🐯デビュー10周年🐯

10周年！

デビュー作の『めざせ！東大お笑い学部』が発売されたのが、2014年5月15日。
なので、今日でデビューから、ちょうど10年が経ったことになる！
こんだけ長く続けてこられたの、我ながらおどろきである！　ほんとに！

そもそも、僕はもともと児童書志望じゃなくて、大人向けのエンタメを書いていたのだ。
いや、大人向けを書いていたというのもまちがいで、根本的に『ジャンル』とか『対象読者層』とか、意識したこともなかったというのが正確だ。
そのときどきで、自分が「書きたい！」と思ったものをわ～！　って書いて、「ジャンルはなんでもいいよ」って書いてある短編賞に、傾向も何も調べずに適当につっこんでいた。（ちなみに一番出したのは、『オール讀物新人賞』だ。なにやってんだ）
とうぜん、落選続きで…。

あるとき、あまりに落選するので、
「上にあがってるのは、どんな作品なんだろう？」
と疑問に思い、公募の受賞作や最終選考作をいろいろ取り寄せて、読んでみてですね。

「俺の作品の方が面白いし、技術的にも上なのに、どうしてこれが上にあがって、俺のが一次で落ちるんだー！！」
って、発狂しましてですね。

「これ選んでるやつら、地球人じゃねえな！？　宇宙人にちがいない！！」
って、思いこみましてですね。

そんなときに、たまたまつばさの第一回の公募募集をみつけて、

「いっそもう、宇宙人向けに書くか！」
「子供って、宇宙人だよな！」
「選考してるエラソーな宇宙人向けに書くより、子供宇宙人向けに書く方がマヌケで楽しそうだしな！」

って思ったのが、僕が児童書ジャンルに行き着いたきっかけになります。
……はい、反骨精神の塊でございますね。

いや、いまとなっては、当時の僕が公募で落ちる原因について、「そらそうやろ…」って感じなのだけど。
当時はよくわからなくて。
若さってそういうものだろ！

児童書ジャンルについて

そんなテキトーな感じでやってきた児童書ジャンルなのだけど、いまとなっては、なかなか水にあってたな、と思っていたりする。（でなけりゃ10年続かないし！）

なんというか、僕、小説界隈の、「なんか高尚なことをやってるぞ感」が、昔から好きになれなくて。
もちろん、自分にとって小説を書くことは、これがなきゃ生きてねえな、と思うくらい、大切なものであることはたしかなんだけど。
でも、世の中のほとんどの人にとっては、小説なんてどうでもいいことだろうなっていうのも、同時に思ってることなので。
なので、書くこととか出版することについて、人と違う特別感とか、強いプライドみたいなものを発露させている人を見ると、なんとなく相容れないところがあって。そして、結構な偉い先生方からも、それを感じることが多くて…。
小説講座にかよっていたとき、ほかの受講生から、「あなたの書くものは、どこか人を食っているというか、作品世界自体の上に浮かんで、いたずらしているところがある」って言われたことがある。
その人は「そういうところが好き」って意味で言ってくれたんだけど、個人的には、「ああ、そういうところが文芸の世界にうまく馴染めない理由かもな～…」って、妙に納得した記憶があるんだよな。
小説に対するスタンスが違うというか。

でも、児童書エンタメのジャンルにおいては、それでもいいというか。
子供たちは結構、そういう感覚を面白がってくれるんじゃないかな～って感触はあるので。
なかなか水にあっているのではないかな、と、思うのであります。
思うしかねえんだよ！

そんなわけで

そんなわけで、10年経ちました。
まあ、「作家を10年続けた」というより、「絶望鬼ごっこを書き続けていたら10年過ぎていた」という方が実感としては近いんだけど。
その鬼ごっこも完結するので、「20年は無理だろうな～…」とか思いつつ。

でもまあ、初心に帰って、１年１年！　というか、１作１作！
面白いものを書いていって、それで続かなくなれば、それは力不足ってことでべつにいいんじゃないかな、と思ってます。
まだまだ、面白いものを書く自信はあるしね🐯

児童文庫でやりたかったことは、絶望鬼ごっこでいったんやりきらせてもらったところがあるんだけど、各社の編集さんと話してたら、そうだ、こういうのもやりたいな、というのがいろいろ出てきたので、いまはそちらを進めています。
冬以降、順次出せるかと思うので、お楽しみに！
今後ともよろしくお願いします！