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CRISPRによるゲノム編集治療が英国で承認

DNA編集技術である「CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)」を利用した治療法が、初めて英国で承認されました。

遺伝性疾患である鎌状赤血球症とβサラセミア血液疾患の患者に「CASGEVY」という治療を施します。「CASGEVY」は、CRSPERーCas9の技術を活用して、取り出した患者自身のヘモグロビンをDNA編集し、再度体内に再注入します。ヘモグロビンが患者の体内で安定するまで1ヵ月程度入院の可能性はありますが、戻されたDNAは、理論的には永久的に作用するため、一度の治療で完治する可能性もあります。現在、他の病気の治療法の開発も盛んになっており、当面は、ガンやHIVが主な研究対象です。

CRISPR-Cas9は、米国の2人の博士によって2012年に発表され、ほぼ世界標準のDNA編集ツールとなり、2020年に二人はノーベル化学賞を受賞しました。CRISPR-Cas9は、DNA内の領域で獲得免疫機構として機能しているCRISPRに、人口酵素であるCas9で切れ目を入れ、別の遺伝情報を挿入することでDNAを改変します。

そもそもこのCRISPRという遺伝情報は、1987年に九州大学の石野教授が発見しましたが、当時の技術では、それが何を意味するのか解析する術がなく、彼は微生物の研究に注力していったという裏のストーリーがあります。

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