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#43 腹を壊す、そして床屋で気を失う🇮🇳

5/10〜11バラナシ🌅【後編】

昨晩、ガンジスの辺りで毎晩行われているプジャを体験した。午後7時から一時間ほど行われるその祈りとも祭りともいえる行事には、世界中のヒンドゥー教徒たちが集まってくる。ガートが全て人で埋まり、無数の鐘が鳴らされ、音楽にヒンドゥー語での歌詞が添えられる。この歌っている歌手がなかなか上手で感心した。祭壇では5、6人ほどの祭祀たちが、火を灯しながらガンジス川に向かって祈りを捧げている。その祭りの光景を儀式が終わるまで、眺めていた。

プジャ

儀式が終わると、おそらく家族の誰かを亡くしてガンジス川にやってきたのであろう一家が、円陣を組んで座り、掌よりも小さな鐘を叩きながら歌い始める。真ん中で太鼓を持った男がリズムを刻む。彼らは一晩をこのガートで過ごすのだ。

歌って一晩を過ごす

翌日、腹を壊した。インドに来れば誰しも腹を壊す。昨日屋台で食べたドーサが悪かったか、カチョリか、サモサかモモセイかラッシーか、とにかく心当たりがありすぎる。ただ、そんなに深刻ではなく、お腹を下している程度だ。

ドーサ(出会ったネルマル君が奢ってくれた😄)
モモセイ
カチョリー

気分転換に床屋へ行った。カットとセットで110ルピー(180円)と安い。サイドが鬱陶しかったので切れ味の悪いバリカンと、油を差してなさそうなハサミでやってもらう。ここまではまだ良かった。隣の椅子ではお客がフェイスマッサージを受けていた。白泥を顔に塗り、顔をグニャグニャにされている。
「お前もフェイスマッサージやるか?」「ノー。要らない」「気持ちいぞ」「いや、いい(笑)」

その後、「上着を全て脱げ」という。「毛が服に付いたのを取るのかな」程度に思っていたが、何も言われずに上半身マッサージが始まってしまった。そして、そこで使われたメンソール系のオイルがいけなかった。メンソールが強烈過ぎるのか、うまく息ができない。しかも脇の下をマッサージされ、くすぐったくて更にしんどい。数回水を含んだが、治らない。意識が遠くなる。そして周囲の音が無くなり、目の前が暗くなった。


頬を叩かれて意識を取り戻す。顔面に霧吹きをされた。後で動画を確認したが、店員さんたちも動揺している。数分店内で休ませてもらったが、お腹を下している状況でもあり、一向に良くはならなかった。それでも、会計はしなくてはいけない。値段は660ルピー(1089円)になっていた。お願いしてもいない地獄の上半身マッサージで意識を失った上に、900円も余計に払うことになってしまった。
「これがお前らのやり方かぁ〜!(古)笑」仕方なしに支払った。

気持ちが悪く、動けなかった。何とか水は買うことができたが、とてもホテルまで戻れる状態ではなく、道端の石段で横になる他なかった。水を片手に、苦しい状態が三時間続いた。その間一歩も動くことができなかった。

その後、満身創痍になりながらも、何とかホテルに戻ってきた。夜までベッドに突っ伏すことになった。

体調が少し回復したところで、明後日のゴーラクプルまでのチケットを取りに、ホステル近くの代理店に向かう。まだ席は取れるということで、電話越しに日付と時間、シートクラスを伝えて一席押さえてもらった。帰りの道端で売っていたブドウが美味しそうだったので、つまみ食いさせてもらって、甘い房のものを600g、60ルピー(99円)で買って食べた。自分も懲りない奴だなとは思ったけど。

翌日、ガンジスの朝日を見るために5時に起きて、ガートへ行く。太陽が昇る瞬間、それも悠久のガンジス川からの朝日はやけに神聖に感じた。
しばらくしていると、自分の両手を勝手にマッサージしてくるおじいちゃんがあった。「ノー、ノー。」と言ったが、おじいちゃんは「フリー」という。手から始まり頭、肩、腰、足へと移行する。「これはお金払わないといけないやつだ」と思ったが、案外気持ちがいい。聞けばかれは73歳でこの道五十年のベテランマッサージ師だという。彼の技術に敬意を表すため、財布に入ってた全額300R(500円弱)を渡した。無料だと言ったくせに、「ドルとか円は持ってないの?」と、そのあと聞いてきたのに!は苦笑したが。
「サンキュー」と伝えてその場を後にした。

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