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ヴァンモアが贈る究極の豆知識

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世界から集まる宝石の数々、どのような宝石の特徴や歴史があってどのようにおていればすれば良いかなどを綴っています
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サファイヤ

サファイヤ

7月の誕生石ルビーの記事でもお伝えしたように『ルビーとサファイヤは同じコランダム (corundum)で赤色の範囲に含まれる物はルビー、その他のカラーをサファイヤと宝石名称で呼んでいます。』ということで赤以外の様々な色、特に[黒色・無色]も含まれています。マルチカラーもとても煌きに趣きがあり魅惑的なのですが、個人的にはブラックとクリアーのサファイヤがその色のダイヤモンドと違って何かこうコレクション

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トルマリン

トルマリン

10月の誕生石であるトルマリンとオパールは奇しくも共に日本でバブル期に宝飾業界のプロモーションなどにより一大ブームのあった宝石で、当時は本当に様々な作品を制作しました。
特にトルマリンが多く知れ渡った理由として「健康ジュエリー」としての評価がありました。当社ヴァンモアはゲルマニュウム ジュエリーなどの「健康」を謳い文句にした商品は扱わなかったので、トルマリンも健康に良いとはしていなかったのですが、

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オパール

オパール

数十年前、時期は違いますが10月の誕生石であるトルマリンと同じくオパールも日本でバブル期に宝飾業界のプロモーションなどにより一大ブームのあった宝石です。
形を楕円形(オーバル)に整えたブラックオパールなどは当時とても高額で売買されていたため、貴石同様の宝飾デザインをしていました。
オパールが石の亀裂や隙間に形成される性質があるために厚みのあるものを採掘するのが稀で母岩を付けたまま研磨したボルダーオ

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インペリアルトパーズ

インペリアルトパーズ

当初11月の誕生石の代表「インペリアルトパーズ」は一般的には[シェリー カラー]と言われる「やや赤みを帯びた黄色の色調」=レディッシュ オレンジの色彩とGIAでは表現しています。バイヤーを長年経験していてこの宝石も早くから上質な物が枯渇して、かなり薄いレディッシュ オレンジまでインペリアルトパーズの範囲として表記されていたことを記憶しています。ですので早くからお客様のご要望に添った仕入れが出来ずあ

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ウルトラマリン

ウルトラマリン

別名「瑠璃(るり)」・「ウルトラマリン」と呼ばれて、「青金石(せいきんせき)」と呼ぶ場合はラピスラズリの主成分である鉱物の部分を「ラズライト」とも呼ぶのですが、こちらは別の鉱物で「天藍石(てんらんせき)」の別名がラズライト(lazulite)となり、どちらの表記も紛らわしいとされています。
「ウルトラマリン」と呼ぶ場合に馴染み深いのは、美術大学受験の為に絵を描いていた時は「絵具:ウルトラマリン」の

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魔法の宝石アレキサンドライト

魔法の宝石アレキサンドライト

ジュエリーの制作やデザインの仕事をしている長い歴史の中で、この「アレキサンドライト」という宝石を語らない訳にはいかない!。そんな至極の逸品として正に『変色する宝石の王』とも、世界の五大宝石(貴石であるダイヤモンド・ルビー・サファイア・エメラルドの四大宝石にプラス一大宝石として加えられて)に名前を連ねる中でも宝石愛好家が憧れとしてこよなく熱望し『ダイヤモンドを凌ぐほどの宝石の王様』と崇められ君臨して

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ダイヤモンドの色、それは大海の一滴のような

ダイヤモンドの色、それは大海の一滴のような

ダイヤモンドと言えば透明な輝きの素晴らしさを連想しますが、パレットに彩る基本のカラーにある8色のほぼ全てとブラック&ホワイトまで存在しています。その色は炭素[C]の結合体であるはずのダイヤモンドにおいていったい何の色なのでしょうか?。宝飾人ならではの疑問を少し紹介したいと思います。
先ず、「約1カラットのダイヤモンドには炭素[C]原子をいったい何個含むのか?」考えたことありますか?。
そこでの計算

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『日出ずる国として和風で表現したい青と、地中海アマルフィの景色を感じさせる洋風で表現したいブルーと・・・そんな宝石達』

『日出ずる国として和風で表現したい青と、地中海アマルフィの景色を感じさせる洋風で表現したいブルーと・・・そんな宝石達』

「あお」と色で表現する漢字に日本では【青】・【蒼】・【碧】といった感じに変化を表現していたり、「こん」【紺】・「あい」【藍】といった漢字であおを表現したりしますが、世界ではブルー系統でまとまった表現をしますから緑味がかっているのか紫味がかっているのかという[グリーニッシュ(Greenish)]または[パープリッシュ(Purplish)]といった補足で分けるイメージで、やはり日本の『漢字』の方が情緒

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タンザナイト

タンザナイト

宝飾品として今まで扱ってきたものは内包物をほぼ全く含まない、そして青紫のそれはとても魅惑的で純粋に透明感を醸し出す素晴らしい宝石で、つい職人としては硬度も硬いものと錯覚し超音波洗浄器で割れてしまう。なんとも悩ましい宝石でもあります。原石を見ると解るのですが通常はエメラルドぐらい内包物の多い鉱物なのでルーペ・クリーン(10倍のルーペで見た時に内部が無欠陥・無欠点)の綺麗で色の良い上質なものが日本にこ

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ガーネット

ガーネット

ガーネットは色によってとても細分化された名称がついている宝石で、個々に名前がメジャーです。ここでは先ず特によく聞く名称の紹介をカラースケールの範囲でより詳しく説明したいと思います。
【アルマンダイト(アルマンディン) ガーネット】レディッシュ オレンジ~レッド、スライトリー パープリッシュ レッド~レディッシュ パープル。

【アンドラダイト ガーネット】イエロー、グリーン、ブラウン、ブラック。

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『魔法の宝石アレキサンドライト』

『魔法の宝石アレキサンドライト』

ジュエリーの制作やデザインの仕事をしている長い歴史の中で、この「アレキサンドライト」という宝石を語らない訳にはいかない!。そんな至極の逸品として正に『変色する宝石の王』とも、世界の五大宝石(貴石であるダイヤモンド・ルビー・サファイア・エメラルドの四大宝石にプラス一大宝石として加えられて)に名前を連ねる中でも宝石愛好家が憧れとしてこよなく熱望し『ダイヤモンドを凌ぐほどの宝石の王様』と崇められ君臨して

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『 [クォーツ] ≧ [水晶] = [クリスタル] ≠ [ガラス] ⊇ [クリスタルガラス]... の訳 』

『 [クォーツ] ≧ [水晶] = [クリスタル] ≠ [ガラス] ⊇ [クリスタルガラス]... の訳 』

宝石学、鉱物学、はたまた英語学者や数学者といった様々な方々より異論があるかと思いますが、今回はこのようなテーマに表現してみた理由をチョットした豆知識感覚でまとめてみました。

始めにクォーツと水晶って違うの?という疑問ですが、【クォーツ】というと「珪素と酸素だけで形成した鉱物」となりまして和名は「石英(せきえい)」です。その為、クォーツでよくイメージされる透明な結晶体(水晶とお店で言われるもの)と

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『ダイヤモンドの色、それは大海の一滴のような』

『ダイヤモンドの色、それは大海の一滴のような』

ダイヤモンドと言えば透明な輝きの素晴らしさを連想しますが、パレットに彩る基本のカラーにある8色のほぼ全てとブラック&ホワイトまで存在しています。その色は炭素[C]の結合体であるはずのダイヤモンドにおいていったい何の色なのでしょうか?。宝飾人ならではの疑問を少し紹介したいと思います。
先ず、「約1カラットのダイヤモンドには炭素[C]原子をいったい何個含むのか?」考えたことありますか?。
そこでの計算

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『猫・虎・鷹、さて何の仲間でしょう?』

正解は「宝石内での光の反射がそのドーム型のカット面に集まって見える現象」効果を持った宝石に名付けられたその動物の種類です。今回は簡単な内容で《光の筋が生まれる特殊効果》によって希少な宝石についてまとめてみます。

この現象は均一に並んだ針状?シルク(絹)のような繊維状のように均一に並んだ状態?の鉱物結晶いわゆるインクルージョン(内包物)といった状態に成長した鉱物原石を横に平行にしてドーム型(カボシ

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