を見て「あっち」くらいな返答が当たり前なのがNY流。

ベイエリアに住んで驚くのが、こういったサービス業の人たちの優しい態度で、9年近く住んだ東海岸でかなり冷たい洗礼を受けた自分にとっては、必要以上に優しくされると、ちょっとどぎまぎしてしまうんですよね。

「外はしとしとと雨が降っているのかしら?実は私、雨が大好きなの。デパートには窓がないなら、なおさら外の雨が恋しいわ。」
エスカレーターに乗りながらうっとりした顔で話す店員さん。その顔を見ていたら、雨が苦手だとも、外は土砂降りだとも言えなくなりました。

デパートに窓がないのは、フロアの有効活用や建築時のコスト削減もありますが、何よりもお客様に時間を忘れて楽しんでもらうため。
大好きなショッピング中は、確かに時間を忘れている自分ではありますが、窓がない建物は日があたらないわけで、自律神経の乱れから、心身の病気になる人が多いと聞いています。

雨の日が嫌いな自分は、ちょっと贅沢すぎやしないかと反省させられました。それからは、一雨ごとに木々が少しづつ芽吹いてきている様子を眺めては、自然の息吹を感じることを楽しんでいます。



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