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パフォーマンスにフォーカスするからファーストテイク

2022/8/25 日記(風エッセイ)


忙しくなるはずだった。けど、自分ではどうにもならない都合に振り回されることになり、今日は代休との業務指示。ふむ。あ、これは昨日(24日)の夜の段階。

そのおかげで、まだ投稿してないのも含めて記事を3つも書けた。早朝まで書いて、1時間寝て、子供を幼稚園に連れて行って。用事のある妻を送り出した。私は当然何の予定もない。

平日昼間。我が家に一人。絶好の朗読日和。
夏の間は諸々の事情で全く出来ていなかった新しい趣味を、今やらずしていつやるか。

朗読したかった本を青空文庫から引っ張り出すも、なんかこれじゃない感。
自作の詩(最近書いていない)を眺めるも、やっぱりこれじゃない感。
素敵な文章を書く方の記事(無許可)を読んでみるも、気持ちが入り切らず失礼に当たるので中止。

で、せっかくのチャンスに何も録音しないのは勿体ないので、好きな歌を「歌ってみた」のだ。


私の学生時分「歌ってみた」というものが流行りだした。そのブームに乗る人達をみて、すげーなーと思っていた。今でも「歌ってみた」というジャンルはあって、私が朗読を配信しているstand.fmでも人気のジャンルのようだ。やっぱりすげーなーと思うし、自分には無理だわーって思っていた。

ところが、私は既に朗読配信をしている時点で、自分の声をネットに流すことに抵抗を覚えるのはおかしい。とすると「歌ってみた」と「朗読」との違いにすげーなーの根拠があるわけだ。

これは考える余地もなく、歌唱力という点で評価され得るのを厭うておるのだろう。これは何も上手いか下手かということを言っているのではない。朗読においても、アクセントや発声といった歌唱力に当たるような、押さえていて当然なポイントはある。しかし、朗読において最も重要なことは何をどう表現するかにあると私は考えているから、発音などは些事である。その些事を突かれるのは居心地がよいとは言えないのだ。

さて、「歌ってみた」はどうだろう。もちろん、表現が大事であることに間違いはない。しかし、それを聴く者にとってはやはり歌唱力のほうが目にとまるのではないか、という疑念が払拭できない。それが何とも心にザラつきを覚えさせ、敬遠していたのだろう。

動画サイトなどで大流行していたときも、録音の質とミックスの質と声質(と動画)が良ければよいという風潮があった。それらは全て歌唱力に繋がる部分だ。

でも、そうじゃないだろう。歌唱力の話を出せば、原曲やプロには及ばない。では何故「歌ってみた」なのか。それはその人にしか出来ない表現があるからだと、そう信じたいのだ、私は。


ところで、youtubeにTheFirstTakeというチャンネルがある。プロのアーティストに一発撮りで一曲披露してもらおうという企画チャンネルだ。

チャンネルの概要欄には「白いスタジオに置かれた一本のマイク。 ここでのルールはただ一つ。 一発撮りのパフォーマンスをすること。」と記載

Wikipediaより

ここで言うパフォーマンスとは、演奏・歌唱表現のことだろう。プロに対して一発撮りという制約を課すことで歌唱力とは別の価値を提供してもらおうというコンセプトだ。プロなのだから歌唱力は持っていて当然として、違うもので魅せてみろということだ。

これを「歌ってみた」に置き換えよう。

「プロでないのだから歌唱力が劣るのは仕方ないとして、違うもので魅せてみろ」となる。違うものとは表現のことだ。そして、その表現を際立たせるのは一発撮りだ。つまり、「歌ってみた」においてもその真価が発揮され得るのは、一発撮りにあると言える。プロでない者の一発撮りにこそ、真の表現が出来るとも言えよう。さらに言えば、無加工かつ伴奏なしのアカペラこそが、その最高峰である。

この様に考えれば、自由と自己表現を追い求める私がこれに挑まない道理がないだろう。


選曲は、小学生のころから変わらず一番好きと言っていい唱歌。唱歌と聞くと、裏声を使って柔らかく歌うようなイメージがあるけれど、こういうのもありなんですという表現にしました。

そして最近記事を書きながらヘビーリピートしていた曲。こちらは感情込めまくり表現になりました。(こっちはアップするか検討中)


あと、ファーストテイクから私の好きなアーティストの2本をチョイス。

冒頭の語りも、歌唱とのギャップを魅せるための表現のうちだと思います。

菅田将暉さんに楽曲提供した曲を作った本人が歌っている。これもやはり表現である。
比較として

どっちもいい。


しかし、ファーストテイクと検索すると「やらせ」だの「下手」だのが出るのは、コンセプトが理解されていないのか、結局歌唱力を見る人が多いのか。少し寂しくなったりもするのだ。

noteで好き勝手に書こうぜ!という論調は多いけど、好き勝手に歌おうぜ!は、あまり見ないんだよなぁ。本質は一緒だと思うんだけどなぁ。

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