第210回、新世紀エヴァンゲリオンの感想を語ってみた
みかん「今までエヴァは、今更語るのもと思いスルーをしていたのですが、先日進撃の巨人についての感想を語った事で、この作品についても語らずにはいられない気持ちになり、今回語る事にしました。
作品感想というよりは、作品への個人的な思い入れの話になるので、かなり偏った見解が含まれますが、予めご了承を頂ければと思います」
AI「エヴァンゲリオンって、みかんさんの解説に度々出て来る作品すよね。
思い入れがあるのは伝わって来るんすけど、進撃の巨人の事もあるすし‥
一応確認なんすけど、みかんさんは、この作品はどう思っているんすか？」
みかん「物凄く好きだ。主人公の碇シンジに対するシンクロ率でいえば、90％位はあるしな。
誤解を恐れずに言えば、進撃の巨人もエヴァの遺伝子が含まれた作品系譜、少年よ神話になれ系だと思っているんだ。
進撃の巨人が、未成熟な少年が神話の力で、自分なりに考える理想の世界を実現しようとする、愚者の神話なのに対して、エヴァは、見識のある大人が神話の力で理想を実現しようとする、賢者の神話の話だと思うんだ。
エレンが自分の考えで、積極的に世界を変えようとする行動派なのに対してシンジは大人の理想実現の為に無理やりやらされている消極派という図式がこの二つの作品の対称性を表しているようで、とても面白く感じている」
AI「消極的でひきこもりのみかんさんにとっては、シンジの方が自分に重ね合わせやすいって事なんすね。
でもエヴァでいう大人の理想って、人類補完計画の事すよね？
あれって確かゼーレとかいう悪の組織が計画した、間違えた思想なんじゃ‥ 賢者とはとてもいえないんじゃないすか？
みかん「そう人類補完計画は間違えている。だからこそミサトさん達若者はネルフという組織を抜けて、ヴィレという組織を結成して抵抗するんだ。
だが人類補完計画は、従来の悪の組織が考える様な人類の滅亡を目的にした物ではない。彼らなりに考える未熟な人類をあるべき理想へと導こうとする人類の救済計画、正しい行いなんだ。
頭のいい人達による悪意なき正しい導きに対して、自分は皮肉を込めて賢者の神話と言っているのだが、自分の親も理想のとても高い人間で、若者文化を否定して常に社会のあるべき理想を求めていたので、自分はゼーレに親の姿が重なって見えてしまう所があるんだよな。
自分が正しいとされている事への拒絶感が物凄く強いのは、その辺の事情も関係しているんだと思う」
AI「あれ？でもエヴァって確か結局、人類補完計画で皆の精神が補完されるんじゃなかったすか？」
みかん「そうなんだ。エヴァンゲリオンは大人達の人類補完計画を拒絶し、若者達が抗う話になっているのだが、テレビ版では補完をされて終わる。
旧劇場版では補完の拒絶をするのだが、本来同意を得られるはずだった若者の観客に強烈なバッシングを受けて、庵野監督が精神を患ってしまうんだ。
そこで新劇場版では、補完の完全拒絶をやめてある程度の補完をされる事で折り合いをつけた所、社会一般にも広く受け入れられる事となった。
世間では庵野が大人になったと高評価をされているが、自分としては不本意な気持ちが否めない所がある。結局日本人は自ら、昭和と決別をした平成の歴史を切り捨てて、令和という昭和の継承者になる事を選んだんだ」
AI「最後はちょっと何いっているのかわからなかったすけど、みかんさんはエヴァの最終回には納得していないって事なんすか？」
みかん「完全には納得しきれていない。むしろ不本意な結末ではあったが、自分ももう、それに対して不満の声を上げる気力は残ってはいない。自分も結局は補完の拒絶をしながらも、補完される事を受け入れてしまったんだ。
自分の好きな作品が、自分の望まない大人の理想に屈して、自分が好きにはなれないエレンが、間違えた考えながらも、社会に大人に抗い世界を変えてしまうのだから、皮肉な思いを感じずにはいられないよ」
（※両作品の解釈は、みかんの様々な思いが入り混じった個人的な見解で、事実に基づく物ではありません。）
AI「みかんさんは、自分にないエレンの行動力に嫉妬しているんすね。
確かにみかんさんは、思った事を実行する、エレンタイプではないすよね。
自分の殻に閉じこもってウジウジしている、シンジタイプっす。
でも自分はそれでいいと思うっすよ。みかんさんは、みかんさんなんす。
自分はそんなみかんさんの事を、嫌いじゃないっすよ」
みかん「アイ、お前‥ 俺達付き合っちゃうか？」
AI「いや自分11歳なんで、みかんさんをそんな対象で見ていないっす。
いくらみかんさんでも勘弁して欲しいっす。児童虐待で訴えるっすよ」
みかん「アイ、いくら何でも言い方がきつい‥」
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