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#70 ペロポネソス半島へ!宿からミケーネ遺跡まで15kmの強行軍🇬🇷
6/21 ミケーネ近く、ペロポネソス半島のアルゴスへバス移動🚌
6/22 15kmの道のり!ミケーネ遺跡まで歩く!/子どもたちとサッカー⚽️
11時、宿をチェックアウトし、オモニア駅近くのバス停から51番の路線バスに乗ってキフィソウバスターミナルに向かう。昨日チケットを買う目的で一度来ているので気楽なものだ。10分ほど路線バスに揺られて到着、水を一本買い込んだ。チケット売り場の前で待っていると、バスは出発時刻5分前に来た。同じバスに若い日本人カップルがいたが、何か手違いがあったようだ。
「大丈夫ですか?」
とこちらから話しかけると、どうやら受託手荷物分の別料金を払う必要があるということだった。自分は何も払ってないけどいいのかな....?
彼らは荷物料金を払ってバスに乗り込んだ。
システムがよく分からなかったが、ともかく定刻通りバスは出発した。ほぼ満席状態だったので、昨日予約しといて良かったと思った。隣席は自分よりも筋肉があって強そうな黒人女性だった。
一時間走ったところで、コリントス運河に差し掛かる。バスは走ったままなのでほんの一瞬だったが、車窓から写真に収めることができた。
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さらに一時間、バスはオリーブ畑やオレンジ畑を進んでいく。マップで確認すると、ミケーネ遺跡の西側を南北に伸びている国道7号線を南にむかって走っている。そして今日の宿があるアルゴスについた。このままアルゴスのバスターミナルまで行ってしまうと中心部から少し離れてしまうので、市内について他の2、3人が降りたところで一緒に下車した。
今日のホテルはこの旅で一番奮発した部屋だ。それでもブッキングドットコムの価格フィルターで並べて3番目のホテルなのだが。2泊で71€(¥11,100)。ミケーネやスパルタ、オリンピアも同様に調べてみたが、どうやらギリシャではアテネ以外ではホステルが充実していないらしい。そのためどうしても宿泊費が余計にかかってしまう。
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アルゴスの中心部でテラスがついてあるホテルだ。荷物を下ろして少し町を観光し、ホテルに戻ってきたところで事件は起きた。ホテル前で一人の男が頭から血を流して倒れているのだ。周りには人だかりができているが、傍観しているだけで誰も動こうとしない。
咄嗟のことだったので前職の職業病が出る。
「911(救急車)呼んでください。誰か布みたいなものを持ってる人いないですか!」
まずは止血が必要だ。幸い女の子が汚れても良い服を持ってきてくれた。頭部の出血部位に当て、止血を試みる。自分の手に血が付着しないように注意する。当の本人は何が起こっているか分かっていないのか、または英語が分からないのかで勝手に動こうとする。ホテルの人が出てきてくれ、ギリシア語で話してくれて、それからの処置は任せた。
ホテルの人から後で聞いたが、彼はドラッグ中毒で前後不覚になり転倒らしい。ともかくも、瞬時に適切な処置ができてよかった。前職で学んだことを海外でも卒なくこなせたのが嬉しかった。
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スーパーで買い物をして、1.5Lのスプライトとミニトマト、ポテチを買込み、久しぶりに優雅な時間を過ごした。
翌日はミケーネ遺跡を目指す。昨日のうちにこの町の住民に聞いて回ったが、現在はミケーネまでのバスは無いのだとか。コロナ前までは一日3本運行していたらしいが、コロナ禍で客足が遠のくうちに廃止されてしまったらしい。
それならば仕方がない。午後9時にホテルを出発する。
最初はヒッチハイクを試みた。自分は18歳の時、九州旅行でヒッチハイクをした経験があるので、多少の心得があった。
成功させるにはいくつかのコツがあるのでここで紹介しよう。
【ヒッチハイクの心得】
①自分の人相が運転手へ見えるようにする。
②運転手の目を見て、少し微笑む。
③目的地への流れが多い場所を選ぶ。
④自分の後方に、車が停まるスペースがある場所を選ぶ。
⑤行先の紙を示す場合は文字を大きく。(この紙があるかどうかで成功率は大きく変わる。)
今回は紙を用意出来なかったので、親指を立ててのグッドサインで試みた。みんな見てくれるのだが、停まってくれる気配がない。ギリシャではヒッチハイクは多くないのかしら。目的地を書けないのが痛かった。粘ってみたが、今回は失敗した。
その他、交通整理で止まっていた人が「あと100m行けばアテネ行きのバス停があるから、そこで運が良ければ乗せてくれるよ」と教えてくれたのだが、残念ながらやってきた大型バスは停まってくれなかった。
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こうなったらもう歩くしかない。もともとその予定だったから気を落とすことはない。たった15kmだ。2時間半もあれば着くだろう。自分は歩き出した。国道7号線を北に向かって歩く。歩いているうちに、「これこそが旅だ」と思えるようになってきて嬉しくなった。調子が上がってきて廃線になったと思われる線路の上を歩いてみたりなどして、只管歩いていった。
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ミケーネの町に着いたのは11時半だった。ちょうど2時間半で到着した。町に入るとレストランが並んでいて、おばちゃんに呼ばれた店でチキングリルのポテト添えを頼んだ。踏破した後の飯は格別美味かった。サービスで大きいオレンジを2つもらい、一つを平らげた。🍊
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シュリーマンが発見したミケーネ文明の遺跡は町から少し登ったところにある。入場料は12€だ。南ゲートは世界史の資料集に載っていたままの重厚な門だった。丘を丸々一つ使ってこの遺跡は建てられている。サークル状の墓地が思ったより大きくて印象的だった。
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また、ここには博物館が併設されていてこの遺跡から発掘された土器や焼き物、刀剣類、そして黄金のマスクが展示されていた。
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帰りは流石にタクシーを使った。ミケーネからアルゴスまで17€で行ってくれるという。英語が堪能なギリシャ人で、往路は歩いてきたと伝えると驚いていた。彼の仕事は二つ。夏はタクシーの運転手、冬はみかん畑で働いているそうだ。コロナ禍の影響は避けられず、元の客足に戻るにはこの夏を待たなければならないとぼやく。4〜5月は修学旅行でアメリカやヨーロッパから学生達がやってきて忙しかったが、6月の今は比較して暇になるのだとか。
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行きは2時間半かかったところを、帰りはタクシーで20分だった。午後2時のこの時間帯、外気温は36℃を超えていたので歩くのは無謀だろう。バスターミナルで降ろしてもらい、明日のコリントス行きのバスチケットを購入してからホテルに戻った。
手洗いで洗濯をして20時。まだまだ明るいので、サッカーボールを膨らませて町に繰り出した。自分がリフティングをしていると、中学生二人がこっちを見ている。
「サッカーやろうぜ!」
と言いながらパスを出す。サッカーは久しぶりらしかったが、何回かのうちに「世界一周西回り」という技を成功させていて驚いた。「ギリシャでは何のスポーツが人気なの?」と尋ねると「サッカーとバスケ」と言っていた。今学期の出席日数が足りず、中学3年生をやり直すのだそうだ。もう一人の方は秀才で、将来はエンジニアになりたいと言っていた。15歳のうちからなりたいものが見つかっているのは素晴らしい。
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彼らと別れて夕食は8€のポークステーキを食べた。🥩朝から歩いて、観光してサッカーして豪華な夕食を食べて充実した一日だった。
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