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左利きQBのプレーオフ先発出場の可能性への期待感

今年のNFLのレギュラーシーズンも早いもので残り3試合となった。先週のSEAはSFに敗戦。OLとDLのパワーバランスの差はアメフトの試合では非常に大きく影響する。改めてそう感じさせる一戦であった。

さて、今年は応援しているチームとは別の面で注目している点が2つある。1つは先日のブログに書いたプレーオフ争いでのNFC東地区。もしかすると、3チームすべてが進出するかもしれない。東地区のチームが独占するのか、SEAやDETが割って入るのか。目が離せない。

もう1つは11年ぶり(多分)に左利きのQBがプレーオフで先発する可能性があるのだ。MIAのQB、Tua Tagoviloa(トゥア・タゴヴァイロア)だ。昨年のルーキーシーズンから注目されていた選手ではあるが、昨年は怪我もあり期待通りの活躍ではなかった。今年も脳震とうによる離脱があったものの、無事(?)復帰し、チームをプレーオフ戦線に導いている。

左利きのQBはアメフト界ではかなりの希少種だ。過去にはスーパーボウル制覇に導いたSteve Young(スティーブ・ヤング)をはじめ、レジェンドとして人々の記憶に残っている選手もいるが、それも数えるほど。私が観戦した中で一定以上の活躍をしていたのはMichael Vick(マイケル・ヴィック)くらい。2011年にDENのQBとして先発したTim Tebow(ティム・ティーボウ)は持ち前の俊敏性を活かしてはいたものの、パスプレーがなかなかに厳しい成績であった。2011年のDENにおけるMVPともいえる選手ではあったが、チームはPeyton Manning(ペイトン・マニング:リーグを代表するベテランQB)を獲得し、Tebowはあっさりと放出されてしまった(そして、その後、ほとんど試合に出ることはなかった)。

左利きのQBが少ない要因の1つには、投げたボールの回転軸が異なるのがあるらしい。右利きの選手から投じられたボールの軌道に慣れ親しんだレシーバーたちは、逆の回転軸になると感覚が狂う部分があるようだ。YoungやBoomer Esiasonと言ったレジェンドの成績を見ると、慣れてしまえば案外問題なさそうなのにも感じる。実際、Tagoviloaも第15週終了時点でリーグ1位のQB Ratingを記録している。案外、少ない理由は、先に挙げた回転軸の問題がある、という「先入観」に過ぎないのかもしれない。

いずれにしても、Tagoviloaが左利きのQBとして11年ぶりにプレーオフで先発する可能性がある。その可能性が週ごとに高まってきている。これは楽しみでしかない。

懸念があるとするならば、Week3,4での脳震とうの問題(5日間で2回の脳震とうを起こし、NFL界で大きな問題になった)だろう。それが中長期的に深刻な後遺症を残さないことを祈るのみだ。

影響が出なければ、Tagoviloaは左利きでもQBとして活躍できることを改めて証明できるだけの実力がある。怪我がないことを祈りつつ、活躍を楽しみに待とう。

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