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(4)小学校低学年時代

 運動音痴だったケンとリュウは、外遊びが苦手でした。もっぱら室内でのお絵かき、パズル、プラレールなどが好きで、特にプラレールのトーマスシリーズが大好きでした。クリスマスや誕生日のプレゼントは、ほぼトーマスシリーズの車輌でした。ただ遊び方は、レールをつないで走らせるのではく、並べて眺めるというような遊び方でした。

 2人を連れておもちゃ売り場に行くと、ケンはほしいキャラクターをすぐ見つけて購入し、「早く帰ろう。」というタイプでした。逆にリュウはいつまでもいつまでも悩み、迷い、手にとっては戻し、手にとっては戻しを繰り返しました。「どうするの?、早く決めな。」と、せっつくと泣いて怒り出し、ますます事を長引かせることになりました。しかしその結果、ケンは買ってきたおもちゃにすぐ飽きてしまい、リュウはいつまでもいつまでも大切にするという現象がおきました。

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 しかしその後、ついに2人はゲームボーイに出会ってしまいました。メイが最初にほしいと言い出してからずいぶん我慢させましたが、結局メイに買い与えるのと同時にケンとリュウも手に入れました。忘れもしない、初めてのソフトはポケモン金、銀、クリスタル。それからはもう寝ても覚めてもやっていました。泣いて暴れて喧嘩ばかりの2人が、何時間もおとなしくしていることに、私が味をしめてしまったかもしれません。当の本人たちもこんなに1人で遊べて、楽しく充実した時間が今まであっただろうか、というほどめり込みました。小学校に上がってからは、ポケモンの話で友だちから声をかけられるようになり、ポケモンの絵を描いては喜ばれ、彼らにはなくてはならないものになっていきました。

〜小学校低学年時代〜

 「おしっこ大丈夫?もう1回トイレに行く?」
入学式当日、朝から私の心配はただひとつ。もしケンが小学校でおもらししたらどうしよう…だった。

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