2024/10/02ブックガイド スピード・バイブス・パンチライン ラップと漫才、勝つためのしゃべり論

スピード・バイブス・パンチライン ラップと漫才、勝つためのしゃべり論
つやちゃん

人の心を動かすしゃべりとは何か?筆者はそれをスピード・バイブス・パンチラインの三項に分類し、ラップと漫才の膨大な引用によってしゃべくり倒す。本書を話芸向上のための虎の巻だと思って読むと面を食らうことになる。本書はラップゲームや賞レースでしのぎを削り合うスター達のスタイルウォーズ、そういったアレコレを愛のある文章で語る批評本だったのだ!これを読めば、明日からしゃべりで人気者間違いなし!という軽い気持ちで読み始めたらあら不思議、読み終わる頃には「ZORNのパンチラインはエグい」「SEEDAの早口はいらないリスナーを拒絶している」「Watsonの18kを聴いてない?ありえない」「ジャルジャルは面白い」という感想を抱き、俺もラグジュアリーブランド買ってみようかなと一考させる。オルタナティブがしゃべりにまで波及していきている事を思うと、ゲーム化するしゃべりの時代を生き抜け!という帯文も大袈裟ではないように思える。

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