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米国5つの巨人、GAFAあらためGAMMAの技術動向

VALUENEXで技術動向調査と海外事業推進を担当している堀下です。
本記事では米国が誇るIT業界の5つの巨人、GAFAあらためGAMMAが保有する技術の全体像を可視化します。

5つの巨人を俯瞰する

GAFAとはGoogle, Apple, Facebook, Amazonの頭文字を取ったもので、海外ではBig-Tech, Tech-Giantsなどと呼ばれることが多いようです。また、2021年にFacebookはMeta Platformsという企業名に変わりました。
今回は、これら4社にMicrosoftを加えた計5社の特許、約10万件の技術情報を収集し、VALUENEXの俯瞰解析を使って1枚絵にまとめました。

GAMMAの技術俯瞰図

技術の全体像とその見方

上記の1枚絵は、5社及びそのグループ企業の特許に基づく技術の全体像を示しています。VALUENEXのアルゴリズムによる解析結果を、特殊な手法で加工して作成しました。
図上に分布している大量の点は、10万件の特許の技術内容一つ一つを機械的に精査して、技術内容の近さ=距離に換算する方法で、1特許=1点として配置したものです。
10万件の点群となると、まるで小宇宙のようですね。

図の視認性を高めるために、点の密集度が高い箇所ほど赤系の色/低い箇所ほど青系の色で密度分布を表すヒートマップを重ねています。
さらに、点密度の高い箇所には「どんな技術が集積しているのかを簡潔に表すラベルを記載しました。

また、図上にある5つの矢印は「各社が過去10年間で自社技術の重心をどこからどこに動かしてきたか」という変遷を示すものです。
わかりやすい例だと、Facebookの10年前の技術重心はSNS周辺にありましたが、直近にかけて仮想・拡張現実の方向に移動してきたことが確認できます。

5社の技術変遷を示す矢印

各社の技術動向を追う

Facebook/MetaはSNSの領域から仮想・拡張現実の領域にかけて、非常にわかりやすい形で移ってきていますね。社名を変えるだけあって、メタバースに全力投球している様がうかがえます。
GoogleもMetaと同様に仮想・拡張現実の方角に近づいていますが、映像・ビデオ会議や自動運転、ニューラルネットワークなどの領域にやや偏っているのが特徴的です。
MicrosoftとAmazonは上記2社ほど抜本的な動きは見せていないようですが、方向性としては同じ方角を見据えているようです。
一方、Appleだけは別の方角に動いているのが特徴的で、センサーやバッテリーなど、ハードウェア関連に注力していく方向性が顕著にあらわれています。

続いて、5社それぞれの技術分布図を掲載します。5社ともヒートマップの閾値は統一してあるので、同じ点密度であれば同じ色で表現されています。これにより、各社の技術構成が具体的な形で見えてきます。

Googleの技術分布
Appleの技術分布
Facebook/Metaの技術分布
Microsoftの技術分布
Amazonの技術分布

勢力図をみる

最後に、図の各箇所を点密度が最も高い企業で色分けしてみます。簡単に言うと、各社の勢力分布図のような表現になります。

GAMMAの勢力分布図

こうしてみると、Appleが強みを持つエリアは結構広い範囲でまとまっていますね。MicrosoftやGoogleのエリアも広く分布しており、一方でAmazonやFacebook/Metaはその合間を縫うような陣形になっています。ここから各社のポジショニングや競合箇所などが見えてきそうです。

おわりに

この図から読み解けることは色々ありますが、それは別の機会に回すことにします。皆さんはこの全体像を見て、どこに注目し、何を考えるでしょうか。是非皆さんが感じたこともお知らせください。
特許情報の収集から可視化までの手法の説明はとても長くなるので割愛しますが、ご興味のある方は弊社までお問い合わせください。

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