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ライト層目線!Mリーグ2021ダイジェスト#15【1月第2週】

Day55 ずれる周波数


1月10日 第1試合

サクラナイツから内川幸太郎。年末を勝利で飾り、新年の1戦目。格闘倶楽部から伊達朱里紗。チームはここ8戦トップなし。風林火山から日を跨いで3連投の松ヶ瀬隆弥。不調のチームにあって前回トップを取っているドリブンズ鈴木たろうの4名が登板。

南4局

2着目でラス親の松ヶ瀬プロがで、両面の6mをツモってテンパイ。打点アップを狙って、まずはカン5pの形式聴牌とした。リー棒出すのも着順に影響することと、せめて両面に変わってからリーチを打ちたい。

テンパイして一巡目の松ヶ瀬プロのツモ番。その手に赤5pが握られていた。気のせいか手がぷるぷる震えている。

牌を卓に置いてツモを宣言すれば1000オール。

。。。

卓に置いた。そして、小さい声で「ツモ。1000は1300オール」と申告。

チーム優先で2着を確定させた。チームプレイの一打となった。

試合はたろうプロが伊達プロから大物手を2回上がり、トップを獲得して2連勝。


1月10日 第1試合

1戦目トップのドリブンズは村上淳を起用、風林火山は日を跨いでの4連投松ヶ瀬隆弥。9戦トップなし、4着3回といよいよ黄色信号が灯る格闘倶楽部は佐々木寿人。サクラナイツは前回瀬戸熊プロを寄せ付けずトップを獲得した沢崎誠が登板した。

試合は村上プロが12月6日以来となる勝利をあげた。

東4局

寿人プロ、七対子テンパイ。白と北の待ち牌選択で、地獄待ちの北を選択。しかし、一発目の自模は「白」だった。

微妙にずれる寿人プロの選択。この局は流局。

上がり続ける村上プロ。一方、寿人プロは大きな放銃を避け、南4局を迎えた時点でトップ村上プロとは2700点差で何とか2着目をキープしていた。3着目の沢崎プロとは100点差だが、4着目の松ヶ瀬プロとは24400点差で、ラス落ちの可能性は低い。

先制リーチを入れたのは寿人プロ。リーチ・平和に供託を加えればトップ。逆転する。

ダントツラスの松ヶ瀬プロもリーチで勝負をかけてきた。4連投目の松ヶ瀬プロも黙ってラスは引けない。

そして、寿人プロが松ヶ瀬プロの当たり牌を掴んでしまう。

松ヶ瀬プロの手が開けられる。リーチ・平和・一盃口・ドラ2。ただし、マンガンなら松ヶ瀬プロの4着は変わらない。

裏ドラがめくられ、そこに松ヶ瀬プロの5pをドラにする4pがあり跳満となってしまう。土壇場のハネ直で、寿人プロはまさかのラス落ち、松ヶ瀬プロは3着に順位を上げてラスを回避した。


Day56 待ってろコバゴー


1月11日 第1試合

フェニックスから日を跨いでの連投の茅森早香。ABEMASから白鳥翔。前回2着で連ラスに終止符を打った。パイレーツから朝倉康心。直近5戦連続連対、4戦トップは立派の一言。雷電から本田朋広。チームは11月2日以来約2ヵ月、男子3人に勝利がない。

東4局

茅森プロの配牌は筒子に寄っていた。一方、茅森プロの上家は、手牌が萬子模様で、筒子と索子は整理していく牌。特に手持ちの1p・3pは茅森プロの急所。打てば茅森プロが鳴くだろう。

その上家が萬子を引き入れていよいよ筒子に手がかかると思われた。

が、切らない。6sが打たれた。まだ5巡目だ。

6巡目。孤立牌だが中を自模り、いよいよ筒子が切られると思われた。

が、切らない。中を打ち出す。これは絞りか。まだ6巡目だ。7巡目も筒子を打たない。

その上家は白鳥プロ。

結局、白鳥プロは手の内に茅森プロの要牌1・3・7pをため込んで、それぞれ対子にしてしまった。1・4・7pは山0になった。

さらに、その後朝倉プロからリーチが入り、茅森プロはこれを掴んで放銃となってしまう。

この試合、オーラスまでトップ目だった茅森プロを白鳥プロはテンパイ・ノーテンの点棒授受で逆転し、トップをとってしまった。

敵に回したくない男だ。


1月11日 第2試合

雷電、本田プロ3着を引き継ぐのは萩原聖人。朝倉プロ4着を引き継ぐのはパイレーツ小林剛。トップ白鳥プロのバトンを受け取るのは日向藍子。フェニックスは前節意地のトップを取った魚谷侑未が登板した。

東4局

親番の萩原プロ。早々9巡目で東を暗刻にして3・6・9p、3面待ちのリーチを宣言。

。。。

これが純カラ。9巡目にも関わらず。

この局を流局し、萩原プロは上りがなく4着でこの試合を終えた。

4着インタビューを受ける萩原プロ。言葉が出なかった。しかし、Mリーグというエンタメの舞台。意地のカラ元気でトップインタビューにつなげた。

「待ってろコバゴー」

この人は、本当にスゴイ人だ。

2試合目のトップはパイレーツ小林プロが獲得した。


Day57 出稼ぎ


1月13日 第1試合

フェニックスから前節でチームの4着回避を止めてしまった近藤誠一。ABEMASこら、前節久しぶりに勝利をあげた松本吉弘。パイレーツは前節4人の対局で勝利をあげた瑞原明奈、チーム2連勝のドリブンズは、園田賢を送り出した。

近藤プロは南1局で5200を上がるも、その他は自模られ、振り込みもあり4着目で南4局を迎えた。

親番を迎え、近藤プロにやっと手が入った。

早々に平和の手を3巡目でリーチを宣言。待ちは5・8p。

しかしながら、何故かこの5・8pを自模れない。

当たり牌は続々と他家に流れ、瑞原・園田・松本各プロの手牌には5・8pがどんどん増えていく。

うまく回りながら終盤にABEMAS松本プロがリーチを入れ、この当たり牌を近藤プロが掴んで試合が終了。

目を閉じて4着インタビューを待つ近藤プロ。松本アナに「試合を振り返って、どうでしょう?」と聞かれ、

「はい?」

と笑顔で返す近藤プロ。この返答だけで、視聴者のハートをがっちり掴んで離さない。かわいくおどけられる58歳だ。

「出稼ぎしようかなと思ってたんですけど、、、、何もできない!」と自虐で笑わせてくれた。

トップは瑞原プロ。

近藤プロはまたチームに4着を持ち帰ってしまった。


1月13日 第2試合

ドリブンズは個人連勝中の鈴木たろう、フェニックスは年末、年始に3連勝と目覚ましい活躍を見せる東城りお、ABEMASから多井隆晴、パイレーツは前節トップの小林剛が登板した。

南3局

8800点持ちで4着目の東城プロが七対子を聴牌しリーチをかける。待ちは一枚切れの西単騎。

しかし、これが純カラ。

西2枚は多井プロが対子で抱えており、出ないと思われた。

しかし、2sをツモって対子にした多井プロの動きがはたと止まる。2s対子が、西との比較になり、両者の安全の比較になった。

東城プロの河はとにかく派手だが、とりあえず索子は危険に見える。とはいえ西も危険。試合も終盤に入り、局を無駄にできない多井プロは考えに考え、西を打った。

かくして東城プロの山0リーチが成就してしまった。

その時多井プロは、かなり、悲しそうな、残念そうな顔を見せた。

試合は多井プロを抑えて、パイレーツ小林プロがトップとなり、2連勝を決めた。


Day58 完全武装アフロディーテ


1月14日 第1試合

サクラナイツから今季13戦目に挑む岡田紗佳、直近2連敗の格闘倶楽部は高宮まり、風林火山は日を跨いで5連投となる松ヶ瀬隆弥。4連投内容は1~4着が1つづつだ。雷電は瀬戸熊直樹が登板した。

10月12日第2戦の岡田プロはオーラスをトップで迎えたが、松ヶ瀬プロに4000オールを自模られて惜しくも2着。10月26日も南3局までトップだったが、滝沢プロに12000放銃し惜しくも2着。11月9日も南3局までトップだったが、村上プロに終盤に上がりを決められ惜しくも2着。

このころの岡田プロはいつ初勝利を挙げてもおかしくない試合を続けていた。しかし、今はなぜか簡単には勝てない雰囲気がただよっている。

さて、試合は松ヶ瀬プロの3000-6000。瀬戸熊プロの2000-4000。高宮プロの2000-4000。松ヶ瀬プロの2600オール。と一方的に自模られ、今日もただ、ただ、厳しい展開。

南2局

岡田プロは13200点のラス目にいた。

しかし、ゲリラ豪雨がぴたりとやんで、急に晴天が広がったようだった。

南2局親番に突然ど級の配牌が岡田プロに入る。4巡目で高目倍満のリーチ。しかも待ち牌の2・5sは「全山」。ほどなく高目を自模上がった。

リーチ・ツモ・タンヤオ・三色・ドラ・ドラ・赤。

8000オール

インタビューではこの時の心境を「そろそろ、そろそろ来てくれ」と願っていたとのこと。

そして「来た」

一気にトップ目に立った岡田プロは、次局も4000オールを決める。

しかし、上家には開催6日目で勝利を奪われた松ヶ瀬プロが20700点差だが2着目で虎視眈々とトップを狙っている。 

そして南2局2本場で、松ヶ瀬プロが高宮プロから12000点を上がって差をつめてきた。

南4局を迎えた段階で両者の点差は7100点。そして松ヶ瀬プロはドラ1mを対子にして白ポンに成功。待ちは1m・4pのシャンポンだが、どこから上がってもトップの岡田プロを逆転する。

しかし、幸運にもこの局は流局。とはいえ、テンパイ・ノーテンでさらに点差が縮まった。

松ヶ瀬プロ、今日もまくってしまうのか?

南4局1本場でも松ヶ瀬プロはちゃくちと発・中を鳴き、しっかり条件を作ってテンパイ。その後、単騎の待ち牌を5s・7pと変えていくが、なかなか上がりに結びつかない。

岡田プロも自力で終わらせに行くものの、南の片上がりの形は分が悪い。

岡田プロ。12巡目に「白」を自模る。松ヶ瀬プロは発・中を鳴いている。白は生牌。

大三元

これは、超危険牌

だが

切った!

叩きつけられた白は、斜めったまま河にある。

火が出るような打、白だった。見事に松ヶ瀬プロは上がりもせず、鳴きもしなかった。

とはいえ、松ヶ瀬プロの上がりはもうすぐそこ。

岡田プロの初勝利はまたもお預けになるのか?

日本中、いや世界中のMリーグファンが岡田紗佳の勝利を願っている。しかし、後は岡田プロもMリーグファンも願うしかない。お祈りタイムだ。

勝利を願っていた。うつむいて、目をつぶる表情。誰もがそれを感じていた。

流局した

岡田プロの初勝利は開幕3か月を経過した1月14日に挙げられた。岡田プロのサクラブレードを見るのがこれほど遅くなると、誰も思わなかっただろう。

トップインタビューでは伊藤アナが岡田プロの心情を汲んで進め、途中涙ぐむシーンも。岡田プロの印象は強気で元気。と思っているが、この局はさすがにそういうものとは遠い、苦難を乗り越えた一人の20代の女性であった。

このオーラス1本場で物議を醸したのは、親番瀬戸熊プロのノーテン流局。

12巡目のドラ8m切らずに賛否両論があった。

この8mを切れば形式聴牌だったが、1sを切り聴牌を崩し、その後ツモも鳴きもできずノーテンで流局したことにつき「弱気だ」「チーム最下位の状況を分かってるのか」といった心無い声がSNS上で一部上がった。

この局面を何度か見直したが、上がりへの変化に乏しい8m切り(1s残し)を選択して残り6巡以上を押し切れるかといったらそれは難しいように思うし、それはそれで消極的ではないだろうか?1sを切り、仕掛けて上がれるタンヤオを狙える巡目だけに、それは決して消極的な選択ではなかったと思う。その後、周辺牌を鳴けなかったことは結果論であり、それを責めても仕方がないこと。逆に形式聴牌を取り続けて放銃しても、結局文句を言う人は言うような気もする。

この日のインタビューで岡田プロがSNS上の声に励まされたとコメントしたが、一方、瀬戸熊プロに対するSNS上の声は逆。Mリーグの良さは選手との距離の近さという面があるが、ファンとして選手の打牌を尊重する姿勢はもったうえで、打牌の賛否を発信してもらいたいと個人的に思う。


1月14日 第2試合

20代岡田プロ勝利のバトンを受けるのは、60代のヒーロー、サクラナイツ沢崎誠。伊達・寿人・高宮と3人が連続4着を引いてしまった格闘倶楽部は、最後の砦となる滝沢和典。風林火山は松ヶ瀬プロ5連投でいったん区切りをつけ、勝又健志。雷電は前節惜しくも4着の黒沢咲が登板。

第2試合は勝又プロが1ヵ月半ぶりとなる7勝目をあげて、風林火山が連続連対で大きく加点することに成功した。

南1局の勝又プロは8巡目に面前の索子混一色を聴牌。とりあえず白単騎にとりあえず聴牌に構え、そのまま滝沢プロから討ち取る。より高打点を目指す選択もあるか・・と思いましたが、しっかり加点してトップを確保。


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