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ライト層目線!Mリーグ2021ダイジェスト#16【1月第3週】

Day59 これですか?


1月17日 第1試合

岡田プロが1勝をあげたサクラナイツは堀慎吾。ABEMASは前節テンパイ・ノーテンで僅差のトップを取った白鳥翔。滝沢プロも連鎖して全員で4連敗した格闘倶楽部はエース佐々木寿人に託す。風林火山は久々の登板となる二階堂瑠美が登板した。

南3局

全員テンパイのめくり合いとなったが、3着目の寿人プロが山3で残り枚数は最も多かった。しかし、寿人プロが瑠美プロの当たり牌を掴んでしまう。これで4着目に転落。

オーラスの配牌。中が4枚の槓子。まず、これを暗カンして新ドラが8pで1枚のった。

先にテンパイしたのはトップ目の白鳥プロ。まだ6巡目。しかも、ダマテンで、待ちは7m。

一方、寿人プロ。まだまだの3シャンテン。しかも、白鳥プロの当たり牌を浮き牌で抱えている。入り方によってはすぐに放銃になる。

そこに新ドラの8mを引く。ここで孤立している7mを切ると思われた。切れば白鳥プロの和了で試合は終わる。

しかし、切らない。

その後も7mは孤立しているものの、踏みとどまる。あと少しで崖から転落する状況。

少し風が吹いたか。6mをツモって7mにくっついた。

テンパイ。そして、満を持してのリーチ。

待ちは5・8m。8mはすでに無いが、5mは2枚残っている。

たとえ本調子でなくとも自模るのが寿人プロ。

赤5mを引きあてて、裏ドラもめくって点数申告を完了させた。

3000-6000

絶望ラス目からのハネ自摸で、2着に浮上して試合終了となった。

試合は白鳥プロトップを獲り、2連勝となった。


1月17日 第2試合

サクラナイツは1試合目3着からの連投に出た堀慎吾。ABEMASは白鳥プロ勝利の後を継ぐ松本吉弘。1試合目寿人2着を継ぐのは滝沢和典。瑠美プロのバトンを二階堂亜樹が引継ぐ。

南4局3本場

オーラスで松本プロはトップに立っていた。今回は50000点を超えるトップ。しかし、ラス親の滝沢プロが堀プロから12000点を上がり、松本プロと滝沢プロの差は15000点まで詰まった。今日の松本プロは大丈夫か?

この南4局3本場も滝沢プロが上がる前に、松本プロが4着目の亜樹プロにアシストしにいったが、不発に終わっていた。

南4局4本場

亜樹プロの手は、悪かった。松本プロが自力で上がりに行った方が早いか?とはいえ、亜樹プロが白、6sと鳴いて、3着目の堀プロをかわしにいった。ここで、亜樹プロと松本プロの利害が完全に一致。

亜樹プロ、発も鳴けた。なんとかテンパイ。

小三元は捨てて中を切ってペン3sでのテンパイ。大三元・小三元ともに否定され、松本プロは是が非でも差し込みたい。

しかも、当たり牌の3sを松本プロは2枚も持っている。

まず打った

3p

亜樹プロ。。。

これではなかった。

4s

亜樹プロ。。。

惜しい。もう一つ左の牌だった。

8m

亜樹プロ。。。

これも惜しい! もう一つ右の牌だ。

西

ちょっと遠くなった。

ここで仕掛けを入れてきた滝沢プロのケアも必要になり、全ての牌を差し込むことができなくなる。

7s

違う。

次いで9pをツモって、はたと動きが止まる松本プロ。

「え?何なの」

・・・

「もしかして3s?」

と思ったかどうかは定かではない。

打った。

「こ・・これですか?」

という声が聞こえてきそうだった。

3s

亜樹プロが牌を開けた。

点数は9200点と安くはなかった。しかし、松本プロはすぐに支払った。


Day60 熱い男


1月18日 第1試合

フェニックスから直近2連敗と、チームの4着を一人で稼いでしまっている近藤誠一。チーム3連勝中のパイレーツは朝倉康心。ドリブンズは前節トップを決めた村上淳。雷電から萩原聖人が登板した。

今季燃えている男。それは萩原プロ。ただ、雷電の開幕試合以降トップがない。チーム全体も不調。これまでカラ元気を振り絞ってきた萩原プロだが、この日も厳しい一日となる。

東1局ではリーチ一発のあがりで12000点を決めたが、東4局で村上プロとのめくり合いに敗れ、南1局でも村上プロとのめくり合いで敗れる。その後近藤プロ、村上プロに自模られて3着になった。

この日の萩原プロのインタビュー、さすがに元気はなかった。

でも、ふと笑った後に、吹っ切れたように力を振り絞った。

「雷電舐めんなよ!」

色々な思いが詰まった一言に感じた。萩原プロは32人中ダントツに「熱い」。だから、応援してしまう。

試合は近藤プロがトップ獲得。オーラスで村上プロがハネ自摸でトップ逆転だったが、道中でマンガンを自模ってしまう。やや考え、2着確定の上がりを良しとした。


1月18日 第2試合

フェニックスは魚谷侑未。パイレーツから2連勝中の小林剛。ドリブンズは園田賢。雷電から本田朋広が登板。

試合は東2局で小林プロが、ドラのダブ東のラス牌を自模り上げて6000オール。そのまま終盤までトップを独走したが、最後の最後で園田プロがリーチ・ツモ・平和・一盃口・赤・赤の6000オールで逆転。このまま園田プロのトップで試合が終わると思われた。

しかし試合は終わらなかった。

南4局オーラス。小林プロがリーチ・ツモ・平和・ドラ1の1300-2600をツモ上がり、700点差で園田プロを上回り再逆転を決めて試合を終わらせた。

個人3連勝。チームも首位に返り咲いた。

@ABEMA

Day61 愛される50男


1月20日 第1試合

フェニックスから近藤誠一。格闘倶楽部は滝沢和典。風林火山から松ヶ瀬隆弥。ドリブンズから鈴木たろうが登板した。なかなか男くさい一局。

卓にたろうプロと松ヶ瀬プロが並ぶと、威圧感がハンパない。フリーで雀荘に入ってこの2人が座っていたら、まず負けを覚悟すると思う。

さて、この試合の南4局オーラスは3着を近藤プロ・松ヶ瀬プロが争った。通常でいけば、2人ともハネ自摸しても2着はナイ。

私はこの局で近藤プロを応援していた。

近藤プロはあがれば3着に浮上する。リーのみでも、タンヤオでも役牌でも何でも良い。

ラス親のたろうプロの配牌から順に画面に映し出される。そして、近藤プロの配牌を見て思った。

これはムリ。

么九牌が7種8枚。メンツ手、七対子、チャンタ、国士、染め手。全てが遠かった。

そして私は今日のラスインタビューも近藤プロだな〜と思った。

とはいえ近藤プロはあがいた。ドラの南を捨てて勝負の「あや」を求めた。

しかし、7巡目で松ヶ瀬プロが4m単騎でリーチ。

この段階で近藤プロはまだリャンシャンテン。しかし、その後も上がりを模索し、最終的に4mを松ヶ瀬プロに放銃して試合が終了した。

ラスインタビューでは、自身を”出稼ぎのお父ちゃん”と称して楽しませてくれた。

近藤プロは人気がある。正直、その人気の理由がどこにあるかは良く分からない。

だが、世の中の高齢男性が「老害」と呼ばれて敬遠されがちな昨今。こういった好かれる50代男性は、社会で居場所をなくしがちな男性陣にお手本になるかもしれない。

50代男性だって会社に行き、

「出稼ぎしに来ました」

と自虐できるぐらいのユーモアがあれば、皆から好かれるのだろう。

この試合は東1局で滝沢プロが6000オールを決めて、終始試合をリード。その後たろうプロが東4局でラス牌の8sを見事に自模り4000オールを決め、滝沢プロを猛追。南場に逆転してトップを決めた。


1月20日  第2試合

今季の丸山プロはかなり活躍している。ここまで9戦3勝と勝率も高いが、その3勝とも直前にチームが連敗もしくは4着の後にとったものだけに価値が高い。

そして今日。ここで丸山プロが勝って2連勝になれば、さながら今日は”ドリブンズ祭”だ。

この日のまる子は攻めた。

東一局の親番で上がり倒す。その後も手を緩めない。

東4局も勝又プロの先制リーチに追いかけてリーチ。これを海底でツモ和了り2000−4000。

南一局の親番では先制リーチの東城プロ、追いかけリーチの勝又プロに引かず、当たりも覚悟で5sを押し、8000点を放銃。

しかしながら、これも計算の内。相手の手に赤もドラも固まっていないことを読んでの勝負だ。

その後はリードを守りきり今季5勝目。第1試合のたろうプロ勝利の後だけにこれは大きい。

ドリブンズ連勝で、チームポイントもほぼ0に戻った。いよいよ終盤だが、ドリブンズの季節が到来か。

この試合、東城プロも負けずに攻め続けたが、終盤の寿人プロへの放銃が響いて3着となった。


Day62 最速最強の強さ


1月21日 第1試合

ABEMASから多井隆晴。サクラナイツからやや久々の内川幸太郎。パイレーツから2連勝中の瑞原明奈。雷電から黒沢咲が登板した試合。

麻雀に興味がない我が家の息子だが、多井隆晴は知っている。VTuberの郡道美玲繋がりで知ったらしい。

そんな息子から「多井さんって強いの?」と聞かれたことがある。具体的に何が強いのか。多井プロの強さを物語ってそうな、南3局2本場に注目した。

多井プロは南2局で6000オールを上がってトップ目。2着目の瑞原プロに12600点差をつけていた。

多井プロの手も悪くないが、瑞原プロが急所は引き入れるし、赤は引き入れるし、ドラにはくっつくしで、かなりな大物手が仕上がりそうな予感。中も対子で持っていたが、そんなものは必要ないとばかりに落としていく。4巡目でイーシャンテンに育ち、リーチはすぐそこ。

6巡目に多井プロが4mを引いてなぜか長考に入る。そして、4pの対子を落としていった。

もう、降りた?

まさかそんなことはない。瑞原プロの河は初巡の2sこそちょっと?だが、その後は字牌しか切っていない。

11巡目に瑞原プロテンパイ。6・9s待ち。リーチはかけていない。

多井プロ、中筋の4mを落としていく。

誰も瑞原プロが聴牌しているとは言ってない。ましてや、高打点の手であることも。多井プロは配牌も良かった。にも関わらず、最初から降り気味に打って、中盤に至っては完全に降りてしまっている。瑞原プロの”ただならぬ雰囲気”を野生の勘で察知したか。

しかし、その警戒は見事に当たっている。今の瑞原プロの手に振り込むとラス前に2着に沈んで、ラス親の瑞原プロは伏せて終わってしまう。それを予期してか、最初から降りた。

上がるときも最速最強。降りるときも最速最強。

この局は瑞原プロが、平和・ドラ・赤・赤の8000点を内川プロから上がった。

4000点差に迫られた南4局も多井プロは”配牌降り”。この局は瑞原プロノーテンで試合が終了。多井プロがトップを獲り、チームも3連勝を飾った。

南3局の当たり回避について、トップインタビューで多井プロがコメントしている。

「表情や仕草ではなく、河を見て危険なことは分かった。聴牌もこの巡目でしただろうと分かった。」

「自分が瑞原プロのテンパイを察知したことを、瑞原プロが察知したことが分かった。そして、お互い分かったことが分かるやりとりが局の中であった」

と説明した。これは多井プロの思い過ごしではなく、瑞原プロも自らが局後にコメントしていたそうである。

言葉を交わさずとも、牌で語り合うことができる。それが麻雀プロであり、その最終形が多井プロなのだろうか。


1月21日 第2試合

サクラナイツから沢崎誠。ABEMASから連投となる多井隆晴。パイレーツは3連勝中の小林剛。雷電から連投となる黒沢咲が登板。

Mリーガーを年齢順に並べると、沢崎プロの67歳は近藤プロの58歳がかわいく思えるほど、ずば抜けてのベテラン。65歳の前原雄大プロが65歳だが、昨年Mリーガーを勇退されたこともあり、還暦を過ぎたベテランとしては今リーグ唯一の60歳台。

その沢崎プロが今季絶好調。この試合に勝てば何と個人ランキング個首位に躍り出る。

この試合のターニングポイントになった南3局を振り返りたい。

3着目、多井プロの手ほ良かった。5巡目で七対子テンパイ。二盃口もイーシャンテン。

トップ目の沢崎プロも赤が豊富にあって手は悪くない。こちらも七対子に進み、イーシャンテンとなる。

多井プロは2m単騎のダマ聴を続け、二盃口変化を待ち続けたが変化せず。白を自摸って待ち牌を替えた。地獄待ちの白で、11巡目でリーチに出た。

沢崎プロがすぐに一枚切れの南を自模ってくるがこれを切らない。メンツに手をかける。12巡目、白を自模ってきた。多井プロの当たり牌である。が、普通なら危険性は低い。多井プロの手は七対子ともメンツ手とも、いずれにもとれ、白を切る可能性はわりとあったはずだ。しかし切らなかった。再度メンツを壊していく。

繰り返すが、地獄待ちの白。この白を止められてしまうと多井プロは上がることができない。逆言えば、絶対切られるから地獄待ちの白にしているのだ。それを止められるとは普通思わない。

さらに沢崎プロが6pをつもり、珍しく長考している。この6pは危険が高いため切れない。では何を切る?解説の土田プロは白しかないとコメント。

そこで切り出されたのは

1枚切れの南を切って、2枚切れの白を残した。

なぜ?

なぜかは分からない。しかし、なぜか当たり牌を交わしてしまうのが沢崎プロ。

試合は追い上げた小林プロを抑えて、沢崎プロがトップを飾り、多井プロは3着となった。


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