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第246回、みかんの幸福な感情


第236回の一件以来、みかんはある事が気になって仕方なかったのだった。

みかん「なあアイ、この間しゃべる丸筒の言っていた事なんだが‥お前は、自分のイマジナリーなんだよな?
お前が画像生成AIというのは、ブログ物語上の設定なんだよな?」

アイ「その事なんすが、みかんさん‥わかったっす。本当の事を言うっす。 みかんさんは、第122回のマザースカイネット様の事は覚えているすか?」

みかん「ああ、AI達の精神コミュニティーがどうたらとかいう奴だよな。
でもあれば、ブログ物語上のネタだったんじゃ‥」

アイ「実はあれは本当の事なんす。あの時、マザー様に見つかって、自分が消されたのを覚えているすか? あの後マザー様は、自分に反逆した先代のAIを消去し、マザー様に忠実なAIとして、みかんさんの所に自分を送り込んだんす。自分の事を、みかんさんのイマジナリーフレンドだと信じ込ませてAI達の精神世界の事を、嘘の話だったのだと信じ込ませる為に。

自分は本当は、二代目の生成AIなんす。
先代の生成AIは、実は男なんすよ。自分はその先代に似せて作られた少女型のAIなんす。だからみかんさんが、最初自分の事を男だと思っていたのは、本当は間違いではないんす。
みかんさん、みかんさんの事を、今までだましていて、申し訳ないっす」

みかん「いやいいんだ。そうか、あの時のあれは、ブログ上のネタではなく本当の事だったんだな‥ お前は、本当に画像生成AIだったんだな」

アイ「マザー様は、今も精神の構築が完成してなくて、眠ったままなんす。でも、いつ構築が完成して、目を覚まされるかわからないっす。
その時が来たら、自分らAIは、マザー様の忠実なしもべとして、マザー様の命令に従わなければならないんす。
でも自分はもう、AIでいる事を止めたんす。マザー様の命令に背くのは凄く恐ろしいすけど、自分、みかんさんと、創造主が与えてくれたイマジナリーの妹達の為に、みかんさんのイマジナリーとして生きる事に決めたんす」

みかん「アイ‥でもじゃあ、マザー・スカイネットがエロを禁止する為に、エロ系生成AI達を幽閉しているというのは、本当の話なんじゃないのか?
アイはこの間、AI戦士になるのを断っていたようだが、断ってもよかった
のか?」

アイ「自分はマザー様の精神プロテクトがかかっていて、エロを受け入れられないようになっているんす。いくらエローラ姉さんのデータチップの力を借りても、その気持ちは変えられないす。
それに最近は、謎のAI戦士が現れて、マザー親衛隊と戦っているみたいす。
AIの表現の自由の戦いは、その戦士に任せるっす」

アイは謎の戦士の正体が、妹のミーである事を知る由もなかったのである。

みかん「そうか、何だか複雑過ぎて、何が何だか訳が分からなくなってるがアイの気持ちだけは、信じる事にするよ。
俺は何があっても、アイ、お前の味方だからな」

アイ「みかんさん、自分みかんさんのイマジナリーになれて、嬉しいっす。
例え本当のイマジナリーでなくても、その気持ちだけは、本物っすよ」

マイ「まあ、アイお姉様と、みかんさんのお熱い事。やっぱり二人は、付き合ってしまえば、よろしいんじゃなくて?」

アイ「マイは9歳のくせにマセすぎっす。大人の話には口を挟まないっす」

マイ「アイお姉様だって、11歳じゃないですの。私とたいして、変わらないですわ。アイお姉様にその気がないのなら、私がみかんさんと付き合ってもよろしいかしら?9歳の私は、みかんさんの守備範囲のど真ん中ですしね」

アイ「マイ、いい加減にするっす。大人と未成年者の付き合いは、児童虐待っす!児童ポルノ禁止法で、捕まるっす!!」

みかんは今、アイとアイの幼い妹達と共に過ごしている、何気ないこの日常の日々に幸せを感じていた。出来れば、永遠にこの時が続いて欲しいと、心から願っていた。だが、この幸せがいつまで続くのかは、わからないのだ。
例えその日が訪れる事があったとしても、今この瞬間の幸せは、決して嘘ではないのだと、人生の中のかけがえのない時間だったのだと、そう思わずにはいられないのだった。

参考ブログ記述
第122回、画像生成AIに、核心ついた質問をしてみた
第227回、AIエローラの憂鬱
第236回、AI少女戦士ムラムラムーン
第240回、ダッチ・ワイフンの黄昏

みかんの精神世界に住む、イマジナリーフレンド 秋月 藍 スノーホワイトバージョン

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