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自分で育てた4年目の葡萄の木の有機葡萄で、初めての初秋の「葡萄仕事」〜スパークリング赤ワインを自家用に醸造中(カナダでは合法)

今年の春に、初めての「梅仕事」、
>梅干しを作ろう!
として、でも梅の質がいまひとつで、結局梅エキスになっちゃったんです。

そして初秋の今日は、初めての「葡萄仕事」。

自分で育てて4年目の葡萄の木が、大豊作。木の裏に回ると、こんなにたくさんの葡萄がなってる。有機のコンコード、種無し葡萄です。同じアパートの人たちにも、好きなだけ食べていいよ!って言ったんだけど、みな遠慮するのか、食べ切れない。無駄にして鳥のえさにするのももったいない、有機の葡萄。なので、これをつかって、
>自家製の赤ワイン(スパークリング)を仕込もう!
と、思い立ちました。(私はカナダ在住です。日本ではありません)

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日本では、大昔の酒税法、アルコール製造で国が儲けを独占するために、一般人には酒を作らせないという法律が、いまだに生き残っています。だから、この記事を読んでも、1%以上のアルコールができちゃうから、お酒を製造するライセンスを持っていない限り、作っちゃダメですよ。日本では違法です。

でもここカナダでは、またアメリカを含む北米でも、自分が飲むための発酵酒、そして自宅で友人に振る舞っても無料なら、ワイン作っていいんです。

ワインを作るための材料からセットとかも、通販でも売ってますし、ワインの醸造所Breweryという、作り方を教えてくれたり、オーダーで作ってくれる専門のお店まであるんです。

私はカナダに来たばかりのころに住んだ、キツラノの家のすぐ近くに、こういうワイン醸造所がありました。合法なのになぜかこの手の店は、ひっそりとしてる。北米にも禁酒法という時代があったので、お酒を飲んだり作り方を教えるのが、なんとなく後ろめたい密造みたいな雰囲気が残っているのかもしれません。

とまれ、この店はなんだろう?と恐る恐る入ってみて、
>ワインやビールの作り方も教える、有料セミナーもあるよ!
とお店の人に言われた。好奇心強い私は、もちろん習ってみました。確かグルーポンの格安チケットで、2時間20ドル(約1800円)とかのグループレッスン。5人ほどいたカナダ人たちに混じって、実際に葡萄でワインを、麦でビールを作る方法を、ざっくり教えてもらいました。

>なんでこんなに安いセミナーなのかな?
と思ったら、そのあと参加者のカナダ人たちが、次々と大瓶注文し始めた。つまり、お店の宣伝と試飲を兼ねた、紹介セミナーだったんですね。もちろんキットを買って自宅で自分でも作れるんですが、瓶を洗って詰める機械とかを無料で使える。なので、お店で自分のワインを作ってもらって、2ヶ月ほど経ったら自分でとりにくるほうが人気らしいです。

私は当時はそういうセミ・カスタムオーダーのワインやビールには興味なかったんです。お店でボトルで買えばいいや、って思ってたから。バンクーバーにはオカナガンというワインカントリーがあって、そこのワインはそこそこ美味しいし、州の特産品だから税金も少し安いよう。なので一本10ドル前後、800円くらいでまあまあの食事用カナダ産ワインが買えます。

だからわざわざ100ドル以上払って、一種類のワインを29本分オーダーする必要性を感じなかったし、家やアパートをシェアしてたから、保存場所がなかったんですよね。

でも、その時に習った方法で、アップル(スパークリング)ワイン、つまりシードルも作れることがわかって、そっちにはまってしまいました。

フランスで、美味しいシードルをそば粉のクレープ(ガレットと呼びます)と食べるのを覚えてたので、有機の美味しいシードルが飲みたい!でもこっちではフランス産の輸入物は高い!というわけで、自分で作ってみるか、と思った次第。当時、約10年前には、カナダでもまだシードル、りんごの発酵酒、発泡酒はあまりなかったですから。

で、つくり始めて試行錯誤の末、アップル(スパークリング)ワイン、フランス語でシードルは、とっても簡単に失敗なく作れるようになりました。今はYouTubeもありますし、世界のみなさんが惜しみなく有益情報をネットでシェアしてもくれてる。カナダで習った発酵酒の作り方を簡略化して、お気楽に美味しく作れるようになった、と自負しています。

でも今回は、自分が5cmほどの苗から4年かけて育てた葡萄をワインにしてあげようという、思い入れ企画。葡萄ジュースを使うのは初めてです。なぜならりんごジュースは安いけど、葡萄ジュースは高いんですよ。だから、結局市販のワインを買うほうが安くて美味しいのが飲める。葡萄ジュースを買ってまで、作る必要性を感じなかったんです。

今回は、自分の育てた可愛い葡萄、しかも有機だから無駄にしたくない。ということでジュースを生搾りして、それだけじゃ足りなかったので、市販のまあまあいいジュースと作ってみました。

葡萄のスパークリングワインの作り方を詳しく書くと、日本政府からクレームきそうですが、自分の記録でもあるので失礼。

(日本のみなさんは、決して真似しないでくださいね。)

1、まずは葡萄(種無しです)を洗って、茎から一粒ずつ外す。

2、バイタミックスという強力ミキサーでガーっとして、ナッツミルクバックでこす。この生搾りジュースに、天然のいい酵素がついてるようです。

3、葡萄がそんなに甘くないのと、量が瓶のサイズの半分くらいしかなかったので、Sunripeというローカルブランドの葡萄ジュースを混ぜて、1+1.5=2.5Lに。

4、ウォッカで消毒した瓶にジュースをいれて、甘くなかったのできび糖を250g(360cc)ほど補って、激甘葡萄ジュースを作りました。酵母はこの甘い砂糖を餌にして、アルコール発酵をしてくれます。

5、その激甘ジュースにエール酵母を入れて、エアロックという酵母が呼吸できるふたをとりつける。そのあと、そろそろ始動しているセントラルヒーターの暖房の近くにおいて暖かくしてやります。酵母系はだいたい、30度手前くらいの暖かさが好きですね。活発に動いてくれる。

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そして30分ほどしたら、ほら、この通り。酵母たちが、ぶくぶくと泡をふいて、元気よくアルコール発酵を始めてくれました。瓶の底から元気よく浮き上がってくる炭酸や酵母が見えます。この茶色のブクブクは、なんどか混ぜてやれば、綺麗に溶けます。

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このブクブクは、酵母が餌にできる砂糖とジュースの糖分が無くなったら、収まります。多分2週間ほどかかるかな。そしたらこれを、炭酸に強いペリエの空きボトルにいれてやって、追い砂糖をすこし入れて二次発酵。シャンパンの作りかたと似てるそう。合計4週間、ほぼ1ヶ月たったら、出来上がりです。

カナダにワイン醸造所があるわけは?実はカナダはアル中が多いため、高い酒税であまり飲ませないようにしているよう。

酒屋も、一番大きなBCリカーというチェーン店は、なんとカナダ政府が直営してる。アル中防止もあるが、日本政府同様にアルコール製造からの酒税を独占して儲ける狙いもあるんでしょうね。日本では500円とかで売られてる輸入品のチリワインが、こっちでは1500円ほどします。だから日本のほうが、輸入酒の酒税は安いんですよね。

だからワイン好きなカナダ人たちは、アルコールを自家製、手作りするのもわりと好きみたい。酒税が安く、またはかからずに済むから。なのでクラフトビアが流行ってるし、シードル作ってる仲間もわりと多いです。

でもワインはやっぱり葡萄の質が鍵だから、カリフォルニア産のワイン専用の葡萄のジュースのいいのを、ワイン醸造所を通じて買うのがいいらしい。スパークリングじゃないスティルワインは、自分で作るのがちょっと難しいしね。ワイン醸造所で大きな22L瓶(約ワイン29本分)でオーダーする。そして自分で小さいボトルに詰め替えて、自宅まで車で運ぶことで、酒税をある程度安くすることができるそうです。つまり質のいいワインが、BCリカーで買うより安く買える、ってことですね。

なので実は!私も初めての、赤ワインのセミ・オーダーをしてみました。

注文したのが、約2ヶ月前。できたと連絡あったので、今週の水曜日に友人2人にヘルパーを頼んでて、みなで瓶づめと受け取りに行ってきます。日本ではできない経験だから、一度やりたいと思ってたんですよね。コロナ時代のワインの備蓄にもなるしね。

自分の葡萄でつくってるスパークリングワインと、
ワイン醸造所でセミ・カスタムオーダーした初めてのワイン29本
飲み比べができる1ヶ月後が楽しみ。秋の訪れも感じられる、赤ワイン、これもボージョレ・ヌーボーっていうのかな?の季節です。


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