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自由民主党と立憲民主党、二つの代表選挙の狭間で。

久々の冷麺ということで久々のnote。

冷麺は島原手延素麺を田作の出汁つゆと鰯醤油で炒める青梗菜といただく鰯冷麺という新作です。
いつもの冷麺は盛岡冷麺で、ハードボイルド茹卵と牡丹峰の韓キムチはここでも採用。
素麺は元々臭くて嫌いなのですがその臭みを抑えるべくきのうはフェンネルを使ったりきょうは鰯とキムチを使ったりと工夫して苦手を潰しています。
きのうのはこれ:

栃尾油揚のつゆなし素麺。

そしてきょうは:

鰯冷麺。田作の出汁つゆはほぼ塩なし。具から溶け出す塩味。

さて、涼しい料理で涼しい政治を語ろうではありませんか。

二十年振りに自由民主党(自民党)を支持している私としては今度の総裁選挙は復帰して初めての大盛上がり大会で、非常に関心が掻立てられます。
本命は上川陽子氏、次点は林芳正氏、中穴は小泉進次郎氏で大穴は加藤勝信氏です。
林氏は父君の林義郎氏を総理に推していたこともあり民主党を支持していた頃も一貫して「将来の敵として」応援。近頃に岸田内閣の官房長官になったこともとても嬉しい感じでしたが今時はそれをも上回る玉が出て来るものだなと、上川氏を最も総理に相応しいと支持しています。
加藤氏は、即位の礼の司式をしてほしいと思っていたことからこの総裁選でもスポットライト。
あと、岸田総理にはデジタル大臣をやってほしいと思いますね。ここで引退してしまうのは惜しいと思います。

一方に、かつて十五年程支持していた民主党の傍系で現在は第一野党になっている立憲民主党の代表選挙も行われています。
そちらは何というか、もはやトロッコ問題という感じで、世代交代もへったくれもない状況であまり関心がないのですが私の最新の分析によると、どうもあの小沢一郎が最終戦争の準備を着々と進めており、近く侵攻するのではないかと予想しています。
自民党の幹事長だった頃から小沢氏については一貫して高く評価しており、しかし、近年の鳴かず飛ばずに愛想が尽きつつありましたが斬新と感じた令和の治世も二桁が見えて来ている今に、何かやりそうな気配を月雲の如く感じます。

それら二大政党の狭間に、今やまさに消えゆこうとする党派があります。

公明党?:そうだと良いですね😅

しかしここにいうそれは今やほぼ誰も憶えてはいない、憶えていなくても差支えない、みんなの党(又の名は維新の党や結いの党)です。

今度の立憲民主党代表選挙で、その協働主宰者だった江田憲司氏が立候補を検討したが断念したという報がひっそりと出、野田佳彦総理の立候補が大きく報じられました。
江田氏との協働主宰者は渡辺喜美氏で、最近に父君渡辺美智雄氏を回顧する(解雇するではない。)ツイートを物してひっそりの上にもひっそりと風前の燈を誇示。
小さなベタ記事ですが、ベタ記事にこそ重要なintelligenceがあるという落合信彦に倣い、これを非常に重要な出来事と見ています。

江田氏の立候補を断念させたのは小沢一郎。

今の小沢氏が野田総理を推しているというのは結構大きく報じられているのでそうなのねと思うところですが同時に重要なのはそれが江田氏を一とする旧みんな勢力の壊滅を意図しているだろうということです。

もうここまで来ると、マスコミを占領していた反小沢の方々もそこまでは知らないよ、勝手にしてくれなどと思うのではないでしょうか。しかしそれが令和二桁を見据える今、極めて重要な事柄なのです。
しかも単に江田氏を排除するだけではなく野田総理との和解という(私もそれなりに評価します。)アラブの大義ならぬ、スラブの大義ならぬ、ラブミーテンダーの大義があるので、あっけらかんのクリーンヒット。

みんなの党が2024年、太平洋に沈み去った。セーヌの川霧が消えた(初めからない。)。

その適時打を更に容易なものにした出来事は2023年、ということは去年ということですね:かつて江田氏の最側近であった柿澤未途氏の通常逮捕です。
先ずはそこで、旧みんなの党の政治勢力としての存続が著しく不可能に近くなりました。そして返す刀で、小沢氏は江田氏に早期希望退職を通告した。
 私もとにかく犯罪と隣合せの人生を社会人として送って来たので、そういう出来事があるとまたかと心が痛みます。私の勤める会社もその取引先もかつて重大な違反を犯して更生し、限りなくホワイトに近い企業になっています。

江田氏と渡辺氏は一体何がやりたかったのでしょうか?

当時から薄らと分かってはいましたが今やくっきりと分かったのは(微妙に共産党ぽい言い回し。)彼等は戦後的なるものを代表する平成後期においては唯一の党派だったことです。
平成前期までは自民党も何でも皆戦後的なるものを代表していました。江田氏も渡辺氏も初めて属した党は自民党です。小沢一郎も自民党。

尚、ここにいう戦後というのは私は特に注意深く定義しますが、大東亜・太平洋戦争の後とベトナム戦争の後という二段階の戦後があります。みんなの党が代表した戦後とはそれらの両方です。
危ういことに、今時の人々のいう戦後や昭和とはほとんどはベトナム戦争の後を意味しており、大東亜・太平洋戦争の後という意味合いはほとんどありません。戦争を知らないどころか戦後をさえ知らない。
来年にまた戦後80年とかいう退屈な催物が行われますが実は戦後50年なのです。
いずれにせよ、ベトナム戦争が当時の日本人も強く関心を持った大きな歴史の出来事なことは念頭に置くべきです。

多分、その辺りのことを最も良く分かっているのは小泉氏なのでしょうが最も良く分かる人が最もよくできるとは限らないので上川氏や林氏を推します。
野田氏も少しは分かっているかと見えますが枝野氏や泉氏は何も分かってはいないでしょう。

江田・渡辺と小沢:
あまり大きく語られて来たことはありませんが、これはベトナム戦後史を象徴する重要な対立です。
大雑把にいうと、前者は経済的には左派、安全保障的には鳩派、文化的にはテキトーに保守もリベラルもブレンドする、一種の典型的日本像。経済政策における政府の介入を積極的に肯定し、軍縮で国際対立を避け、選択的夫婦別姓にも同性婚にも賛成するが世襲議員や金の掛かる政治は全然OKという、逆に今出て来たら飛びつきたくなる人々もいそうな或る種の中庸主義。
みんなの党は改憲を支持するとしますが町のおばさんが憲法を変えたらいけないでしょと問えば、平気でそれは嘘だから心配しなくていいですよと答えたり。
対し小沢は経済的にはどちらかといえば右派で、安全保障的にはどちらかといえば鳩派、文化的にはかなりリベラルという、「どちらかといえば」が多いことと保守的文化を嫌うことが特徴。

小沢氏の政治資金の突出は夙に有名ですが多いのは持っている金で使う金は然程に多くない、いわば内部留保の大きい政治。
小沢氏自身は世襲議員だがその子分はほぼ徹底して世襲を排しており、先ずはそこが江田・渡辺とも後に同じ民主党として結束した鳩山由紀夫氏とも大きく異なる点です。
どちらかといえばとはどの位なのかということが分かりにくくて時により変化することと文化的にかなりリベラルなことがみんなの党も包摂するようなおっさんリベラルとは違い理解されにくい。
更にはお金がなかなか集まらないのに使うお金は多い、今直ぐキャッシュが欲しい政治なら、小沢氏の内部留保の大きさは努めて無視する(主に渡辺氏の役目。)か偶に嫌味を言う(主に江田氏の役目。)しかない。

江田・渡辺と小沢の互いの毛嫌い振りは党の所属の変遷を見るにも明らかで、江田氏は小沢氏が2012年に野田政権に造反して民主党を割って出た後にわざとらしく民主党に擦り寄り、2016年に蓮舫氏を代表に擁立して民進党を結成。民進党の命名者は江田氏でした。
渡辺氏は以後行方不明。
2020年に小沢氏が新装立憲民主党に入り、初めて江田氏と鉢合わせになりました。その辺りの動きはもはや陰謀論がいくつか出そうなもので、かつての被疑者が今度は捜査する側に回るかのような江田氏の追放作戦。 そしてオリンピックの終わった2024年、江田氏は小沢氏により早期希望退職を通告され、みんなの党が目指して来た戦後的政治は遂に最終表示燈を点すことになるのであります。

赤色の囲いは最終便を示す。

その主な舞台は立憲民主党であり、只今行われているその代表選挙から暫くは物騒な雰囲気が続くでしょう。心配しないでいいですよと云っても、小沢氏が動いていたら心配しないで済む訳がありません。
片や非常に明るい状況に見える自民党ですが、小沢氏によるその最終戦争の余波は自民党にも及ぶことは間違いないでしょう。

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