VALIS

神出鬼没のバーチャルサーカス団・VALIS(ヴァリス)。 TW:https://twitter.com/VALIS_Official YT:https://www.youtube.com/channel/UCx0uRc5HF-rFDEQ7lmNYKEw

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    最近の記事

    VALIS 2周年にあたって

    はじめまして、VALISディレクターの操桃(そうと)です。 VALISのデビュー2周年となる5/15に、ミニライブ「感情プレステージ Vol.2」を開催する運びとなりました。 このライブに至るまでの、VALISの決して順風満帆ではなかった2年間について、少しお話させていただけたらと存じます。 かなりの長文ですが、お付き合いいただけましたら幸いです。 2019年12月頃、ちょうどデビューに向けた準備を進めていく中で、コロナウィルスが流行の兆しを見せ始めました。当初予定してい

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      • Main Story - 009 (Case of VALIS)

        移動式サーカステント。その中はすでに狂乱の予感に満ちていた。いつものように。 人々のざわめき、時に上がる叫び声のような歓声も、日常の光景だ。 真っ暗な舞台袖で聞くとはなしに準備をしていた6人の少女達は、そのまま自然と円陣を組み、顔を見合わせた。 そして、いつものようにララに視線が集まる。 スウッと息を飲み、5人に向かって叫ぶ。 「今日も、お客全員ひとり残さず! 見せつけて、焼き付けて、虜にする! いくよ!」 「「「We're VALIS!」」」 その勢いのまま、少女達はス

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        • Main Story - 008 (Case of VALIS)

          客の入っていないステージ上に、ララの声と手拍子がこだまする。 「ワンツースリーフォーワンツースリーフォー……ヴィッテ、遅れてる!」 言われたヴィッテは、なんとか目だけで「わかった」の返事をする。 声をあげるだけで集中が途切れてしまうのだ。 新しい曲のフォーメーションダンスの練習は、特に踊りに自信のないヴィッテやニナにとって厳しいものになっていた。 ニナは久しぶりに自分の身体が悲鳴を上げているのを感じていた。 だが、痛みを感じること以外に頭を使わなくていいのは、今のニナにと

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          • Main Story - 007 (Case of VALIS)

            今日もショウが終わった。 楽屋に戻った彼女達は、ひと言も発さないまま、それぞれの定位置に付く。 チノの場所は窓際だった。 窓枠にもたれかかり、楽屋の中を見る。 誰一人として、何も言わず、動きもしない。 まるで時間が停止したようだった。 (わたし、力使ってないはずだけど) ぼんやりとそんなことを考える。 “力”を使ったショウのパフォーマンスはどんどんと派手になっていき、それ目当てで来るお客はどんどん増えていった。 彼女達のショウに来る客は以前にも増して熱狂している。 だが、

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            Main Story - 006 (Case of VALIS)

            ソートはヒゲをゆっくりといじり、宝石の付いたステッキをニナに突きつけて、言った。 「結局あなたは、どうなさりたいのですか?」 ソートの問いかけに、ニナは何かを言いかける。 † ヴィッテはひとり、夜の空を見上げていた。 ごう、と少し強い風が吹く。その風に揺られ、ヴィッテの身体は揺られた。 夜の空の上で。 今日の公演も大成功だった。新たな力を得た彼女達のショウは一気に華やかになり、これまでのファンは元より、いままで見向きもしなかった、あるいは知らなかった者達すら虜にしは

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            Main Story - 005 (Case of VALIS)

            その場を支配していたのは、重苦しい沈黙だった。 VALISとして初めての現実世界でのライブ。『あちら』に乗り込み、自分達の力を見せつける。そのはずだった。 椅子に座りうなだれる者、壁にもたれかかり悔しそうに歯がみする者、ただただ悲しい顔をしている者――表情は違えど、抱える思いは同じ。 「みんながんばった……わよね」 なんとか励まそうとしたミューの声も、場の空気に飲まれて虚空へと消えてしまう。 そんな沈黙を、無遠慮に破る声。 「ま、こんなものでしょうなぁ」 いつの間にか

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            Main Story - 004 (Case of VALIS)

            「ララ、ちょっと相談が……」 お客さんのいないステージ。そこでひとり練習しているララを尋ねたニナ。 彼女の目は、ステージ上に釘付けになった。 髪を振り乱し、飛び散る汗も気にせず、一心不乱に踊るララ。キュッ、キュッっという靴の鳴る音以外は、荒い息づかいだけが聞こえる。 力強く伸ばされた指先にも、魂が宿っているようだ。 その踊りを観るだけで、いかにララが現実世界でのステージにかけているかが伝わってくるようだった。 「あらあら、今日はずいぶん飛ばしているのね」 後ろからつぶや

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            Main Story - 003 (Case of VALIS)

            長机の端に立つ団長が、座っている彼女達に向けて演説めいた口調で話をしている。 「えー今宵は、来るべき新たな挑戦に向けて、英気を養うためのディナーであり……」 「フォークとって! あとお皿足りない!」 「お水お水〜! 意外と辛かった!」 「お肉、相当奮発したね」 「はむ……はむ……」 「VALISが次のステージに進むための大勝負! そのためにも……」 「ちょっとそれわたしも食べたかったやつー!」 「おかわりすればいいよ」 「だから誰かお水とってってば〜!」 「おかわりお願いし

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            Main Story - 002 (Case of VALIS)

            「だから、それじゃダメだって言ってるじゃん!」 「そんなことない! ララのほうこそ、間違ってる!」 楽屋に響く怒鳴り声。それをはらはらとした面持ちで見守る者もいるが、大半は我関せずか、いつもの手合い、といった様子だ。 VALISのショウは団長が一方的に押しつけるわけではない。曲もダンスも演出も、彼女達の側から発信することも多い。 もちろん、自分が一番輝ける曲や振り付けをするためだ。 だからこうした意見の衝突は、よくあることなのだが、その日は様子が違った。 「ふ、ふたりとも

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            Main Story - 001 (Case of VALIS)

            移動式サーカステント。その中はすでに狂乱の予感に満ちていた。 人々のざわめき、時に上がる歓声は叫び声のよう。 それを真っ暗な舞台袖で聴いていた6人の少女達。 暗闇に浮かぶ12の瞳。その色は違えど、込められた熱意と喜びは同じだった。 真っ暗な舞台袖から、輝けるステージへと飛び出す。 迎えるのは大歓声と、浮かんでは消えていくハートマークやコメント。いいね! という気持ちはアイコンやエモティコンに変換されて、彼女達の目に飛び込んでいく。 あふれる光と音、圧倒的な万能感。 それを見

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