経済のおはなし。

円安ですねー。私はある作業を海外にお願いしているので、支払いが高ついて困っています。かといってお客様に見積書より高い請求をするわけにもいきません。相談すれば多少面倒は見てくれるかもしれませんが、円高になった時には立場が逆転しますからね。
こういうのを商売の駆け引きと言うのでしょうか。

さて、もっと巨視的にみると、日本は輸入大国で、しかも内需に依存しています。輸出産業(自動車など)の利益アップが報道されたりしていますが、GDPにおける輸出額の割合は17%であり、ほとんどが輸入に頼っているわけで、当たり前のように物価高(インフレーション)になります。

本来経済学的には、インフレーションは景気拡大のチャンスなのですが、なぜか日本は内需が拡大しません。「物価が高くなるから買い控え、我慢我慢」が常識のような風潮ですが、本来物価が急激に上昇すれば、賃金もそれに伴って上昇し、いつも通りの消費でも価格が高いので、「内需拡大」ということになるわけです。

ではなぜ日本はひたすら我慢我慢なのかと言えば、当然のように賃金が物価スライドではないからです。そして大企業は内部留保をどんどん溜め込んでいきながら、表向きには「環境配慮」「社会貢献」とのたまっているのです。
「金は天下の周りもの」といますが、内部留保にしても、タンス預金にしても、金を天下に戻さないのは「社会悪」です。
いたるところで金の流れが淀んでいるから景気も停滞するのは当然ですね。

そして税収がないからと、社会保険料や消費税を上げる。消費税の行き先は法人税の軽減です。
頭の中で流れを想像してみてください。安月給で働いて、社会保険やらなんやら控除されて、手元に残ったお金から消費税を払って買い物をする。でもその消費税で自分の勤め先は楽になっているはずなのに、給料は上がらない。
こういうのをひとことで表す便利な言葉がありますね。「搾取」です。

99%のまじめな労働・消費が1%の懐に入っているわけですが、これでは「正しい経済」とは言えませんね。「経済」とは本来、「経世済民」の短縮であり、世を収めて民を救うのですから。

奢れるものも久しからず。
日本は教育でもっと哲学を教えるべきだと思います。「哲学史」でも、「哲学解釈論」でもなく、本来の「常識を疑い、知らないことを探究する」行動としての哲学を学校でもっともっと教えるべきです。
その逆が「思考停止」ですが、今までの教育は、思考停止人間の大量生産です。先生が悪いわけでも生徒が悪いわけでもなく、「仕組み」が悪いのです。
さあ、倫理資本主義に向けてがんばりましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?