「人生で大切なことは、何を手に入れるかじゃない。何を捨てるかということだ」に出会った。
「ソール・ライターのすべて」青幻舎刊を再び手にして思い出したことが会った夜でした。
そういえば「僕は写真少年だった」ことを思い出しました。
ちょうど今頃の夏真っ盛りの頃です。
父親のマミヤ6x6版のフィルム写真機を借りて写真を撮ったのが、人生初のカメラ体験。
もちろん自分で現像もしました(うまくいきませんでしたが)。
でもどうしても思い出せないのが「何を撮ったんだろう、その時に」です。
風景だったような、入道雲かな、それとも家族、いやどれも違うな、一体なんだったんだろう、肝心の被写体を思い出せない。
テレビから流れる甲子園の熱戦中継を、扇風機回しながら見るともなしに眺めているお盆休みの父親の姿や、一個丸ごと買ってきては切り分けて食べるのが一般的だった真っ赤なスイカと黒いタネはやけに思い出されるけど、肝心の人生初の被写体が思い浮かばない。
ちなみにこのソール・ライターの写真集の中で、一番印象的なのは彼の雨粒の撮影技術のすごさです。
「彼にかなう人はいないな、うん」と思いながら、小さくサイコロ大に切り分けられ売られている近所のスーパーで買ったスイカを頬張り(いや、つまみながら)ながら、ふと「いつ頃から僕は、スイカをガブって齧らなくなったのだろう……」と手にしたものと捨ててきたものの多さについて、しばし考えを巡らしたのでした
(パクっ)。つづく
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