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「静かで控えめ」な社員が、部内を巻き込むプロジェクトで動き出したワケ

note編集部の山本です。社内で「控えめキャラ」で通っている営業企画部の瀬良さんが、部内を巻き込む「働きやすさ向上プロジェクト」を立ち上げました。静かで控えめな社員が動き出す理由には、「みんなが働きやすい環境を作りたい」という強い想いでした。今回は、営業部で動いている社内プロジェクトの話をしたいと思います。

バリューデザインは、創業15年目。社員は、80名の「決済×マーケティングサービス」の企業です。

静かで控えめな社員、瀬良さん

瀬良さんは、3社目の会社として、バリューデザインに入社してから、2年目になります。瀬良さんが所属するのは、総勢33名の営業本部内でサポートを担当する営業サポートグループ。営業企画本部の営業メンバー26名を、営業サポートグループの8名が支えており、瀬良さんはそのリーダーです。

営業サポートグループは、営業数字を取りまとめて、社内のメンバーに「見える化」をしています。営業担当がお客様から受けた依頼を、調べたり資料にしたりする「縁の下の力持ち」部署です。営業メンバーがお客様に向き合うことに力を入れられるのも、営業サポート部署があるからこそです。

瀬良さんのプロフィール

「働きやすさ向上プロジェクト」とは

ーー今回、瀬良さんが立ち上げた「働きやすさ向上プロジェクト」はどんなプロジェクトですか?

このプロジェクトの対象は、営業本部、営業企画本部の33名のメンバーです。「みんなが働きやすい環境」をどうやって作るのかを考えるために、スタートしました。

ーー「みんなが働きやすい環境とは」?

働きやすい環境には、様々な形があると思います。今回は、みんなが褒め合い、認め合えると、お互いに信頼関係も生まれて、自信が持てるようになる。お互いの信頼関係があると、同じ目標に対して、意見を交わし、良いアイデアも共有しやすくなる。できることばかりではなく、できないことも相談して解決できるのが「みんなが働きやすい環境」の1つと考えて進めています。

ーー具体的には?

まずは、みんなで褒め合い、認め合えるきっかけを作るために、月に1度メンバーの中で「みんなが一緒に働きたい人」を投票で選び発表して、その発表で「みんなが一緒に働きたい人」に選ばれた人を、褒め合い、認め合う場を作りました。

「みんなが一緒に働きたい人」の基準が必要だったので、基準となる項目を決めるためにアンケートを取り「ポジティブな人」「サポート力がある人」など8項目まで絞りました。

ーーなぜ、「働きやすい環境が必要」だったんですか?

営業部署のリーダー会議中に、コロナ禍のコミュニケーションについて、みんなで話すことがありました。雑談の少なさや、話す機会が少なくなり、現状維持はしているものの、新しいことにチャレンジしていくには、このままの状況でいいのか。仕事のメールやオンラインミーティングだけで、ちょっとしたアイデアや意見が出しにくい環境なのではないかと心配していました。コロナ前では、オフィスで仕事をしていると、気軽に誰かが話しかけて仕事のことや雑談ができる環境がありました。リモートワークになり、そういう環境がない今は、どうしたらいいのか?それぞれのリーダ―が、危機感を持っていました。

コロナ前の賑わう社内

(かつての社内は、賑わい誰にでもすぐに声がかけやすい距離感でした)

ーー新しいことにチャレンジする機会は多いんですか?

多いですね。この業界では、新しい仕組みやサービスがどんどん出てくる。会社としても大きな目標があるので、自分たちで考えて、日々の小さいことから大きなことまで、新しいことにチャレンジすることが必要だと感じています。

「静かで控えめな」瀬良さんが動き出したワケ

ーーリーダー会議の中で、プロジェクトがスタートしたんですか?

リーダー会議では、どうすればいいのか意見を出し合いました。最終的に、自分が一番アイデアを出していたので、今回のプロジェクトを自分がやることになりました。自分が考えてきた「働きやすい環境」にも取り組めるので、自分がチャレンジしたいと思いました。

ーー今回の件で、瀬良さんのイメージが変わりました

僕は、普段から大きな声で話したり、ガツガツ前に出て発言するタイプではないですね。みなさんから見ると、「静かで控えめ」な印象があるかもしれませんが、思っていることや考えはあります。他の部署に対して、発言する機会がなかったので、話さなかっただけですよ(笑)

社内や社外を問わず、日々起こっていることはキャッチアップして、アウトプットできるように心がけています。
今回のプロジェクト企画は私のチャレンジでもあったので、自分からどんどん発信をしました。ひそかに個人的になりたい姿は、いざとなったら頼りになるおじさんです(笑)

瀬良さん2_3

(コロナ前の社内、瀬良さんはいつも笑顔で仕事をしていたのが印象的でした)

学生時代のアルバイト体験。みんなが笑って楽しそうに活躍している場所があった

ーー瀬良さんが「働きやすい環境」を考えてアイデアを出すのには、過去の体験からでしょうか?

学生のころにイベント会社の派遣スタッフとして働いていました。その会社は、リーダーやメンバーの関係性が良く、みんながイキイキと楽しそうでした。そこで働く人の全員が目的を成功させるために、発言したり動いている姿を目にしました。様々な場所でアルバイトはしてましたが、こんな会社は、初めてでした。自分の中に、ここでの体験が強く、問題が起こっても信頼する仲間であれば、意見を出し合い解決できる。自分が働く場所でも「働きやすい環境」にしたいという想いがありました。

「働きやすさ向上プロジェクト」いざやろうとしたら、うまくいかない日々

ーーどんなことがうまくいかなかったんですか?

褒め合い、認め合えることで信頼関係が築ける。信頼関係があることが「働きやすい環境」だとしたら、どんなことをしたらいいのか考えました。

1つめは、「ファインプレー賞」です。1人3票を持って、ファインプレーをした3人に投票をします。ただ、それぞれのグループでやっている仕事も違い、グループによってファインプレーの内容が違いました。褒め合いたいけど、グループをまたいで褒めるのが難しいという理由でボツ。

2つめは、「いいね!が一番多い人を表彰」する。社内で使っているコミュニケーションツールのslackで、良いことをしている人には、褒めることを意味して「いいね!」のスタンプを付ける。ただ、お互い「いいね!」のスタンプのつけ合いは、次第に飽きそうという理由でボツ。

ーー3つめで、開催できる内容になったんですか?

アイデアは出るんですが、実行に移せるものがなく、かなりしんどい状態でした。リーダー会議で、原点回帰をしよう!ということになり、褒め合い、認め合えることで、信頼関係が生まれるのであれば、褒め合えるきっかけとの場として、「みんなが一緒に働きたい人」に投票するのがいいのでは?と、みんなにアンケートで聞いてみることになりました。

そうして生まれた3つめのアイデアは、バリューデザインの「V」と1回目の「1」を取って、「V1グランプリ(V1GP)」と名付けられました。月に1度「みんなが一緒に働きたい人」の8項から1項目選んで、該当する1人を投票します。
月に1度の発表会では、その人が選ばれた項目と、選ばれた理由を発表します。褒め合い、認め合う場を作りました。

VDで一緒に働きたい人

ーー瀬良さんが一緒に働きたい人は?

色んな意見を言い合える、ディスカッションができる人です。みんな価値観が違うので、お互いを知ろうとして、上司や部下の関係なく話し合えるのがいいですね。

「働きやすさ向上プロジェクト」はスタートしたばかり

ーー1回目の投票と発表が終了しました。やってみてどうでしたか?

まずは、1回目を終えて、みんなが「働きやすい環境」を考えるきっかけになって良かったです。今回は、投票という形を取りましたが、目指しているのは、自ら「働きやすい環境」を考え、整えていくことです。投票がベストとは思っていません。みんなで自分たちの働きやすさを考えて、変えて行きたいと思っています。

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(瀬良さんは、プロジェクト内のslackグループでは、みんなが和む要素としてかわいい画像も披露してくれます)

ーー瀬良さんにとって、働きやすい環境とは?

楽しいことは大切ですね。お互いの信頼があってチャレンジできる環境は、自分が働いていて楽しいです。自分は、新しいことにチャレンジするのが好きなので、他の人がチャレンジしていると、自分もがんばろう!と思えます。

ーー瀬良さんは、熱い想いがあふれ出ていました
インタビュー中の瀬良さんは、どんな質問でも丁寧に答えてくれました。時には、アルバイト時代の出来事を熱く語り、今の自分の働く環境をもっとよくして、良い方向に変えていきたいと動いている人でした。社内のメンバーには普段聞けない話になったのではと思います。瀬良さんのチャレンジはまだまだ続きます。

■記事を書いた人
山本 愛子(やまもと あいこ)