・・・やってくれたな?スターウォーズファンがアコライトを最後まで見た総括と感想
皆さま、ご機嫌よう。
さてさて、今回は、アコライト総括。
終わってしまった。
いや、やっと終わってくれたというかなんというか。
この感想は、アコライトという作品を今までにないほどに酷評する記事になります。
ファン待望のファントム・メナス以前の映像化をこんな形で迎えることになるなんてという恨み節も多分に含まれてるので、語気が強めです。
あらかじめご了承ください。
予想を大きく下回る大コケ
まずは結論から。
アコライトはスターウォーズ史上最最高に面白くない作品です。
他人に勧められるものではないし、別に見なくても支障のない作品です。
私個人として、1話2話公開の時点では新規やライト層を刺す薄味のスターウォーズ作品になるんだろうなと予想していました。
コミカルな展開に、無駄に鮮やかすぎる映像表現での新キャラクター達の描写。
1話2話でそうした片鱗が見えるからこそ、コアなスターウォーズファンには面白くない作品になるだろうなと。
まあそんな風に思っていたわけですね。
ドラマ作品が好きで観ていると、大体1話2話を見ればどんな作風か、自分に合っているかくらいはなんとなくわかります。
セオリーとしては1話目で視聴者を世界観に惹き込み、ここからどうなるんだろう?と思わせて、2話を持ってくる。
2話の持っていき方はスローテンポでも新展開を持って来るでもある程度自由ですが、少なくとも1話は掴みでなければいけない。
そんな暗黙のルールみたいなものがあったりします。
これが24話ほどある長編ドラマなのであれば起承転結の承や転が起こるのはまだ先ですが、本作は全8話のドラマ。
1話2話が同時公開なので、この2話が事実上の「掴みの1話目」になるとして。
この時点で視聴者を作品にいまいち引き込めておらず、賛否を呼んでいましたよね。
ここの結果如何で、大体のクオリティというのは推し測れてしまうものなのです。
ところがどっこい。
このアコライトという作品は、そんな推し量っていたクオリティを悠に超えてきました。
それも悪い意味で。
とまあ大体こんな感じの流れです。
数々の映像作品を好きで観てきましたが、ラストの感動シーンで「は?」と声に出した作品は後にも先にもこの作品が初めてです。
全く感情移入できないし、まさか半笑いでラストシーンを迎えることになるとは公開以前は思いもよりませんでした。
ちょっと待ってくれ、この作品スターウォーズだぜ?
既にファンがいる作品をここまで味気なく、破綻した出来にしていいと本気で思ったのだろうか?
そう思うと、最初は怒りが湧いていましたが、エンドロールではだんだん悲しくなっていました。
ソルが死ぬ理由が腑に落ちない
このドラマを語る上で欠かせないのが、ソルというキャラクター。
ソルは、家族を失った幼い主人公をパダワンにして育て上げようとしたある意味恩師のような存在です。
ソルは、ラストの8話目で双子の主人公に殺されることになります。
その理由は、双子の主人公の姉を見殺しにし、母を殺したから。
それだけ聞くと極悪人のようですが、ちょっと待って欲しい。
ありのままを言います。
双子の母は魔女で、ソルの仲間のジェダイに得体の知れない方法で攻撃を加えようとした。だからやむを得ず殺した。
双子の姉に関しては、妹と同様に救おうとしていた。
魔女とジェダイのイザコザの一件で双子の住んでいた家は業火に包まれ、双子が同時に命を落としそうな場面に見舞われた。
しかしソルには2人を力不足で助けることができず、やむを得ず一人を助けることしかできなかった。
これで、大体の概要はお分かりいただけたかと思います。
双子の母、姉を殺してしまったのも、両方やむを得ずです。
これのどこが、無惨に殺されなければいけないほどの悪人なのか?
甚だ疑問でなりません。
100歩譲って、彼が悪者だと仮定してみましょう。
確かに姉妹から見れば、家族を離れ離れにさせられた元凶のジェダイの一人ではありますからね。
たとえそうであったとしても、闇堕ちしたジェダイとしては悪役として中途半端だし、何より魅力が薄すぎる。
そもそも、そんな短絡的なものの見方しかできない主人公を誰が好きになるのでしょうか。
ある意味恩人とも言えるソルを無惨に殺すことで、主人公としての株を大きく下げています。
ソルが殺される理由が意味不明、これが腑に落ちないポイント1です。
メイが許されてるのが腑に落ちない
続いて、腑に落ちないポイント2。
個人的に最大の腑に落ちないポイントと言えるかもしれません。
メイという双子の姉という設定のキャラクターは、行動や言動が終始支離滅裂なキャラクターです。
ジェダイを殺し回っていたかと思えばジェダイの味方になると言い出すし、妹を愛していると発言したかと思えば少しの意見の食い違いで愛する妹に簡単に暴力を振るいます。
そもそもソルが双子の妹と姉のどちらか1人を助ける選択を迫られるきっかけとなったのも、このメイが癇癪を起こして妹を閉じ込めた部屋を放火したからです。
割と悪いのは、大体このメイです。
しかしラストシーンでは、さも感動場面かのように恩師ソルを殺した妹オーシャと大体の元凶メイが抱き合っています。
どこで感動しろというのか・・・?
そもそもなぜメイが許されて、かたやソルはなぜ殺されなきゃいけないのか。
アコライトを観ていない人でも、ここまで聞いて何かが根本的におかしいということに気づいてもらえると思います。
救われるべき人が殺され、殺されるべき人が救われている。
それもかなり雑なやり方で。
予想外の結末を見せる方法としても、あまりに安易で軽率なストーリーテリングではないでしょうか。
だからこそ、この作品を観終わった後には倫理観を逆撫でされたなんとも言えない気持ち悪さが残るのです。
これはやはり1番の腑に落ちないポイントと言えるのではないでしょうか。
雑に扱ってほしくなかったこと
このアコライトでは、「選ばれし者」の設定を起用しています。
今作の主人公となる双子が、元々1人だったものを2人にしたフォースから作り出された存在という設定になっています。
この選ばれし者の設定を扱うのに欠かせないのが、賢人プレイガス。
ダース・プレイガスと呼ばれるパルパティーンの師に当たる人物です。
そもそもアナキンは、プレイガスの研究の成果であるという説もあったりします。
そういう意味では、今回の双子であるメイやオーシャのようなケースがプロトタイプとして存在していてもおかしくはない。
最後にプレイガスの影も登場していますし、設定としての破綻は確かにありません。
しかし、本家スターウォーズの根幹になる大事な設定だからこそ、これを雑に扱うことは許されない設定でもあります。
この姉妹は設定そのものは魅力的ですが、肝心なストーリーテリングで魅力を伴わない人物として描かれてしまっています。
そのため、大事な設定を無駄遣いされた気がしてならない。
ドラマに大事な設定を流用するのは、別に構わない。
寧ろ面白くなるならどんどんやればいいと思います。
しかし、雑に描くことは許されない設定だからこそ、もっと慎重に扱って意味あるものにしてほしかったというのが本音です。
この姉妹が、アナキンの選ばれし者としての特別感を無駄に薄めた姉妹と言う印象だけを残してアコライトを終えてしまったのは非常に残念ですね。
アクションだけはピカイチ
作品そのものが面白くない。
という最大限のダメ出しをしたので、最後に良かった点を一つ。
言わずもがなアクションです。
この作品のアクションの出来は素晴らしく、また見返したくなるクオリティであったことは事実です。
5話のカイミールVSジェダイのアクションは本当に武者奮いするほどかっこよかったですし、ラスト8話のソルVSカイミールもスターウォーズ史に残る文句のないクオリティのアクションだと思います。
スローモーションを使った演出や今までにない構図からのアクションは、スターウォーズのアクション史に残る名場面だと思います。
ソル役のイ・ジョンジェもカイミール役のマニー・ジャシントも、ジェキ役のダフネ・キーンも本当に格好良いライトセーバーバトルを見せてくれました。
だからこそ、肝心のストーリーが全力のアクションを魅せてくれた役者たちに失礼な出来栄えと言わざるを得ない。
評価の芳しくない作品に出ていたというだけで、素晴らしい役者でも後ろ指を刺されることになります。
制作側にはそうしたことも考慮して、ちゃんと面白い作品を作るという責務を果たしてほしいなと思いますね。
もう取り戻せない
シーズン2があるのを匂わせた作りもいかがなものかと思います。
シーズン2ありきのラストを見せられることで、
どんなに面白くない作品でもシーズン2をやるかどうかはあくまで制作側の采配次第だと言われているようで無性に腹が立ちました。
最終話で、プレイガスの影やヨーダの頭だけ出したりしていますが、そんなものでファンが納得するとでも本気で思っているのでしょうか?
こんなストーリーテリングしかできないならシーズン2はいらない。
申し訳ないが心からそう思います。
シーズン1がここまでひどければ、
もうプレイガスが出ようがヨーダが出ようが取り戻せないでしょう。
寧ろレジェンドを誰も出さないで、潔く完結してくれと願うばかりです。
最後に
このアコライトという作品は、何かが根本的におかしい。
物語が破綻している作品なのです。
厄介オタクにはなりたくないので、多少面白くないくらいではここまでの酷評はしません。
ただ8話すべて見て、結論面白くない作品だったからには。
それは流石に強くNOを突きつけないと、スターウォーズとしてなんとも言えない作品が量産される気がしてならないのです。
こういう作品には昔からのファンが率先してNOを突きつけないと、スターウォーズというIP自体の劣化を招くことになる。
それは、ファンが最も望まないことだと思うのです。
スターウォーズをろくに知らない監督にスターウォーズを作らせてはいけないという事例がまたひとつ増えてしまいましたね。
誰でも彼でもに監督を任せるの、本当やめてほしい。
怒りと悲しみと失望で暗黒面に堕ちる人がこれ以上増えないように、これからもスターウォーズを末永く生暖かい目で見守っていくのが古参の使命のような気もします。
時にはこんな面白くない作品を作るなと声を荒げていかなければいけないなぁと思いますね。
最後に総評出します。
物語が破綻していたということを鑑みるともっと点数低くても良いのですが、一部の俳優の演技に免じての点数です。
スターウォーズはレトロフューチャーな作品。
古くから続く作品で、今となってはレトロ色の強い未来の機器や宇宙船が登場するからこそ、フィルター選びを間違えると一気に画面全体がダサくなってしまいます。
そこは、今後の作品ではきちんと考慮して欲しいところです。
そしてストーリー。
せっかく時間をかけて毎週じっくりと観るからには、もっと骨太な奥深いストーリー展開を期待します。
結論、アクションだけ見ればいいと思う。
では皆さま。
今後ますますの良きスターウォーズの長寿と繁栄を願って。
フォースと共にあらんことを。
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