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はじめての、その先へ #11 映画「ドクターコトー診療所」を観て、与那国島を思う

お正月にテレビで映画「ドクターコトー診療所」を観た。ドラマ版は見たことがないのだが、与那国島が舞台のモデルとなっているということで、八重山諸島に住む身として観てみたいと思っていたところだった。

映画のストーリーよりも、台風で被害が出ている設定なのにガラス窓に雨戸や目張りもしていないとか、暴風雨の中川が氾濫しているのを確かめに行くとかの細部が危険すぎて気になってしまったが、与那国島で撮影された映像は海も草原も美しく、島のゆったりした雰囲気が伝わってくる。ということで、与那国島について。

与那国島へのアクセスは石垣島から飛行機で35分ほど。映画の志木名島は「本土から6時間」という設定だが、東京から石垣島まで3.5時間ほどと足しても与那国島には少し早く着ける。ちなみに石垣島からフェリーで行くと4時間もかかる。

映画と同様、島ではカジキ漁が有名で、恒例のカジキ釣り大会には島外からも参加者が訪れる。海水の透明度が高く、島の集落内まで引き込んだ小さな川さえも、色とりどりの小魚が泳いでいるのが見えるほどだ。きれいな海でのダイビングやシュノーケリングはもちろん人気だが、外洋に面しているため波が高くなりがちでツアーが欠航することもしばしば。この島が「どなん」(渡難)と呼ばれているだけある。

陸でのアクティビティとしては、ヨナグニウマが放牧されている草原の散策がおすすめだ、小さな茶色い馬で、人懐っこく近寄ってくるのに癒される。昆虫好きには、ヨナグニサンという日本最大の蛾と会える「アヤミハビル館」。運が良ければ生きたヨナグニサンを間近で見ることができる。

つぶらな瞳の可愛いヨナグニウマ

ドクターコトー診療所のオープンセットも島の観光地になっている。島の二つのメイン集落から離れた港にほど近い崖の上にあるので、もし実際に島唯一の診療所があんな場所にあっても不便で誰も通えないんでは、、と思ってしまうが、ドラマの絵面としてはこの上なくコトー感を効果的に表現している。

ところでこのオープンセットは、地元の方々がボランティアでお掃除などして維持されているのだが、前に管理者だった町議が管理費を横領したのではとの疑惑が最近報じられている。ドロドロした現実を目の当たりにして残念な気持ちになるが、心温まるドラマが生まれた美しい大自然だけは本物なのが救い、と思うべきか。

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