2024/07/28ブックガイド 乙女の密告

乙女の密告
赤染晶子

芥川賞受賞作。ドイツ語の勉強をして、アンネの日記の暗唱に精を出す乙女が主人公。主人公も密告されアンネの日記の内容とオーバラップしていく。前半はコミカルにスルスル進んでいくが、後半は『わたし』『他者』を通して自分を思い出すことに焦点が当てられている。文学とは、「お前はお前なんだよ」ということをいかに婉曲し、言葉や品を変えて伝えていくことなんだと思った。噂の広まり方、密告、次は誰の番だ!感が女子すぎて最高だった。俺も女性のことを乙女と呼ぼうかな。

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