お風呂のはなし
悩んだ時に、自分探しだといって海外に行く人たちがいる。彼らは世界のいちばん外側に行こうという思考だけど、わたしはいちばん内側に居たいと思ってしまう。
日本が好きで、東京が好きで、おうちが好きだ。そして、わたしの世界のいちばん内側というのは、"おうちのお風呂"だと思っている。
おうちの中でもさらにドアの内側の内側にあって、外に通じる窓もない。たまに人を家に呼んだ時も、トイレは見せてもお風呂は見せない。裸で入る、特別な場所。
だから、本当に辛いとき、お風呂から出られなくなってしまう。お風呂の外でも、ちょっと外側に通じているような気がして、不安になる。お風呂から出る時、少しだけ勇気がいる。
お風呂は世界の内側にあるし、温かいお湯で溶かされて(疲れは水溶性!がわたしの信条)、守られているような気がして安心する。
毎日こなす「体を清潔にする」というミッションとしてのお風呂は億劫だけど、場所としてのお風呂はすごく特別な場所だなぁと、ふと思ったはなし。(はよはいれ)
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