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#181 オメテペ島、地獄の脱出劇!🇳🇮

1/22 高波で足止め/6時間粘るも船出ず→意図せず延泊
1/23 朝4時起床/無駄になった7時間/出会った日本人/オメテペ島脱出


9時半にホステルをチェックアウトして港に向かった。10時にオメテペ島・モヨガルパからサンホルへまでのフェリーが出るので急ぎ足で行く。船の待合所には多くの人がいた。月曜日だからかな?」と推察したが、理由が違った。「向こう岸が高波で船が出航できない」
英語が喋れるニカラグアの青年が教えてくれた。見た限りでは波は立っていなかったので出航出来るだろうと思ったが、対岸のサンホルへ側の港が荒れているらしい。今日中に古都レオンに行きたい。レオンにあるホステルも今日から2日間予約してしまっている。

出航を待つ人々

11時まで待ってみたが、高波が治まりそうにないということで、次は14:30に出るかどうかということになってしまった。それでは今日中にレオンに着くのはさすがに厳しいと判断した。ホステルに戻ってWi-Fiに繋ぎ、Booking.com経由で日付を一日ずらしてもらうよう依頼を出しておいた。
「しょうがない、今日はまたグラナダ辺りに泊まるか」
まだこの時は楽観的に捉えていた。まだ朝飯も昼食もとっていなかったのでスーパーに行き、長期戦に備えてパンケーキ1つ、りんご1個、トマト2つにクッキー2種類を買い込んだ。
12時に港に戻ってみるとどうやら船が出るような慌ただしい様子になってきていた。急いで並んだがチケットをゲットできずその便は遠目から見ても定員超過で、大量の乗客を乗せて13時過ぎに出航してしまい、自分は見逃さなければならなかった。

定員超過の船が出た

「まあ一便出たんだから次には乗れるだろう」
そう思っていたが甘かった。待合い場奥のチケット売り場で全くチケットをくれそうにない。並んで待っているのが大変になってきた。何にも説明せず、姿勢を崩して席にふんぞり返っている係員のぽっちゃり男に腹が立ってくる。脂肪を立派に蓄えたその腹にナイフでも突き立ててやりたくなってくる。いかんいかん、中南米ではイライラしたら負けなのだ。

この男(笑)

周りの西洋系の旅人たちも困惑している。一人の女の子が「今日の23時までにマナグアからカナダに帰る飛行機に乗らないといけないのに!ああ、神さま、間に合わせて...」
確かにそりゃ焦るわ。
この係員たちは整理券を配るとか、そういう発想は無いのだろうか。ただで待たせやがって。4時まで粘ったが、とうとう
「No hay!(今日は欠航!)」
の言葉が響き渡った。強制的に島に延泊することになってしまった。ホステルに戻って女性スタッフに
「ごめん、船欠航になっちゃったから戻ってきたんだけど、もう一泊できる?」
と聞くと、
「8ドルで泊まれるよ」
と泊まらせてくれることになった。しかし残念ながら辺り一体が停電しているらしく、電気もWi-Fiも使えなかった。若干の泣きっ面に蜂である。一日を無駄にしてしまった。ルームメイトになったスペイン人のマイクが話しかけてきたが、正直疲れていて話が入って来なかった。
この日は17時にベッドの上でノックダウンしてしまった。21時に一度起きてこれまでの旅の振り返りと、今後の将来の展望を考えているうちに眠れなくなってしまった。

停電の夜。Wi-Fiも使えない

翌日、昨日欠航したぶんの乗客が押し寄せることを予期して4時にチェックアウトして港に向かった。すでに3人待っていた。後から続々と並び始め、早朝の暗い中に列が出来た。 

朝4時過ぎにフェリー乗り場到着
この時間でもうこんなに並んでる

5時にゲートが開き急いで列に並んだが、ここでもずーーっと待たされている。湖の状態が安定しないのだろう。整理券でも配ってくれればこんなに拘束されずに済むのにと思う。ニカラグアにはそんな発想はないのだろうか。そしてチケットが発券されそうな雰囲気になると、列などお構いなしに殺到するのも如何にも中米といった感じだった。ここまでくると朝早くから並んだ努力も水の泡になってしまっている。
地べたに座り、暇つぶしの本を読んでいると、「日本人ですか?」と後ろから声がした。60歳くらいの男性が並んでいた。名前はOさん。彼に聞かれる。
「ここでチケット発券出来るんですよね?」
「昨日もここだったのでその筈です」
まさかオメテペ島で日本人に会うとは思わなかった。彼と一緒に協力してこの困難な脱出を乗り越えることにした。
いよいよ10時になってしまった。すると、係員がスペイン語で何か言った瞬間、みんな船の方に移動してしまった。自分は何が何だか分からずその場を動かなかったが、周りに人によるとどうやらこの場所は車両専門のチケット売り場に変わったらしく、観光客はチケットを買えなくなったという。急遽、船の中で買うシステムに変更になったらしい。本当にニカラグアは行き当たりばったりだということに辟易を通り越して笑いが込み上げてしまった。
結局、朝4時から並んでいた意味は無くなり、一番最後の方になってしまったが、Oさんと出会えたのが不幸中の幸いであった。

11時、名簿用紙に名前を書いてようやく船に乗ることができた。席は満席だったので外廊下に座っただけだったが、Oさんと共に出航を祝った。
Oさんはもともとエンジニアで、JICAにも参加した経験を持っていた。エンジニアの残業も多い時で200時間とかをこなしていたそうな。最近退職して旅を始めたのだとか。この旅ではパナマまで行くらしい。週6、7でジムに通っているそうで筋肉も衰えておらず、何より若々しく見える。
船上では世界から見た最近の日本の立ち位置について議論したり、エクアドルやエルサルバドル、ベリーズのドル通貨政策についての疑問をぶつけ合ったりしていた。
仕事の話にもなり、彼が言った「もっと早く退職していれば良かったかもしれない」
との言葉が印象的だった。

ようやく乗船!
長かった...

途中エンジンがストップするなどのハプニングもありつつ、12:57にサンホルへの港に到着した。昨日から今日にかけてのオメテペ島・地獄の脱出劇は幕を閉じた。
ここから宿をとってあるレオンまでの道のりを記そうと思うが、長くなったので本日はここまで。

Oさんとサンホルへ港まで戻ってきた!

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