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サラリーマンのススメ

今日ある人に「サラリーマンやった方がいいよ」と話をしていた。
という自分は19歳からフリーランスで働いて起業をしているからサラリーマンというものをしたことがない。
それに数年前までは口を開けば「起業しよう」と言っていた。

そんな自分が「サラリーマンやった方がいいよ」なんていう日が来ると思ってなかった。

付加価値で生きるコンプレックス

「自分には能力がある」
そう思って生きてきた。

自分は学力水準が高い奈良県でも上位に入る高校に入って中退はしたもののそれなりに勉強をしてきた。
専門学校在学中からフリーランスとなり、みんながまだ学生だった頃から芸能界という特殊な業界で仕事をしてきた。

現場力も高くて最年少でディレクターをやったりしたし「食べていく」という能力に関してはそれなりに高いと思って生きてきた。

どこかで「サラリーマンって地獄だよな」と思っていた。
決められた時間に会社に行かなきゃいけないし、決められた仕事をやって成果が出ても返ってくるリターンはそれなりだし。

それだったら絶対起業した方がいいぞ!やればやるだけ結果がついてくるぞ!

そんな思考だった。


しかし、起業して自分が経営者として前に進んで「会社」というものを作っていく過程でその考え方は少しずつ変わっていった。

自分の「強み」は確かに強みではあるものの、それ単体では活かせないのだと気づいたのである。

例えば自分の身長が2mあるとする、バスケットボール選手としてはとても有利に働くだろう。
しかしそもそもバスケットボールをしていないで、身長だけ高くて試合に出ても戦力にならないのだ。
「強みとは基礎の上に乗る"付加的な価値"である」

自分が持っている突破力も、自分が持っている頭の回転の速さも、今までの経験も、熱量も、全て付加的な価値であることは間違いないが、それ単体が基礎能力かと言われるとそうではない。
しっかりと「決まった時間に起きられる」とか「商品を売ることができる」とか「メンタルを安定させられる」とか「エクセルが使える」とか「ロジカルシンキングができる」とか「他人と調整をする」とか当たり前だけどフリーランスだけではなかなか獲得できない基礎知識いわゆる「バスケのルールや経験」を積むことが必要だと思ったのだ。

変えていきたいものが大きくなればなるほどに、守りたい人が増えていけば行くほどに「社会のルール」からは逃げられなくなっていったのである。

そしてどんどん自分は「基礎体力から作っていかなくてはいけない、ルールを学び直さないといけない」そう思うようになっていった。


サラリーマンは最高のエクササイズ

縫製職人さんたちとお仕事をするようになって「サラリーマン」と呼べるかは別として大きな工場で勤めていた人たちや、異業種であってもサラリーマンを経験した人たちはそういう基礎体力がついていると感じることが多い。

どちらがいいのかはわからないけれど、そもそも最終的に大きなものを動かしたり社会を変えていこうと考えているのであればなおさらにルールの上で戦っていくことになる。

そう思うと遅かれ早かれ「サラリーマン」を経験するということがとてもいいエクササイズになると思うのである。

今日話をしていた方も実はキャリアはなくても食べていく能力は高い。
人当たりもいいし、相手のことをしっかりと考えられて、人間性も抜群である。

しかし何より「バスケができない」という状況だったのだ、
スラムダンクを知っている人は話が早いけれど主人公の桜木花道は身長も高く身体能力が高く、負けん気も強いが何より「究極の素人」だった。
その桜木が覚醒したのは何よりも試合ではなく2万本のシュート練習だったのだ。

サラリーマンをするということはこの2万本のシュート練習と同じようなもので、才能を開花させるために最低限必要な基礎練習であると思うのである。


どちらがいいかはわからない

フリーランスがいいのか、会社員がいいのかはわからない。
けれど僕は「どちらもやっていた方がいい」とは思う。
どちらが先でもいいけれど、どちらも経験してサラリーマンでは「基礎体力とルールを」フリーランスでは「行動力とマインドを」身につけるのだと思う。

そして自分が起業した時にそれがどちらとも活きていくのだと思うのである。

もちろん起業しなくても良くて、得たものをしっかりと活かすということが重要である。


今日話をしていた人は長いことフリーランスで生きてきた素晴らしい方だったから冒頭にあった
「サラリーマンやった方がいいですよ」と身勝手に言わせてもらった。

才能がある人だからこそ、シュート練習2万本やった方が将来輝くと思うんですよね。


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