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エンタメ講座創作質問①

ゴールデンウィークなので(?)、以前エンタメ講座でいただいた質問にこたえた回答を公開していきます。

まずはみんな大好き、プロットについての質問。


Q. 作成にどのくらい時間をかけていますか?

A. 2~3日から一週間


寝かせてから考え直したり、清書したりするのでこれくらいかかります。

基本的に新作の方がはやくでき、シリーズ続刊になるほど遅くなります。
発想が自由にできる方がはやく、縛りや整合性の解消に意識を割かれるようになると遅くなるようです。

実際に完成するまでは、編集さんとのやりとりの時間含め、一週間~一ヶ月くらいでしょうか。

Q. 初回すり合わせから、実際に執筆を開始するまでに、何回くらいプロットを修正していますか?

A. 1~3回


1回めは全体のアウトラインやコンセプトを共有するつもりで提出して、全体観がOKだったら、感想をヒアリングしながら詳細を考えます。

多くても3回で、それ以上修正が必要になる場合は、そもそも最初のすり合わせができていないので編集さんと茶でもしばいた方がよいです。

新人の場合はもうすこし増えます。
「この作家はどういうことが得意なのか?」みたいなものが編集さんにわからないから、すり合わせの精度が落ちるため。

Q. ほかの方からの意見をもとにプロットの修正を行う際、気をつけていることはありますか?

A. 「納得感」と「コンセプトを壊さないか」


1回めは、そもそも意見を出してもらうための素材のようなイメージでプロットを出すので、なるべく意見を採り入れる余地の大きい器のようなプロットを用意します。(ただこのやり方は、戸惑われることも多いです。編集さんのタイプによります)

固めたあとの修整では、どうしてその意見が出てきたのか、要因を深掘りした上で修正するようにしています。意見と実際に修正する箇所が、ちがう方がいいことも多いです。
理由さえわかれば、自分の考えと違っていても納得します。なので、上司が言ってるから…とかでも、理由があきらかなので納得します。その調整含めてお仕事、という感じです。(逆にヘンに誤魔化されちゃうと、納得できなくなるんだけど)

また作品のコンセプトさえブレさせなければ、壊さない範囲の変更修正は、積極的に検討してみた方が面白くなることが多いです。
つねにたくさんのパターンの中から、どれにしようかな、って取捨選択をしながら考えているので、外部から適度にシェイクしてもらったり、「こっちじゃね!」と指定された方が、偏った部分のバランスがなおったり、絞られた面白さに集中できてシャープになりやすいなと。
ただ、コンセプトまでブレさせると迷走します。

鬼ごっこの1巻の場合は、「男子読者が楽しめること」、「鬼から逃げるハラハラ感が眼目の小説であること」、「お母さんとの関係によって乗り越えること(テーマ)」、「キャラクターの基本造形」あたりを固定したあとは、わりと流れでイベントを決めていました。
個々のイベントは、コンセプトにさえ沿っていれば、ある程度入れ替え可能な部品、というイメージでしょうか。


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