見出し画像

2023年の日経平均株価を振り返る

新NISA元年で、年初からスタートダッシュの日経平均ですが、ややピークから下落してきました。今後の動きを予想する前に、2023年の日経平均の上昇の中身を分析してみます。
左表は、2023年の日経平均採用銘柄のうち、上昇率の高かった上位15銘柄と2023年1年間のリターンです。右表は、昨年末時点の日経平均の上位15銘柄の構成比と同期間のリターンを示しています。

225構成比はETFのデータを活用。

左の表を見ますと、昨年大きく上昇したのは、SCREENやアドバンテスト、ルネサス、東京エレクトロンといった半導体株です。大株主が保有株の売却を発表したルネサス以外は、いずれも年初からのリターンも堅調です。他にも上がった会社の特徴として、神戸鋼、TOPPAN、サッポロ、三菱重工など、これまで見放されていた伝統的日本企業も多く含まれていることが分かります。来年2025年のコンセンサス予想に基づくPERは、半導体製造装置はSCREEN20.5倍、アドバンテスト43.7倍、東京エレクトロン32.4倍などで、製造装置株としては高めのバリュエーションが付いています。伝統的日本企業では、神戸鋼8.2倍、川崎汽船18.2倍、TOPPAN22.2倍などで、神戸鋼を除けば今後の利益や還元の成長を見込んだ株価と言えそうです。

なお、2023年の日経平均は+37.0%の上昇でしたので、右表の上位15銘柄のうち、日経平均を上回って上昇したのは、9銘柄でした。ファーストリテイリングやリクルートも、日経平均を数%上回っていますが、ここでも強いのはテック企業です。

世界的にも強基調と言える日経平均ですが、右の表のように、ファストリ、東京エレク、アドテスト、ソフトバンク、信越化の上位5銘柄で27.8%を占める超集中型の指数です。S&P500同様、半導体の影響は大きく受ける上、事業の堅牢性はGAFAMには劣ると言わざるを得ないため、ややハイリスク・ハイリターン型の指数と言えそうです。大きく上昇する余地があるとすれば、これら上位銘柄以外のまだ評価の低い企業(低PBRなど)が、業界再編や株主還元の強化などで再評価される取り組みを強めることが挙げられます。

ここから先は

87字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?