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16話 高校3年就活中、2軒隣に漫画家が引っ越してきたので、 とりあえず押しかけて僕が漫画家になるまで

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17話はこちら

https://note.com/valensia/n/n48af8d4497d1?magazine_key=mb226382d11c8

初の担当替えの話ですね。=編集さんとの付き合い方、みたいな話になるでしょうか?
大昔の話ですし自分の事なので、話しても良いでしょう(笑)

丁度2度目の努力賞を貰ったタイミングで担当さんが交代になる、という事で新しく出会ったのが、この人。

僕をデビューに導いてくれた2代目担当さん。ある意味この人が居なければ今の僕は存在しないかもしれない。

開口一番。
「俺の手掛けた漫画には自分の名前でキャラクター出すように皆に話してるんだよね」と冒頭に言われたのと、僕が受賞記念の盾をよこせと話した時
「あんなもん欲しいの?」と言われた流れですぐ、
「あぁ、この人は変な人なんだ」という事で、割と最初から敬語的な会話にならず「君生意気だからな」とよく言われてました(笑)

この盾、というのは受賞時に頂ける記念品で、作品名や日付、名前等が刻印された物なんですが、初受賞作品の時にもらい損ねまして。貰い損ねることなどあるのかという話ですが、別に月例賞に授賞式とか無いですしね。僕もすっかり忘れてしまい。

一応、一つ位貰っておこうと2回目の受賞の時、この2代目担当さんに話したら、編集部の何らかのゴチャゴチャしたロッカーの中から探してきてくれました(笑)ホントはいっそ頂けるなら、初受賞の時の物の方が欲しいんですけどね。

初代担当さんにはそこはかとないオーラがあり、とても漫画編集者らしい空気感を醸し出していたんですが、今回の担当さんは、語弊があるかもしれませんが、あくまでイメージですが、スポーツ新聞的な空気感でしょうか、アウトロー系です。遠慮しないでガンガン話した方が良さそうなタイプです(汗)

当時、受賞はすれど会議には出せず、掲載のチャンスをどうやって掴めば
良いのかわからない状態で、年に2度しかチャンスのない新人賞に出し続ける、という流れの中での担当交代、結構最初は不安でしたが。

「賞出しはもういいから、つぎデビューね」

と、唐突にデビューが決まります。正確には決まっていないのですが、本人が次の漫画は絶対掲載する、というのですから、こちらもテンションが上がろうという物です。

そんな感じで、打ち合わせが始まるのですが…

「バカ、そうじゃないよ」
「なにしてんの?そんなの面白いわけないじゃん」
「打ち合わせ~?めんどくさいなぁやりたくねぇ」

みたいな、割と口が悪い系担当さんですが、僕も同じように口が悪いので
話しやすくもありました。というのも、僕は当時、島本和彦先生の「燃えよペン」相原コージ、竹熊健太郎両先生の「サルでも描けるまんが教室」を盲信しており、ああいう世界観にあこがれてたんですよね。

ドリンク剤を大量に飲んで徹夜をしのぐとか、漫画に対する考え方とか、そもそも漫画家は変な人、とか仕事場のノリ?ああいう時代のテンションみたいなものには当時憧れてましたよね。技術は皆川さんに学びましたが、精神論は多分心の師匠、島本和彦先生、相原コージ・竹熊健太郎両先生に学びましたね、多分。

なので、作中に描かれていた、編集さんに対しての対応も、大分影響を受けており特に燃えよペンの「打ち合わせに対しての姿勢」サルまんの「編集者分析」の影響は大きすぎてかなりの部分本気で信じていました。

ので、あの作品の感じのノリで2代目担当さんとは接していたわけです。戦いですね(笑)担当さんが変わったタイミングでもあったので、いろんな所に持ち込みに行かないとダメかなぁ、とも考えていた時期なので、打ち合わせもやりたいようにやってみよう、と考えていた事も大きいですね。

さて、この2代目担当さんですが、
打ち合わせはお互い納得するまで、2時間とか長尺で取ってくれますし、
電話連絡も割と早い…。自分の苦労話を延々とする事があったのですが、そういう時はすぐに「それは分かったから早くネーム見ろ」と言えばいいので。口が悪いので逆に話しやすいわけです。遠慮の必要がないので。

この時の僕は前述した通りデビュー前のただの持ち込み人間ですが、初代担当さんに色々、漫画業界の一般常識みたいな事は教わっていた事もあり、いい意味でも悪い意味でも「若さゆえの業界慣れ」を起こしていた感はあります。

デビュー作中、主人公と戦うライバルは「シゲル」というのですが、
担当さんが「自分の名前のキャラを出せ」というので、
苗字を使うのは負けた気がして腹が立つので、下の名前を使いました(笑)
ゴネられましたが、そこは無視で。

なので、ここでいうシゲルはこの担当さんの名前、かもしれませんね。もしかしたらね。

あまり出会ったことはありませんが、こう、例えばですよ。例えば。
マウントを取りに来る担当さん、口が悪い担当さんの時は、それだけでは本来の性格がわからないので、
こちらもあまり遠慮しないのがいいんじゃないですかね(汗)どういう人かわからないうちは、マウントを取りに来る相手にはマウントを取り返しに行く、これは打ち合わせでは結構重要。

一緒にお酒を飲んだりした途端に「いやぁ、俺も本当はもっと、こうかんがえてるんだよぉ」みたいな事を言い出したりして、急速に仲が良くなる可能性建てあるじゃないですか?

仲が良くなったからどうなるかは、わかりませんが。


そんなこんなの2代目担当さんですが、後1~2年以内に

「君はサンデーに合わないから、他に行けば?」

と、あっさりと最後通告を出され、僕は突然放逐されます(笑)


次回は「ヘルプに入れと言われ、めんどくさいので何度も断り続けたら、いう事聞かないと担当降りるぞ!」と言われた話。






もし気に入って頂けましたらサポート頂けると大変嬉しいです(^^)業界が偏ってしまう内容が多いですが、色々参考になるような記事が書けるようにしていこうと思います。