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現実が未来を超える

 我々が汗水たらして働いて稼いだお金は「リアルマネー」ですが、政府(日銀)や銀行が発行する通貨は「バーチャルマネー」です。

 我々国民は、銀行の「信用創造」で発行した借金と言う「バーチャルマネー」を汗水たらして働いたお金「リアルマネー」で返済しているのです。政府が発行した国債(国債発行=通貨発行)という「バーチャルマネー」の返済にあてがうという名目で税金と言う名の「リアルマネー」を巻き上げられているのです。

 政府や銀行は通貨を発行できる「利権」を持っています。一方で、「利権」を持たない我々国民は「リアルマネー」を搾取され続けるいわば「奴隷」なのです。

 厚生労働省は「給与デジタル払い(デジタルペイロール)」を導入する検討をしていると言います。企業が銀行の口座を介さず、スマートフォンの決済アプリや電子マネーを利用して振り込むことができる制度が「給与デジタル払い」です。

 もし〇〇Payで給料が支払うとなると、〇〇Payを利用できる店舗でしか選択の余地がなくなります。〇〇Payには手数料がかかります。当然、〇〇Payに加盟しない店舗は不利になり、淘汰されます。

 家賃は家賃や公共料金はどうなるのでしょうか。賃貸住宅に住んでいるなら、〇〇Payを受け取らない大家は出て行ってくれとなります。「じゃあ、〇〇Payで支払いが大丈夫な物件紹介しますよ」と斡旋されます。代わりにその物件を敵国のエージェントが取得したらどうなるのでしょうか。これは洗国の手口の一つです。

 〇〇Payは、個人情報と購買履歴、行動履歴、金融資産などを紐付けします。紐付けされたデータは「ビッグデータ」となり、高額で売買される可能性があります。

 「リコメンド(購入履歴に応じてAIが推奨する)機能」により、購買行動は誘導されます。誘導された商品が敵国の傘下の企業のものだったらどうでしょうか。日本の企業は蚊帳の外に置かれます。

 「バーチャルマネー」はイナゴの大群のごとく、無限に増殖し、世界中の国家を支配下に置いています。現在の物価高、ドル高・円安の直接の原因は、「バーチャルマネー」の過剰発行にあるのです。

 1971年に起こった「ニクソンショック」は、ニクソン大統領が金とドルの交換停止を含む一連の経済政策を発表した出来事です。ドルは金と交換ができないので、信用を失ったら、ドル紙幣は紙切れ、コンピュータ上の預金通貨は単なる数字になります。現在起こっている急激なドル高・円安は信頼を失ったドルを円が買い支えているのです。

 1968(昭和43)年12月10に起きた「三億円事件」以降、給与は現金手渡しから、銀行振り込みに変わりました。それ以前は、給料支払い日には、職場に銀行や信用金庫などの職員が訪れ、「給与は当行にお預けください」「10年定期を当行で組みませんか」と従業員を口説きまわり、現金を奪い合ったものです。

 企業側も給与天引きの「社内預金」を従業員にすすめ、少しでも現金を手元に残そうとしました。

 売場面積1坪・コロッケ1ケ10円で年商1億円!伝説の惣菜店「かねふじ」では、私の知る限りでは、現金を従業員全員の前で手渡ししていました。先輩の分厚い給与封筒を見て、後輩はやる気を起こしたと言います。自分の才覚一つで給与は何倍にもなったのです。

 2000年10月からアメリカでテレビ放映されたドラマ「ダークエンジェル」は2019年の近未来を描きました。舞台は、ワシントン州シアトル、主人公のマックスは、第1話の冒頭で、「“一発の核爆弾ですべてはおしまい”その冗談を現実にしたのは、テロ集団の放った電磁波パルスだ。大人たちは口を揃えて、“昔はよかった、幸せだった”“食糧や仕事は豊富にあった”という。(中略)アメリカは長く続く好景気に沸いていた。すべてそれは数字だけの話。あの電磁パルスでコンピュータの中にある数字のすべてが消えてしまった」と述懐します。

 第2シリーズ放映中、2001年に「911事件」が起き、現実がドラマ(未来)を抜き越してしまいました。「911事件」は航空機による同時多発テロでしたので、電磁波パルスは使用されませんでした。

 急激な世の中の変化を面白がっている人たちがいます。ハリウッドでは、「近い将来の恐ろしいことが起きますよ」と未来予告を盛り込んだ映画を制作する役目があるようです。「スーパーマリオ・ブラザース」「マトリックス」は、「911事件」を予告したものだと言われています。

 厚生労働省は、「賃金支払い5原則」の「通貨払いの原則」に例外を設けて、「給与デジタル払い」を強要しようとしています。給与までが「バーチャルマネー」にされるのです。年収1億円、ただし支給は電子マネーで!と喧伝すれば、簡単に転職する人も大勢いるでしょう。

 電子マネーは1ポイント=1円で交換されていますが、この交換レートは何に裏打ちされたものなのでしょうか。私が知る限りでは、スーパーマーケットのオオゼキ以外ポイントは現金に裏打ちされていないと思います。

 オオゼキのポイントカードは買い物金額100円ごとに1ポイントが貯まります。買い物の際に1ポイント=1円として使えるだけでなく、月に1度の「換金日」には100ポイント=100円に現金と交換できます。

 過去には、門仲牡丹店(東京都江東区)で160万円を換金したお客がいたそうです。160万ポイント貯めたということは、オオゼキで1億6,000万円の買い物をしたことになります。平均的な家庭なら100年分の買い物です。ポイント5倍の日を選んで買い物したとしても20年分です。

 通常はレジから現金を取り出すそうですが、160万円となるとほかのお客の目があるのでバックヤードに来ていただいて渡したそうです。

 それ以外のポイントや電子マネーは、加盟店・提携店では買い物できますが、現金とは交換できるという話を聞いたことがありません。

 「バーチャルマネー」がただの数字に変わってしまうのか。現実が未来(ドラマ・映画)を超える瞬間が迫っているような気がします。

 その瞬間、「利権」がなくなり、持てる者と持てない者の格差が解消し、この世界は新しい時代に変わるはずです。その時代を我々の手で、“よきもの”にしなければならないのです。

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