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#105 サッカー大会開催in モロッコ!🇲🇦
8/27 アイトベンハッドゥ観光/広場で子どもたちとサッカー⚽️
【前回の続き】
一時間強でアイトベン・ハッドゥに到着し、傍の道路で降ろしてもらった。ワルザザートからここまでの運賃は25ディルハム(361円)だった。13人乗りのバスに21人もの人数が乗り込む様子だったり、モロッコ警官のしょうもない賄賂の現場を見たりなど、なかなか面白い状況に居合わせることができて良かった。
アイトベンハッドゥはカスバと言われる司令官が住む家のある集落で、これまで数々の映画のロケ地として使われてきた場所だ。現在4家族ほどが住んでいるそうだ。
時期が時期なら集落の間に川が流れ、そこを飛び石で渡る経験ができるみたいだが、この時期、残念ながら川は干上がっていた。
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集落を登っていく。途中民家の中に入り込んでしまい、引き返そうと思ったら、家の夫人が「こっちから登れますよ」というので、入っていくと、階段ともいえない坂道が続いていた。「登るのに10ディルハムです」というが、手持ちは9ディルハムと大きいお札しかなく、9ディルハムで通らせてもらった。もっとも、正規のルートで行けば払わずに済んだようだが。
高台に登っていくと、警官が二人いて巡回をしていた。「ボンジューh」と挨拶する。ここからアイトベンハッドゥの町が一望できた。町は土産店が軒を連ね、観光地化されてしまっているが、店の店員さんたちはそれほどしつこくしてこないのでありがたい。「イヤホンを持ってないか?僕の作品と交換して欲しい」と、アート店のオーナーに訊ねられたが、この時余分なイヤホンは持っていなかった。
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町を一通り見た後、来た時に降ろされた場所でバスが通るのを待つ。若い女の子二人に聞くと、どうやらここでバスか乗り合いタクシーを拾うらしい。待っていると、英語を話すベルベル人の男性が話しかけてきた。どうやら近くのショップの店員らしい。
軽い雑談をしていると、「店の中を見ていかないか」と言われた。この場合、店の中に行ってしまうと最後は必ず押し売りが始まるので嫌なのだが、この時はついて行くことにした。この男性からは商売の気がそれほど感じられない。図らずも、彼からモロッコの風習、習慣、分布等について色々教えてもらえた。砂漠のベルベル人が方角を探す時に使うペンダントや、未婚・既婚者がそれぞれつけるブローチ、そして装飾品。言葉の訛りだけでなく、着物や身につけているもので、大体の出身がわかること。砂漠でのスカーフの巻き方など、実用的なことを学ぶことができた。最後まで押し売りせず、サービス精神旺盛で良い人だなと思った。
再び道路の端で待っているとタクシーが止まった。「グランタクシー(乗り合いタクシー)だよね?」と確認してから乗り込んだが、他のお客さんがまだまだ来そうになかったので、運転手に「そこのレストランでお茶してて良い?」と伝えてエスプレッソを飲みながら待ったが、とうとう乗客は自分を含めて二人しか来なかった。タクシー運転手が「行くよ」というのでタクシーに乗り込んだ。30分ほどでワルザザート駅まで戻って来た。運転手は「いくらでも良いよ」と言ってくれた。もう一人のモロッコ人の乗客は20ディルハムだけ渡していたようだが、このタクシー運転手はとても良心的だったので、自分は50ディルハム(715円)を渡しておいた。この長い距離では妥当な金額だと思う。
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ワルザザートの宿まで帰って来た。近くに広場があって、子どもたちがサッカーをしていたので、日本から持ってきた空気入れでボールを膨らませて、久々にサッカーをしに行く。
「向こうの角っこでボール使っても良いですか?」女子サッカーを観戦していた親御さんらしき人に声をかけると、「いいよ」と言ってくれた。モロッコでは女子のサッカー選手もよく見かける。
ボールを蹴っていると、すぐに地元の子どもたちが集まってきたので、「ゲームしようぜ!」と提案し、3vs3、4vs4などの試合が始まった。名前は覚えにくいので、彼らが着ているユニフォームからメッシ、ロナウド、ポグバ、ハキミなど、分かりやすいあだ名を付けていく。
彼らは英語を話さないし、自分はアラビア語・フランス語を理解できないので詳細なことは伝え合うことはできないが、サッカーは万国共通の言語である。一緒にプレーすれば心で会話することが出来るのだ。個々のプレーの癖や動き方で、相手の性格や思っていること、選手間の上下関係、相手の考えをキャッチすることができる。これは長年サッカーをやって来たことと、コーチとしてこれまで子どもたちを見てきたからできることだと思う。久しぶりに体を動かしてまず驚いたのは心肺機能の低下を実感せずにはいられなかったことである。最初は喘息のようになったが、しばらくすると慣れてきた。
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途中、どういう流れからだったかは覚えていないが、「自分は無宗教だよ」と伝えると、子どもたちのおまじないによって一日だけムスリムにさせられた。
サッカーは黄色のユニフォームを着た一人の子どもが恐ろしく上手かった。ボールが足に吸い付いている。タイミングやセンスも抜群で年齢を聞くと12歳だという。このままサッカーをやれば良い選手になるかもしれない。彼が履いているのはサンダルだったが。「この子が経済的な理由でサッカーを辞めることがありませんように。」
そう、強く願った。
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