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わたしの日本語教師物語16~ダンス、ダンス、ダンス!

明けましておめでとうございます。2022年note書き始めです。
今年もよろしくお願いします。

日本語教師ヒストリーを振り返る16回目はちょっと番外編で、ダンスについて。ってどーゆーこと?

日本語学校で教えていた時のことです。S校では毎年3月に立派なホールを借りて卒業式が行われていました。卒業証書授与式はあくまでも厳粛に、そしてその後のパーティーは楽しく盛り上がる。その中の余興コーナーで歌自慢、踊り自慢の学生たちがいろいろなパフォーマンスを披露してくれた後、最後にサプライズで教師たちによる余興というのがありました。卒業式に出席している教師全員で、郷ひろみの「GOLDFINGER’99」(♪アチチ、ってやつね)とか西城秀樹の「ヤングマン」とかSMAPの「世界に一つだけの花」とかを歌って踊ってたのよ。そういえば事務局チームは、今再ブームの「マツケンサンバ」をやってたこともあったわね~。しかし、余興を担当してくださっていた専任の先生が海外へ行ったり、出産のために辞めたりということがあり、担当者不在に。卒業式の教師の出し物はどうするんじゃ~って危機的状況になっていたのでした。

そんな折、私は私で、息子の小学校卒業を控えていました。ママ友との飲み会で、謝恩会の話になり、酒の勢いもあって「ねぇねえ、ヘビーローテーションやりたい!やらない?やろうよ~」と皆さんをたきつけたのです。それで近所のマンションの集会室などに集まって、ママ友たちとの練習が始まりました。YouTubeに上がっているダンス動画を見ながら練習、練習、練習。

ん?だったら、これ日本語学校の卒業式でもやったらいいんじゃね?せっかく覚えたんだし。そんな企みが頭をもたげてしまい…。
そんなわけで単なる非常勤講師の身でありながら、「やりましょうよ~」と卒業式前でお忙しい専任の先生たちを巻き込んで密かにダンスプロジェクトが始まりました。私が言い出しっぺなので、とりあえず振りは完全に覚え、皆さんをサポートできるようにしました。

さて卒業式当日。式は滞りなく終了、パーティーも始まりました。
学生たちの出し物も一通り終わり、そろそろパーティーも終わりに近づいた頃、急に曲が流れ、ステージに教師有志チームが登場、
ワン、ツー、スリー、フォー、I Want You~♪
と始まったのです。

受けました。案の定。
その頃、めちゃくちゃ流行っていたAKB48を先生たちが踊るんですもの。

しかも大変まずいことに、その楽しさに味を占めてしまったのよね、私が。
(今、思い出したけど、この前年は東日本大震災で卒業式自体が普段通りに行えなかったのでした。だから2年ぶりの楽しい会だったんだわ)

翌年の卒業式では、男性の先生や事務局スタッフにお願いして、ゴールデンボンバーの「女々しくて」をやってもらいました。そして私たちは再度、ヘビーローテーションを。(2年ぐらいはいけるだろうと)もちろん、受けましたよ。

そしていよいよ2014年。
この年がどんな年か分かりますか。
そう、同じAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」の動画投稿がめちゃくちゃ流行った年です。いろんな企業や学校やグループがみんなで踊った動画をアップしていましたよね。記憶にあるのはタクシー会社のおじさんたちのとか、アメリカ大使館とか。いくつかの日本語学校や交流基金の皆さんもやっていたと思います。
「これ、ぜったいやりたーい!!」
そう思った私は学校全体を巻き込んだ一大プロジェクトにしなければ成功しないと思いました。それで、校長先生に企画を話し、許可をもらうことにしました。動画編集が得意な事務局スタッフの方にもお願いしました。「ヘビロテ」や「女々しくて」は全員ではなく有志のみの参加でしたが、これなら教師、およびスタッフ全員が参加できると思ったのです。もちろん先生たちのダンス練習会も行いました。提携している海外の学校にも動画を送ってもらったり、ちょうど産休中の先生方にもビデオ参加してもらったり、企業研修に行っているクライアントの社員の方にも出演してもらったりして、素晴らしい動画が完成しました。実際には私は最初に声をかけたぐらいで、事務局の方々、専任の先生方が頑張って作ってくださったのです。御年80歳を超えていらっしゃった学園長も笑顔で出演。

この動画を卒業式のパーティーで流しました。

学生たちがきゃーきゃー言って喜ぶ顔が本当に嬉しかった。これは私にとっても忘れられない思い出です。

その翌年は確か、「妖怪体操第一」をやったのかな。「ヨーデルヨーデル」ってやつ。

S校ではその後、本格的にダンスチームが作られ、星野源の「恋ダンス」等が披露されたと風の便りで聞きました。
あ、私はS校を離れてしまったので、もう参加していないのです。

フリーランスとして、プライベートレッスンなどで教えるのも大好きなのですが、こういうイベントって、日本語学校じゃないとなかなか難しいので、そういう時は日本語学校もいいなぁと思ったりします。

さて、S校を卒業した私。もうダンスプロジェクトもできない?

と思ったら、そんなこともなく、次にお世話になった学校で性懲りもなくやってたのよ。
そこは卒業式ではなくクリスマスパーティーでの余興でした。

最初の年は、教師の皆さんとフラチームを結成。「カイマナヒラ」を踊りました。これも結構、練習しましたね~。(私自身は10年くらいフラを習っています)衣装は私のパウスカートをお貸しし、揃いのレイをかけました。
校長先生が見ごたえのある出し物だったと褒めてくださいました。

そしてなんとなんと、この時のことがきっかけでフラを始めた先生が2人もいるのです。一人は私と同じスタジオでレッスンしています。楽しかったんだって。よかったよかった。

翌年は専任の先生が主体で「め組のひと」をやったので、それに参加。

さらにその次の年。なんとなく忙しいし、教師チームの余興は立ち消えになりそうだったのですが、それじゃ寂しいじゃんってことで、私が提案したのは、誰でも踊れるパラパラ。
校長先生も事務局スタッフもみんなで踊りましょうよ~と、急遽練習時間が取られました。多分1日練習しただけで本番に。
それが「俺んとこ来ないか」の「ワンナイトカーニバル」です。氣志團ね。

めっちゃ受けた。古い曲なのに、何故か知っている学生もいました。
皆も一緒に踊ろう!って言って盛り上がりました。

今は日本語学校で教えていないので、ダンスプロジェクトには参加できていないんですよね。ちょっと寂しいかなぁ。
普段真面目な先生だったり、ちょっと厳しい先生だったりが、学生たちのために一生懸命踊りを覚えて、披露するのって学生は本当に喜びます。そんな学生たちの笑顔を見るのはなにより楽しい。でも、一番楽しいのは踊ってる自分かしらね。(本当は、一番やりたかったのは、ももクロの「行くぜ!怪盗少女」なんだけど、さすがにできない。脚が上がらない…)

日本語学校で教えている皆さん、ダンスプロジェクトいかがですか?
学生も喜びますよ~。

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