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お別れ

一昨年の8月、我が家のキャバリアのおんぷの調子が悪くなりました。ご飯を食べたり食べなかったり。名前を呼ぶと尻尾をブリブリ振って寄ってきて元気はあったのですが、何となく気になって病院へ行ってみました。血液検査の結果、糖尿病とのこと。しかもかなりひどく即入院。家族で毎日おんぷが食べてくれそうなものを持って、病院へお見舞いに行くも、日に日に弱っていくのがわかりました。先生も大変よくして下さって、私たちにもわかりやすく病状を説明してくださいました。とにかく血糖値を下げるためのインスリンの量がはっきり決まらないと危険で退院はできない、とのことでした。何とか家に連れて帰ることさえできれば、との思いでいっぱいでした。

その頃、わたしはパニック障害を患っていました。通院し治療中でしたが、なかなか発作の回数もおさまらず、家族を巻き込んで心配ばかりかけていました。(現在も治療中です。)ひとりで外出もできない状態でした。そんな中、おんぷの看病をつきっきりでやって良いものだろううか、できるだろうか、と不安はありましたが、何も悩むことはない、おんぷと一緒にがんばろう。と思いました。覚悟を決めておんぷのお見舞いに行くと、さらに状態が悪くなっているとのことでした。ICUに入っているおんぷに声をかけたり、大好物のおやつやご飯を持って行ってもまったく口に運んでくれませんでした。先生の方からも、急変することが考えられるので万が一の時の覚悟をしておいてくださいとのことでした。

それから二日後の朝早く、先生から電話がありました。おんぷが亡くなったと。覚悟はしていたものの、せめて家で、腕の中で看取りたかった。おんぷをひとりで逝かせてしまったことに申し訳なく、悲しくて涙が止まらず、そのまま過呼吸になってしまいました。おんぷをお迎えに行くと、病院のスタッフさんがシャンプーして体をきれいにしてくださっていました。タオルケットにくるんで、家に連れて帰りました。おんぷ、10日ぶりの我が家です。待っていたバセットハウンドの団子、柴犬のカモメが走ってやってきました。状況を素早く察したのが団子でした。

団子はおんぷの身体中を鼻でクンクンして顔の周りを鼻でつつきます。すぐにクーン、クーンとか細い声で泣き続けおんぷのそばを離れませんでした。

12歳。おんぷは団子より1歳年上。人が大好きで、他の犬が苦手だったけれど、ワクチンや団子とは仲良く一緒に昼寝をしたりしていました。たまに団子のご飯を覗き込んで怒られたりしたこともあったけど。おんぷは人間で言うところのいつもニコニコして笑顔の絶えない子でした。名前を呼ぶといつもニコニコしてしっぽをパタパタ振って近づいてきて甘えてくれます。あの笑顔に何度救われたことか。

天国でワクチンと会えたかな?2匹で仲良くみんなのこと見てくれているかな、と思うたびにクリクリした瞳やフワフワして触り心地の良い毛並み、寝てる時のブゥブゥっていういびきが愛おしいです。

2019年夏の終わりの出来事です。

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