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(8)小学生から中学生へ

 小学校の卒業遠足には参加できなかったリュウですが、卒業式の練習が始まった3月は比較的通えました。もうすぐ卒業という希望が彼を支えていたかもしれません。卒業式の様子もブログで描いていました。

卒業式  卒業式追記

 中学校生活といえば、部活動。部活動が楽しければ、登校の励みになるのではないかと思案したダンナと私は、ケンとリュウに卓球を教えました。ダンナは中高と、私は高校生の時に卓球部に所属していました。その後、社会人になってからも同業種のクリエーター集団で作った卓球クラブに所属していたので、自宅には卓球用具も、名作「ピンポン」や「行け!稲中卓球部」も全巻揃っていました。初めてラケットを持った2人はヘンテコな動きをしていたけれど、親に教えてもらうことであまり緊張することなく、半年ほどで軽いラリーだったら続くようになりました。これで卓球部に入って、いい友達ができれば中学校生活はより充実したものになるのではないかと期待しました。

 ただ、ケンの仲良し4人組のうち2人は校区で分かれて、別の中学校に進学となりました。とても残念でしたが、ケンは彼らのおかげでずいぶんたくましくなり、冗談を言って人を笑わせることもできるようになっていました。卒業アンケートでも「将来芸能人になりそうな子」で、まさかの1位でした。それもあり、ケンのことは全く心配していませんでしたが、とにかくリュウは進学をきっかけに何かを掴んでほしいと切実に思っていました。そして私のその期待に応えるかのように、入学式の日、リュウは久しぶりの笑顔で登校しました。

 しかし入学式の翌日には、もうその笑顔は消えていました。

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