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わたしの日本語教師物語18~卒業

今日は2022年3月29日。
ほとんどの日本語学校では2021年度の卒業式を済ませ、新年度に向けての準備をしている頃でしょう。今回のブログのタイトルは「卒業」ですが、留学生たちの卒業ではなく、私自身が長く所属していた日本語学校を離れたことについて書こうと思います。

つまり、この「卒業」という言葉は、元AKB48センター前田敦子が突然ステージ上で叫んで、流行らせたあの言葉。いや、ただ辞めただけやん、ていう突込みは心の中に留めてくださいまし。

私が日本語学校を卒業したのは2015年3月だったと思います。この学校で教え始めたのは1990年10月なので、その間、産休を取ったりしたけれども、実に25年に渡ってお世話になったことになります。このnoteにもずっと綴ってきましたが、この学校では本当に様々な経験をさせてもらいました。担当の授業も初級から上級、ビジネスクラス、観光ビジネスクラスまで。日本人対象の日本語教師養成講座も。更に学校から派遣されて大学や企業へも教えに行きました。3か月弱の韓国への派遣、短期ですがパリやホーチミン&ダナンにも出張しました。今は天国にいらっしゃるS子先生他、多くの先生方に本当にたくさんのことを教えて頂き、ここまで来られたんだなぁ。改めて振り返ると感慨深いです。

ただ組織の中にいると、組織の決めたルールの中で動いていかなければなりません。これは当然のことです。そのルールがちょっと自分には合わなくなったというか、そろそろ自分ひとりの責任で動いていってもいいのかなと感じ始めたということです。幸い少し前からある大企業とコラボの仕事があり、それを学校を辞めた後も続けられる目途が立ったということもあります。(組織の中にいながら、組織に対して文句ばかり言っている状態が私は好きではありません。そんな時、道は二つ、自分で改革するか、そこを離れるかです。)

そんなわけで日本語学校を離れた私ですが、しばらくは日本語を教える仕事ではなく大企業の下請けで、もっぱらeラーニング教材を作る仕事をリモートワークでやっておりました。そう、だからコロナ前から自宅仕事。たまに会社まで行って打ち合わせ。週1,2回程度は企業へプライベートレッスンに行く仕事もあったかしら。
この教材はlevel1からlevel3まであり、level1,2も一部関わっていますが、level3に関してはテキスト、Quiz、テストすべて作りました。テキストの会話には俳優さんが演じた動画もあって結構よくできてるんじゃない?と自画自賛。私のクレジットは出ませんが。
今でも使ってくださっている方がいるので嬉しい限り。このeラーニング学習者の質問に答える仕事も細々とやっております。
ずっと続くと思われたこのeラーニング教材作成の仕事ですが、いろいろな事情でペンディングとなり(そこはやはり企業ですのでシビアです)、仕事を探さなくちゃという状況になりました。

学校を離れることを考え始めた頃から、Facebookのコミュニティーに参加したり、他の日本語学校主催の勉強会に出たりしていました。そして一番大きな出会いが小山暁子さんが主宰するサタラボに参加したことだと思います。振り返ってみると日本語学校に所属していた時は、そういう外部の勉強会やセミナーにほとんど参加していなかったんですね。学内で勉強会などがあったのをいいことに。本当に井の中の蛙だったと思います。
フリーランス日本語教師の草分けである暁子さんに出会って、そういう道もあるのだと知り、とりあえずフリーランス日本語教師と名乗ることにしました。(その後、学校の非常勤の仕事も始めたので、フリーランスと非常勤、何が違うの?とよく聞かれますが、答えは、カッコよく言うと、自分の責任でやっていくという覚悟かな。その実は、こまごました収入が多く自分で確定申告をするのがフリーランスかなとも思っています。(*´σ-`)エヘヘ)

学校、企業という後ろ盾を失った私が一人でやっていくためには、自分を知ってもらうこと、そしてつながりをひろげること、これが重大事でした。なので、サタラボをはじめとするセミナーにできるだけ参加するようにしましたし、全然使っていなかったFacebookでもちゃんと発信するようにしました。お金をかけてプロフィール写真も撮りました。(そのスタジオ、めっちゃ腕がいいので、紹介して~とよく言われます。私に関しては実物以上に撮ってくれてます。)

そして大企業の仕事が激減し、経済的ピンチになるところでしたが、そこまでにセミナーなどで知り合った方々のおかげで新しい仕事がいただけることになったのです。それ以降、ほぼすべての仕事がこれまでに知り合った方々からのご縁でいただいたものです。日本語学校に所属していたら、できなかったであろう経験をこの6,7年でしているんです。不思議なものですね。昨年は私の名前でアルクさんから本を出すこともできました。(これもご縁の一つですが)
もぉ、すべてのつながりに感謝、感謝です。

今、学校を離れてフリーランスになろうかと迷っている方へ。まず、学校の外につながりを作ってください。そして声をかけていただいた仕事は、エイやっとやってみましょう。そこが確実に新しい一歩になるはずですから。

私の日本語教師の仕事はまだ終わりませんが、日本語教師としての自分を振り返る「わたしの日本語教師物語」は今回で終わりにします。今後はGoo Blogで書いていた「日本語教師的生活」をこっち(note)で書いていこうかなと思います。またお付き合いくださいましたら嬉しいです。
では。
↓こちらは以前そのブログをまとめて電子書籍にしたもの。読み放題ならゼロ円。



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