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【前編】 漫画キングダムを読んで、仕事の理解を深めるnote

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突然ですが、あなたは「仕事」をどのような視点から見ていますか?


ここでは何が正しいとか、こうするべきとか、こうしなければいけないとか、そんな窮屈な話をするのではなく、このnoteを通じて皆さんが「これからどんな視野でビジネスと向き合っていきたいか」を考えるきっかけにしてもらえたら嬉しい。



仕事をどのような視点から見ているか?
このテーマを漫画キングダムと重ねながら紐解いていきたい。



キングダムの視点

仕事をどのような視点から見ているか?という問いをキングダムに当てはめるなら、あなたは「戦」をどのような視点からみていますか? という問いになる。

同じ戦でも、
・兵士からみた視点の戦
・将軍からみた視点の戦
・軍師からみた視点の戦
・王からみた視点の戦

要は何を起点として物事を見ているのかという話だが、今回はこの視点の違いを山・森・林・木という表現で考えてみることにした。どの視点で見ることが偉いとか、凄いという話ではなく、起点が変わると同じ仕事(戦)でも景色がどのように変わっていくのかを一緒に覗いてみよう。

キングダム2


この山・森・林・木の視点をキングダムの役割・キャラクターに当てはめていくと下記の図のようになりました。

キングダム



信はまだ「木」の視点からの戦しか知らなかった時代に、たまたま出会いに恵まれて王騎(山)の視点から戦を知ることができました。この景色の違いを経験できたことが、信の未来を大きく変えるキッカケになったのではないかと考えています。

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景色の違いを具体化してみる

兵士(木の視点)と将軍(山の視点)では見えている景色が違うんだと言われても、漠然とし過ぎているのでイメージがしづらい。そこでキングダムの視点と、社会の視点でそれぞれ紐解いてみました。


キングダムの木の視点(一般兵)

木の視点とは、「戦を1対1でどうやって勝つか?」を起点として物事を考えることだ。目の前にいる敵しか見えておらず、どうしたら勝てるのか? 相手の強みは何か? どこに弱点があるのか? 次はどんな技を繰り広げるべきか?といった試行錯誤が繰り広げられる世界。

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戦で勝つためには「武力」が必要不可欠だが、純粋な力だけで勝負に勝つことは難しい。信には高い身体能力だけでなく、大将軍から受け継いだ矛と盾、王から引き継いだ剣があった。武力を単純な方程式にするなら、

武力身体能力(才能 × 努力)×  攻撃力(武器の強さ × 武器熟練度) ×  防御力(防具の強さ × 防具熟練度)

となる。
努力は大切だが、戦に素手で臨めば敗北が濃厚だ。当たり前のことではあるが、この当たり前のことを日常に置き換えて、よく考えてみてほしい。

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壁

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社会人の木の視点(一般社員)

一般社員にとって武力とは、仕事を通じた経済的インパクトであり、目標数字で測ることが可能だ。業界・ビジネスモデル・職種の違いがあるため、異なる企業・役割で働く人間の武力を単純比較はできないが、最もわかりやすい指標であることは間違いない。

生々しい表現になるが、
「どれだけ経済的インパクトを仕事でつくりだせますか?」ということが問われており、そのインパクトの大きさで価値が変わってくる。

素晴らしい思想も、価値観も、武力の前には意味を持たない。クソ野郎も、サイコパスも、素晴らしい人格者も関係なく、戦場では武力があるかどうかが全てである。人格者であることや、素晴らしい思想・理念が意味を持つのは、武力をもつ人間の中で優先順位をつけるタイミングだ。武力を無視して価値観や思想を語り出すと、組織の雰囲気は良いが社員が市場価値よりも低い給与で働く「やりがい搾取モデル」になるケースが多い。

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面接における「あなたの前職について教えてください」という質問の意図は、「あなたの武力を教えてください」と捉えた方が整理しやすい。価値観や思想の話は、武力を証明した後でいいのだ。


武力はキングダムの定義だと、武力身体能力(才能 × 努力)×  攻撃力(武器の強さ × 武器熟練度) ×  防御力(防具の強さ × 防具熟練度)となるが、

社会の定義では(木の視点)、
経済インパクト = 行動量(素の行動力 × スタンス※)×  効率(仕組み) 
※ここではスタンスをモチベーション維持力として定義している。スタンスは0~2で表現して、いわゆるZONEやハイの状態に入ると2に近くなり素の行動力を越えた行動量が生まれて、ネガティブな状態になると0に近くなり素の行動力以下の行動しかできなくなってしまう。

転職市場において「バリバリ行動してきました」「圧倒的な行動量にコミットメントできます」などの気合いアピールが通用しないのは、戦場で「素手で戦うことに自信があります。腕力なら誰にも負けません」と言ってるようなものだからだ。ポテンシャルの高さは評価できるだろうが、転職市場で価値を持つのはポテンシャルでなく即戦力である。


行動力がある人間に必要なのは武器である。
走るよりも自転車に乗った方が遠くに辿り着けるように、武器を持つことで個人の限界を突破することができる。

具体的には、
・KPIの管理手法
・セールスフォースの設計と運用
・SANSANの導入と運用
・顧客が商品に対して投資する金額に対して、どれだけのリターンがあれば翌年も継続受注になるのかを理解して管理する指標作成
・PDCAサイクルと強度


あなたが王騎の矛を求めるなら、まずは組織の中で最も仕事のできる人間が「どんなスタンスで仕事をしているのか? どれぐらいの行動をしているのか?」といった視点だけでなく、どのような武器を持っているのか興味をもってみることからスタートしてみるのもいいかもしれない。


仕事ができる人間は超人でなく、武器をもった人間だ。



林の視点(伍長〜千人将)

林の視点は一般兵の戦を少しだけ俯瞰して見る視点だ。1対1でどう勝つか?という視点だけではなく、どうやって数的優位な場面をどう作り出すか? 5人で戦うことのアドバンテージをどうやって作るのか? といった視点で戦を考えるフェーズとなる。

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このフェーズから「個の武力」よりも「武力の集約」が重要になってくる。しかし現実は個人の能力格差があることでチームのバランスが悪くなったり、個性の強いメンバーが規律を乱してしまい集約の力が働かないケースも多い。

そんな中で圧倒的な武力や個性を活かそうとするリーダーもいれば、強すぎる個性や武力を危険分子として忠実な部下を求めるリーダーもいる。桓騎は個性の強い人材を集約して組織を形成をするタイプのリーダーだ。

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漫画では信が王騎将軍に教えを乞いた時に、王騎将軍は信に「個としての強さ」ではなく、「集としての強さ」を教えた。率いることの難しさと、集の強さを。林の視点には、目の前の相手だけでなく、一緒に戦う仲間が映っている。

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社会人の林の視点(リーダー、課長職)

与えられる責任が大幅に変わるのが林のフェーズだ。個人の目標が1000万円だった人も、5人のチームリーダーになった瞬間から5000万円程度の目標が自分の責任として与えられる。リーダーになった瞬間から、この大きな責任を全うできる人間なのかが問われてくる。

能力格差問題や離職問題など、個人の時では発生することのなかった問題と向き合うことが求められる。能力格差問題でありがちなのは、能力が低い人間でも達成できる仕組みをつくるが、能力の高い人間は仕組みに抑え込まれるのを嫌がり結果として能力の高い人からやめてしまうようなケース。能力の高い人間ほど転職リスクが高い(他社が欲しい人材)ので、どのようにエンゲージメントを高められるかも問われてくる。


龐煖のように圧倒的な武力があれば、そんなことで悩む必要は全くないが...

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(規格外の強さを持ち、一人で戦況を変えることができる戦略キラー)



ここで重要なことはリーダーが「仲の良いチーム」「風通しの良いチーム」「働きやすいチーム」をつくることではなく、「総合武力と持続性が高いチーム」を形成できるかである。チームメンバーの数字を全て合算したものがあなたの武力となり、その武力を長期に渡り維持する力があるのかが問われてくる。あなたがリーダーになった瞬間から世界は変わるのだ。

■Before(木の世界)
武力 = 武力身体能力(才能 × 努力)×  攻撃力(武器の強さ × 武器熟練度) ×  防御力(防具の強さ × 防具熟練度)


■After(林の世界)
統率力  = 総合武力(個人武力の集合体 × 集の力)×  持続力(人材維持力)

武力   = 身体能力(才能 × 努力)×  攻撃力(武器の強さ × 武器熟練度) ×  防御力(防具の強さ × 防具熟練度)


多くの若いリーダーはメンバーの満足度を高めるために、1on1ミーティングを導入したり、コーチングをしたり、チームの理念を作ったり、褒めて伸ばそうとしたりなど、様々な施策を試そうとする。これらの人材維持施策も重要ではあるのだが、最も優先順位を高くするべきは、リーダーがメンバーに対して高い武力を求めることである。そして高い武力基準を満たした人間にとって居心地の良い場所をつくることが重要になる。

偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、次に旅を共にする人々を乗せる方法を取ったのではない。まずはじめに適切な人をバスに乗せ、不適切な人を降ろし、その後にどこに向かうを決めている。 
(著書 ビジョナリーカンパニーより)


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リーダーとはモチベーターのことではなく、メンバーに責任を与え、責任を全うさせる存在のことである。働きやすい環境づくりも大切だが、まずはメンバーの責任を明確にしよう。いつまでに何をどんな状態にすることが責任なのかを伝える必要がある。仕事を任せるのではなく、責任を与えるのだ。

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責任だけでは不十分だ。なぜこの組織で責任を全うするべきなのかを自分の言葉で伝える必要がある。そしてあなたが更なる高みに辿り着く前に、メンバーへ強い意志を託すこともリーダーの役割だ。

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人は責任を与えられ成長する。
人は意志を託されて燃えていく。





最後に...

キングダムが好きだからと軽い気持ちで始めたnoteでしたが、気付けば4000文字オーバーになってました。それでもまだまだ書きたいことの本当に一部しか表現できていないので、次回の後編では森の視点、山の視点を通じて大好きなキャラクターでもある李牧や秦王の話ができたらなと思います。次回作は3月までに書き切る予定です。いいね、シェアしてもらえたら書くためのモチベーションになるので、是非よろしくお願いします^^



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