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子犬を迎える

キャバリアのおんぷが死んでしまってから、しばらくたっても、わたしはすっかり落ち込んだままだった。不意におんぷがいないことを感じると涙が出る、そんな日々だった。

見兼ねたダンナが、突然「ミニチュアダックスフンドを飼うことにした」と言う。私は反対した。わたしたちだってこれから病気したり、もしかしたらどちらかが死んでしまったりすることだって十分あり得るのだから、新しく命をあずかるのはどうかと思ったのだ。すると、心臓に病気を抱えているダンナが、「大丈夫、おれ長生きするし!」と言ってくれた。ちょっと嬉しかった。

まんまとペットショップへ。こっそり何度も下見に行っていたダンナは店員さんともすっかり顔馴染みだった。椅子に座り待っていると、店員さんが全くじっとしてないミニチュアダックスフンドの子犬を抱えてやってきて、わたしの膝の上にのせてくれた。子犬は店員さんが恋しいのかキャンキャン鳴き続け、わたしは子犬の顔もろくに見られなかった。とにかく元気いっぱいなのはよくわかった。

そういう訳で、我が家にミニチュアダックスフンドをお迎えすることになった。

家に連れて帰るとなると先住犬との対面がある。果たしてうまくやっていけるのだろうかという不安があった。特に柴犬のカモメはどんな反応をするのか予想ができなくて、いきなり噛み付いたらどうしようかと思った。バセットハウンドの団子は世話好きなのできっと大丈夫だろうと思っていた。が、その逆だった。カモメは子犬に興味津々で、団子は初めびっくりしていたがすぐにお昼寝に戻っていった。

カモメと子犬は出会ってすぐに仲良くなり遊び始めた。カモメは甲斐甲斐しく子犬の面倒を見ていた。子犬もずっとカモメについてまわっていた。

いろんな心配をものともせず、体は小さいがとってもパワフルな子が仲間入りして、我が家はまた3匹体制となった。

子犬は「みりん」と名付けた。女の子だ。

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