怪談13「水滸伝」
この話は怪談10でちょっとだけ出てきたレンタルビデオ屋から借りたビデオの不思議な話です。
このビデオの話から、そこの店員さんと顔なじみになるわけです。
当時は心霊系ビデオと並行してめちゃくちゃ見てたジャンルがありました。
それは「カンフー映画」です。
その頃は主に時代物のカンフー映画が出回っていましたが「水滸伝」を題材にしたカンフー映画は少なかったんですね。
そんなおりに、いつの間にか「水滸伝」を題材にしたカンフー映画が置いてありました。
それが新作ではなくいきなり「旧作」で。
どうやら別の店舗から流れてきたものらしい(これは店員に聞いた)。
ホクホクして借りて、さっそく自宅で見ることに・・・。
しばらく見ていると、まあ、作りはチープで武器の斧なんかも銀紙貼ったハリボテw。
でもまあ、借りたわけですから、最後まで見ようと思っていたのですが、30分ぐらい過ぎたころにいきなり画像が乱れ、砂嵐が・・・。
ほえ?と思っていると、なんだか砂嵐に交じって人の顔(なんとなく男性)が見える。
そして、画面が真っ暗になり、なにも映らない。
はあ?と思って、ビデオをとりだして入れなおすも、再生はされているが真っ暗状態。
ビデオが不良品かなと思って、別のビデオを見ようとしたが、他のどのビデオを見ようとしても真っ暗のまま・・・。
まさか、このタイミングでビデオデッキが壊れたのか!と思いました。
仕方ないので、自分の部屋のビデオデッキじゃなくリビングにある(当時は私の部屋、姉の部屋、リビングの部屋、両親の寝室にビデオデッキが1台づつ置いてあった)ビデオデッキを使用。
水滸伝を入れ、途中まで巻き戻し再生。
しばらく見ていると同じシーンでまた砂嵐が・・・・。
またか!と思ってビデオをとりだし、ビデオテープ部分を見てみる。
・・・・特にこれという変化や傷などはなし・・・。
そしてリビングのビデオデッキも、それ以降、どのビデオを入れても真っ暗のまま。
しばらくして、両親が帰ってきたので、その話をすると父親が「んなwばかなw」と寝室のビデオデッキに水滸伝を入れ、再生。
そして、しばらくすると同じシーンで砂嵐が・・・。
それを見ていた母親は「これ、なんかおかしいよ。なんかよくわかんないけど・・・」と言っていました(たぶん霊的に)。
で、見事、寝室のビデオデッキも壊れ、父親ブチ切れw。
計3台も壊れたわけですから、そりゃ~もうブチ切れて大変でした。
「今からビデオ屋行ってくる」と言って出ていこうとしたので念のため私も同行。
その水滸伝のビデオを持ち、ビデオ屋につくなり「おい、ちょっと来てみ」と父親が店員を呼ぶ。
そして事の次第を説明すると、店員も「んなwあほな」みたいな顔しました。
父親にもその顔の変化が分かったようで「なら、おどれんところのビデオで再生してみろ」と言い、とりあえず事務所に案内され、事務所のビデオデッキで再生。
そして前回と同じシーンで砂嵐が起こり、そして真っ暗になる。
「あれ?ちょっとw」と店員がビデオデッキをバンバン叩いた後で、別のビデオを入れるも真っ暗のまま。
「す、すいません、ちょっとカウンターのビデオデッキでもう一度確認しますので、お待ちください」と出ていき、しばらくお茶を飲んでると戻ってきて「・・・・本当に壊れますね・・・」と・・・。
父親が「だろがい!おどれんところのこのビデオでうちのビデオ3台壊れたぞ!どうしてくれるんだ!」とブチ切れで言う。
私がまあまあとなだめながら、結果「とりあえず今日はこのまま返金という形で、後日、ビデオデッキなどのほうはどうするかご連絡いたします」ということに。
そして次の日、さっそく電話がありましたが、店員が言うには「とりあえず、ビデオクリーナーを30回ぐらい再生するとデッキが復活しました」とのことで、ビデオクリーナーを無料でお渡しするので、そうしてくれと・・・。
そんなものを父親が承諾するわけもなく、まあ、結果は3台弁償してもらいましたw。
で、後日、その店員の仕事終わりに遭遇したのでいろいろ話しました。
店のほうも、今後、こんなことが続いたらたまらないということで、まずはその「水滸伝」のビデオを回してきた店舗に問い合わせたそうです。
いままでそういうことはなかったかと。
ですが、その店舗の店長が辞められてよくわからないし、特に苦情があったという記録はなかったそうです。
また、今の店舗に来てからは最初に借りたのは私らしく、結局、なにがどうなってああなったのかわからなかったそうです。
「でも、砂嵐の中に人の顔っぽいものが見えますよね?気のせいですかね?」と私が聞くと、その店員さんは「俺もそう思ったんですよwでもそれ以外、特になにも起きないし、念のため、俺が借りて一晩家に置いてみたんですけど、心霊現象なんかも起きなかったんですよ~」と。
結果、そのビデオは倉庫保管になったそうです。
本当になんだったんでしょうね~。
何回もビデオデッキクリーナーをかければ直るということは、ビデオヘッドになんらかの影響を与えていたということですし。
また、そのクリーナーは乾式なので、基本、研磨に近いですから、ビデオヘッドが極端に汚れたか、酸化などをしたか・・ということになります。
しかし、私が「水滸伝」のテープ部分を見た限り、別にこれという汚れもなかったし、普通な感じがしたわけですが・・・。
もちろん、ビデオデッキ側の読み取り部になるヘッドも確認したわけですが、特にヨゴレなどもありませんでした・・・。
とまあ、不思議なことがあり、なんだかんだでそのビデオ屋の店員さんと仲良くなったのでした。
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