エターナルサンシャイン考察

 新天地にて、ネット環境の用意ができず(クソ田舎のため遅い)
もっぱら所持しているDVD,Blu-rayを延々観ています。なんたって数百本あるから、ぶっちゃけ困らないわけです。同じのを何度も繰り返して観るしね。

そんなわけで2004年の大好きな映画エターナルサンシャイン
Spotless mindを何年かぶりに観たわけです。
もう10年以上前の映画なので、ストーリーはどこかでお読みください。

監督は超メジャーアーティストたちのMVをバンバン撮りまくっているミシェルゴンドリー
自身のバンドのMVがビョークの目に留まり、そこから凄まじい発展を遂げた人

超人気脚本家 マルコビッチの穴、脳内ニューヨークのチャーリーカウフマン

主演はジムキャリーとケイトウィンスレット
周りを固めるスパイダーマンのヒロイン キルスティンダンストン、ロードオブザリングのイライジャウッド、アベンジャーズのハルクと凄まじいメンツ

もうね、18年も前の映画で、高校生の頃とかには観てたわけで、DVDも何本目かわからないくらい擦り切れるまで観てるんで、目新しさとかはないんです。

でもなんでか観てしまう。
雰囲気?ハッピーエンドが好きだから?ジムキャリーの魅力?
絶対に叶うはずのないファンタジーだからか、美しいことが好きだからか。全て該当はするんだけど。

何が原因で、何が起こってとかはないんです。
忘却装置がある世界で、男が彼女に忘れられて、こっちも忘れてやるぜってなってる中でやっぱ忘れたくないな、ってなったってだけの話。

余計なことは省き、嫌味でも押しつけがしまくもない過剰な演出もないナチュラルな運び。

ニーチェの"忘却はよりよき前進をうむ"
アレキサンダーポープの“幸せとは無垢な心に宿る。忘却に沈みゆく世界。曇りなき心に輝く永遠の太陽。祈りは届き、願いは受け入れられる”(届いた祈りに叶わぬ願い、と日本語音声では使われている)(不倫してるから?)
なども引用し、嫌なことを忘却し、受け入れることを止めてしまうのを肯定する世界で、やっぱり忘れたくない、ってなるって素晴らしくない?
最期のシーン、また揉めるかもしれない、それでもいいさってのも強さじゃない?
まー忘れてんだけど。
楽しかった思い出の中でポンポコ彼女が消える残逆な忘却方法だけど。
キルスティンダンストンも主人公2人の対比として存在していたわけだ。なんの解決にもなっていなかった、という。

 くれなずめ、ちょっと思い出しただけ、でもそうなのだが、現実を受け入れ、過去を引きずらず先に進むためには、現実を変え過去を肯定できる余裕と力が必要。環境を変えることだったり、できること増やしたり、自分のことを好きになったり認めてあげたり。これは恋愛に限らず、医療でも仕事でも生活でも通ずることだと思う。

 知人にこういうことがあった。
大事に飼っていたペットが死んだ。悲しみに耐えられない、という理由ですぐに新しいペットを飼いたい知人。それを良しとしない家族。
どちらの気持ちもすごくわかる。痛いほどに。
乗り越え方、受け入れ方は人それぞれで、代替を使ったりとどんな手段を使っても苦しみから救われたい人もいる。
真っ向から向き合い、向き合ったのは良いものの受け入れられない、または受け入れ方がわからないと、永遠に呪いにかけられる人もいる。

 しかし、表現という媒介を通じ現実逃避し、フィクションの中で生きてきた僕にとってはやっぱり映画は最高の現実逃避なのであった。
個人的には終わりというものは人を強くする、と思う。タイミングやシチュエーション、内容によっては耐えられないこともあるけどさ。

 僕がエターナルサンシャインに魅了され続けているところを述べたけど、他にも時系列や細かい伏線だったりもしっかり作り込まれているのも何度も観たくなる要因だと思う。オシャレだし、絵作りも素敵。

よかったら観てみてね fin

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