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音と映像の記録媒体の思い出

  • ソノシート

 近所の、何かといろいろ買ってもらえる友達が緑色のうっすーいぺらっぺらの円盤を持っていた。雑誌か何かの付録で、再生板ってのに乗せて、針を落として回すと音がきこえた。アンプなんてあるわけがないから、メガホンみたいな仕組みの簡易増幅。フィンガー5と、何かのアニメ、ムーミンだったか、なんだったかの歌が聞こえた。

  • レコード

 うちの親がレコードとラジオが聞けるステレオセットを買った。妙なところにこだわりがあって、スピーカーは左右に加え、バックスピーカー2ヶ。当時、4chのレコードがあるわけもなく、ありゃ一体なんだったのか。バックスピーカーは早々に撤去され、何かを置く台を経て、捨てられた、多分。
 時代柄、父親は出勤前に越路吹雪をよく聞いていた。当時幼稚園児あたりだったσ(・_・)は、まるっと覚えたが、ヘタに目立たないように、一緒に歌うことは控えた。後年、鼻からピーナッツを吹き飛ばしながら「ろくでなし」を歌う人気芸人に爆笑したのは、また別のお話。

 中学生以降、自分で最初に買ったレコードは八神純子「みずいろの雨」。高校時代まで貸しレコードに通う普通の日々だった。それでも、聞けば聞くほどにレコードは自らを削られ、また針も己を摩耗させ続け、という図式に何かしらのこの世の理を学んだ。他にも、さながら「私、失敗しないので」とばかりにレコードに針を落とすが、σ(・_・)はドクターXではないのでレコードに傷付けて針が飛んだり。針圧を目一杯にして飛ばなければセーフ。ただ、貸しレコードだと返却時に申し出ないと検品でバレて大目玉くらうため、自首すると刑は軽くなるのを学んだ。きっとカネ持ちなら新品買ってすり替えて、なんぼでも怒られない施策もありなんだろーなーとか思って、空想上のカネ持ちの友達を羨んだ。きっと病院の息子かなにか。

  • カセットテープ

  • VHSビデオ

  • CD

 来たぞ技術革新。中島みゆき「歌暦」のCD を、プレーヤーもないのに買った。大学生だったσ(・_・)は、割と何でも買ってもらってる友人にプレーヤーを借りて、カセットテープにダビングした。CDラジカセがメーカーの絶え間ない努力でじわじわ安くなり、σ(・_・)もある時、親に何の脈絡もなくそれを買ってもらった。いと、ありがたき。これがCDかーと大層感無量であったが、当時出たてのCDソフトは、音圧も低く、レコードのほうが音は良かった、というのはきっと気のせいと思い込むことにした。あまり深く考えもせず、自分で買ったLPレコードは今も残してある。
 このCDラジカセには妙なクセがあり、中森明菜「難破船」をテープにダビングすると、イントロで急に音量が上がる部分を再現してくれない。逆にそこだけ音が低くなった。その機種のメーカーに勤めていた従兄に相談したが、「なかもりあきなのなんぱせんのいんとろできゅうにおんりょうがあがるぶぶんが云々」でσ(・_・)の意図が伝わらなかった。なお現在、iTunesに収納されているそれは、難なく普通にずどーーーんと鳴り響いてくれている。

  • LD

 今振り返ると鬼っ子。映像情報も円盤に含めちまえとばかりにレーザーディスクになった。たぶん絶滅したが、吉幾三のヒット曲で登場する。カラオケの歌詞担当くらいならよかったに、長い作品は円盤をひっくり返したり、それが複数枚必要だったりと、じっくり鑑賞できたとは言いがたい。オートリバース装備のプレーヤーはすぐに開発されたが、そのよーな物理的機能はとっとと故障する。目覚まし時計を分解したい系ニンゲンでなかった当時のσ(・_・)は、分解修理なんてトンデモない。メーカーに修理に出すにはカネが惜しかった。σ(・_・)がオートリバース担当します、喜んで。
 中島みゆき「夜会」を毎年買っていたが、このよーな、集中力を特に必要とする作品にはとても相性が悪かった。夜会の何回目頃だったか、最新テクノロジーに強い友人から、どうやらDVなんちゃらという、圧縮?を盛り込んだ新しい円盤が実用化間近だったかしたかで、それが一般普及したら夜会もディスク1枚で済むと聞いた。レーザーディスク高いのに、また買い直しすんの?とか思ったσ(・_・)は、情操教育のブラッシュアップ(今に至ってもなお継続中)を中島みゆきに託していた。

  • DVDプレイヤー

 二束三文になる前にレーザーディスクを一目散に売った。その収益とか合わせて、「夜会」のDVDを買い進めた。σ(・_・)はテクノロジーに詳しくないので、文学的にしか捉えていないが、映像も音声も圧縮して円盤に焼いていて、プレーヤーはその解凍と同期を目一杯頑張るシステムらしい。レーザーディスクへのあてつけか、CDと同じサイズ。さすコンパクト。

  • DVDレコーダー

 は?あの最新テクノロジーと特許を詰め込んだDVDなるものに、録画できるってマジ?でもσ(・_・)はTV録画しないので。夜会やってないし。・・・とか関係ないを気取っていたら、中島みゆき先生、「地上の星」を黒部ダムから生中継で歌うという、まさかの神事が起こり、その日に大至急、家電量販店にDVDレコーダーを買いに走った。ものっそ涼しい顔で、店員さんにいろいろ聞いて、なんなら設定法もゲネプロの如く聞いて、帰ったら大急ぎでまずはアンテナを繋いでとか頭の中でイメトレしていたところ、店員さん「・・・という機能がありますから、今夜は中島みゆきを見れますよ」ギョギョギョ、σ(・_・)、そんなに顔に出てた???
 なお、2003年当時の技術では、HDD録画は神降臨、ハウリングも臨場感出せてていいし、歌詞間違えとか関係ないし。だって作ったのご本人だし、・・・とかはさておき、めっさキレイにうつくしーく出来ていたが、これをディスクにダビングすると、デジタルノイズがあちこちに舞い踊り、また他に録画する番組もなく、10年くらい、それだけを保存できるハコになった。

  • ブルーレイDVD

 最新技術というものは軍事か、DVDに使われるのなーと思った。つかみんなそんなにTV録画が大好きなのかーとも思った。駄菓子菓子、VHSに録画してデッキ2台で編集したり、ちょいと友達間で貸し借りした時代ではなくなり、著作権なるものが厳しくなり、ダビングも編集も制限がかかり、貸し借りなんてトンデモありません!と、ゼーゼマン家のロッテンマイヤーさんの如き厳しい戒律ができていた(ようだ)。

  • 音も映像もファイルで収納

 2023年の今、量販店に並ぶ各種光学ディスクは規格毎に最低量確保、みたいな地味な陳列のされ方である。CDが普及した頃は、これがあれば未来永劫もんですー、みたいな認識だったが、所詮は消耗品。プラスチックとフィルムに過ぎない。経年劣化とかでプレーヤーに認識されなくなったり、傷ついたレコードじゃないのに音飛びしたりと、その脆弱さを露呈。CDでこうだから、さらに小難しい理屈のDVD関係もそう。今やPCに光学ドライブが標準装備されるのが必須ではなくなり、手持ちのはできる限りファイルに変換してPCに吸い込んでもらう。そしてPCのHDDも不老不死でないので、バックアップしたり、バックアップのバックアップしたりというリスク管理する反面、光学メディア、ドライブに関わるのは必要最低限になった。そんな折、ふとVHSビデオのみに残る作品(番組)があったっけ、あれをPCに吸い込ませるにはなにをどーしたら速いかとかを考えてみたり。
 だが日々の仕事や雑事優先で、上記のよーな懐古趣味は面倒だし後回しにしがちだが、ある日突如、サブスクのどれかで配信が始まったりもする。それでまるっと解決にするのもあるが、最近の事例では、アメリカのTVドラマで、サブスクは字幕のみ、σ(・_・)の埋蔵VHSには二カ国語で右チャンネルに日本語吹き替え音声が入ってる、なんてのが続いた。よう知らんが、日本語吹き替え声優さんの権利問題とかの手続きが面倒だったりする?のかな。試しにVHSから日本語音声だけキャプチャして、サブスクの映像用にファイリングしてみたりもしている。サブスクはDLダメなのが多いから、編集して1ファイルにしてはいけません。犯罪です。たぶん。そも、面倒杉なので、なんぼ好きなドラマでもそこまでせん。


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