怪談39「あるキャンプ場とハイヒール」
ある時、夏はじめごろに後輩が「キャンプ行きましょう!」と言い出したんです。
私的には皆でワイワイはしゃぐのは大好きだったので「いいよ~」と返事しました。
するとその後輩が「じゃあメンツ集めるっす!」といって段取りを始めたんですね。
まあ、段取りと言っても、せいぜいメンツをそろえるだけで、あとの食事だの道具だののほとんどはいつも私が用意するんですけどね。
(後輩たちに任せたままだと、あれが無かった、これが無かったとなるので・・・・)。
そして、後輩がメンツをそろえてきました。
後輩含め男性5人、女性7人という形になりました。
私の友人も女の子が参加すると聞いて「あ、なら俺もいく~」なんて言って、結構簡単に集まりました。
車2台で行くことにし、1台は乗用車、1台はバンを知り合いから借りて、用意してGO!
その時、選んだキャンプ場は地元では昔からある有名なキャンプ場で、中学生の卒業キャンプとかでもけっこう使われる場所でした。
テントは全部で4つレンタルし、まあ、普通に設置して、料理作って、川で遊んで、夕方からキャンプファイヤーしながら談笑し、そして1日目の夜がやってきました。
ある程度、ワイワイ楽しんだあと、明日も遊ぶし、1日目だから早めに寝ようということで夜23時ごろに各々、自分のテントに戻りました。
しかしながら、私がいたテントでは、まだ酒飲みたいという人だけが集まることに。
私と後輩のうちの一人、そして女性3人がお酒を飲むことになりました。
でも、まあ夜2時近くなってくるとその中の数人が眠くなってきたということになりましたが、女性たちは自分たちのテントに戻ると皆を起こしてしまうかも・・・という話が出て、私たちと同じテントで寝ることに。
そして、私もじゃあ寝よっかなとコップに残ったお酒を一気飲みして就寝。
・・・・・したんですがね、ちょっとしたら皆が起こすんですよ。
私は眠い・・・と思いながら「なんなん?」と聞きました。
すると、同じテントにいた全員が起きてて言うんです。
「テントの外・・・だれか歩いているんですよ・・・」って。
はぁ~?(-_-メ)と少し不機嫌ながらも耳を澄ます。
すると、確かに誰かが「じゃり・・・じゃり・・・」と足音がする。
「誰かのいたずらだろ~?」って私は言うのですが、後輩は「俺見たんですよ、でも誰もいないんですよ」と言う。
それで私が外を見たんですが、外を見ると誰もいない。
でも「じゃり・・・・じゃり・・・」という音は確かに聞こえる。
でも、目に見えないわけですよ。
私はテントに戻り「なんもいないね・・・まあ気のせいだろ」と言いました。
しかし、女の子たちは「気味が悪いから嫌・・・」って言うんですね。
となると、このテントから自分たちのところに戻るしかないわけで。
それも不気味だから嫌だと言う。
でも、こっちは眠いわけです。
かといって、その子たちをほったらかして寝るわけにもいかず・・・。
「じゃあ、俺が女性陣のテントまで送っていくから、一緒にテント出よう」という案を出しました。
最初は嫌がっていた3人でしたが、ずっと続く足音?らしきものにずっと苛まれるのも嫌だということで、しぶしぶ私の案に賛成しました。
そして皆で外に出る。
・・・・・・というところまでは良かったのですが、3人の女の子のうちの一人がテントのほうを振り向き少し固まったあと、「ひぁあたpたあgんぁ(なんて言ったかわからない悲鳴)」をあげて女性陣のテントに走っていってしまいました。
はあ?と思って私も振り向きましたが、私には視えず。
残りの後輩含め2人の女性にもなにも視えず。
で、結局、ちょっとした騒ぎになり、やっとなだめた悲鳴を上げた女の子に話を聞くと「赤いスカートで赤いハイヒール履いた女性?の下半身だけのものがテントの近くに立っていた」と言うんです。
・・・・・まあ、そんな言われると不気味ですよね。
結局、私と後輩はそのテントに戻り、寝たわけですが・・・・。
そんなこともあって、次の日はテンションが低めだったものの、昼ぐらいになると、忘れたかのように元通りはしゃいでました。
(まあ、その霊?を見た女の子だけはテンション低かったですけどね)。
とまあ、そのぐらいだったわけですが、これが数年した頃でしょうか?
そのキャンプ場に「出る」という言われる霊の目撃談が地元のちょっとした雑誌の体験談のところに書いてありました。
その投稿者は男性で、雑誌に投稿するちょっと前に起きたことだとして書いてありました。
そしてその男性が見たのも「ハイヒールを履いた下半身だけの女性がテントのまわりをグルグルまわってる」というものでした。
そしてそれ以降もそういった地元の投稿話にその霊と思わしき話をしばらく見かけました。
・・・・・ということは、あの時の女の子はやっぱり「見た」んでしょうね。
私には音が聞こえてはいましたが、見ることはできなかったですね。
ただ、小石というか砂利を踏むような音ではあったんですよ。
テントの周りには砂利なんてなかったのに・・・。
そしてもちろん?そういった格好の方がそのキャンプ場で亡くなったなんて話は無いようです。
・・・・今でもそのキャンプ場で歩いているんでしょうか・・・。
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