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神経を制する者は夏を制す

危険な暑さと云われています。
この数年に最高気温が35℃を上回る日が増えており、その時季の始が早くなって終が遅くなっています。

しかしその傾向は夏の常連とされる蚊や蝿の発生が著しく減るという利点も生み、衛生的には助かる気候ともいえます。それだけ暑くなると彼等が先ずは居られなくなるのです。
虫除け剤は体に良くないですしお金も掛かるので可処分所得が僅かながら増えます。
体に良くないというのは神経を攻撃する一種の化学兵器だからで、殺される側にだけではなく殺す側にも多少の害を及ぼすのです。
害虫だけではなく、これも夏の常連であるかびも発生しにくくなっています。
2021年の夏に、引越してまだ一年も経たない内に四畳半間の畳の全面が真黒にかびてしまい、洗剤でのその除去が大変でした。それから三年、そういうことはなくなっています。
衣料のかびや虫は一度も生じたことがありません。尤もそれは五階だからということもあります。
寧ろ温度が低くても湿気の多い冷蔵庫に入れておくとかびが生えることがあります。特に入れてある物が多いと水分が多く溜まることによりかびが生え易くなるので少なくとも常温保存と記される品物は冷蔵庫に入れないことです。柚子胡椒や豆板醤などを冷蔵庫に入れておく例が散見されますがめげ易くなるだけではなく味も落ちます。食品には炭酸ガスの含まれる物がありますがそれが冷えると液化して本体に混ざり込むことにより味が変に酸ぱくなったりします。それは人の体も同じく、冷えにより体内の炭酸ガスが液化してパフォーマンスの低下や体質の悪化を招きます。霊肉は一体ですので、変に酸ぱい性格というのもそのような冷え体質が大きな一因です。

暑さが害虫やかび、菌を抑止してくれるということは健康のためには暑い夏といえども一定の熱を保つことが必要になります。
尤もそれは一定のなので、過熱を正すには場合により冷却を要します。

そのためには食べること:というのには一枚も二枚も留保すべきです。
食べるとエネルギーがつくということは一面ではその通りですがエネルギーとは熱なので、暑さの熱に当たるだけでもエネルギーはつくのです。
夙に有名なのは紫外線の照射によるビタミンDの生成ですがそれだけではなく(紫外線については前の記事を参照。)太陽熱や風呂、薪などの熱は直接に人体のエネルギーを生成します。∴大袈裟にいえば食べなくても体力はつくのです。
但しエネルギーとしての体力はそれだけでついてもそれを制御運用する能力がなければ「暑じー…、腹減った(ほんとは減っていない。)、あー面倒くせー…、」みたくなります。典型的夏ばての状態です。
その制御運用能力を司るのが神経です。神経が良い状態にあればばてずに体力を継続的に用いることができ、∴食べることにより摂ることが必要なのは神経を養う食べ物です。それが何かは栄養学の筋に尋ねてみて下さい。
蚊や蝿とのいたちごっこは神経戦なのでほんとに不毛です。
暑さは体力を失わせるものではなく逆に体力を補充するものなのです。
人体に必要なものは何でも口から飲み食いして摂るものだけではありません。

但し熱は神経を麻痺させる場合があるので、まさに体力は有り余るがパフォーマンスは悪いという状態を招くことがあります。人の体は暑さによりエネルギーとしての体力が著しく失われることはありません。スマホが充電すると熱くなることを見るにもそれは明らかです。失われるのではなく過剰になるのです。
そのような状態を正すのは電器などの機械以外なら水です。
しかし機械ではない生身なら水が万能という訳ではなく、寧ろ機械と同じように水が体をわやにしてしまう場合もあります。
近年に喧しく喧伝される、熱中症の予防には水を一日に2ℓ以上飲むというのの非科学的(迷信的)側面です。
人体も或る程度は機械と同じなので、不用意な水の摂取は漏電や火災の虞があり危険です。
許容量には個人差があり、2ℓ飲むと必ず危険とは限りませんが何でも最少量で最大効果が良いのですし、摂取量はなるべく少なく抑えるべきです。
人体に必要な水分のほとんどは摂取によってではなく体内の空気の冷却による液化により生成されます。体内における炭酸ガスの液化は良くないですが空気の液化は良いのです。その冷却液化が最も適度に活発に起こるのは秋の時季で、あまり言うと容姿の差別といわれるかもしれませんが美人の差は秋に最も大きく開くのです。
尤も春夏はそれが起こりにくいので或る程度は飲むことにより摂取しないとなりませんが水を飲むことに最も適う時季は雪解けの春であり、夏に飲み始めるのでは遅いともいえます。

最も拙い水の飲み方は温い水を沢山飲むことです。
拙いだけではなく不味い場合もあります。
水を飲むことの意義は神経の冷却にあるので、冷たくなければ意味がありません。
但し朝起きて直ぐに冷たい水を飲むと準備体操をせずにプールに入るのと同じで体に悪いです。∴朝は少なくとも家を出て完全に目が覚めてからでなければ飲水をしてはいけません(温かいつゆやお茶は別です。)。
眠気が残りながら冷たい水を飲むと筋肉が冷えるのでますます眠くなります。

温い水は神経に働き掛けないので吸収力が弱く、おなかに溜まるだけで乾きを癒す潤いにはならず、暑さにより直ぐに温度が上がるので多く飲む程に体温の上がり過ぎ易く危険です。
その観点からも意味がないのはペットボトルや水筒の水を予め用意して携行することです。
持ち運んだり置いておく内に温くなるので熱中症の予防にも乾きの癒しにもなりません。
飲みたい時にはいつでも中座をできることが社会の親切さでもあり、携行可というのは一見は寛容なようだが携行や用意のできないことには不寛容ということでもあります。
水を予め用意してこまめに飲むことが熱中症を防ぐというのは非常に古臭い人間主義のイデオロギーという感じでキモいです。平成後期は万事がそのようなおっさんの科学的イデオロギーで動いてはいないでしょうか。

また、水は溜まっている状態では生体への良い効果が少なく若しくは全くなく、適度に流れる状態ではそれが最大化します。
日本軍が東南アジアの水溜の水を飲んでも何の意味もないことと水筒の持参は同じなのです。
逆に最強なのは塩素の害を捨象するなら、蛇口を上に回して直に飲むことです。但し一概に水道水は塩素の他にも酸化鉄(栄養素としての鉄分にはならない単なる鉄の滓)などが多く、浄水器なしではお奨めできません。水飲場に浄水器を付けると汚物や毒物を着けられたりし却って危険なので無理です。
給水機を装備する会社ならそれが良いですが広汎に可能なお奨めは自動販売機で買いたての水を軽く振って開けてなるべく早く飲む。ペットボトルの説明書にもよくそう書いてあります。

体の全体を冷やすつもりではなく神経が冷えれば体は調う:それが要点です。

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