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#79 イエス生誕の地、ベツレヘム訪問!パレスチナ自治区🇵🇸
7/5 ベツレヘム観光/ユダヤ人とパレスチナ人の分断の壁
ベツレヘム行きのバスは旧市街の北側にあるダマスカス門付近から出ている。このバスを運営・運転するのはアラブ人だ。ユダヤ人ではない。これにも理由があり、ベツレヘムはパレスチナ自治区内にあるからである。ベツレヘムのバスは国境(イスラエルとパレスチナ自治区との国境)行きのバスと、エルサレム中心行きのバスが分かれているので注意が必要だ。自分は中心部に行くので231番のバスに乗る。バスが来るのを待っていると、パレスチナ人が「俺のプライベートカーで行かないか?三つの有名な教会も、バンクシーの風刺絵のところにも連れてってやるよ。それからヘブロンにも」と営業をかけてきた。「ヘブロンて今危険な場所なんじゃないの?」と問うと、「安全だ」という。まあそれはともかくとして、自分はタクシーを使わないのでお断りした。その後もかなり執拗に営業されたが、後から来たヨーロッパ系の貴婦人に営業先を移した瞬間、自分は彼と距離をとった。尤も、その貴婦人はタクシーの営業だと認識すると第一声「No Taxi‼︎」と超速の拒絶を見せて自分を感心させた。「タクシーじゃないよ。プライベートカーだよ」と彼は言っていたが、こちらとしては同じようなもんだ。
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バスは9時に出発することを教えてもらい、その通りに出発した。運賃は5.5シェケル(210円)だ。シートベルトは取り外されている。
窓から外の景色を眺めていると、丘の真ん中が灰色の壁で仕切られているのを発見した。自分はすぐにスマホのカメラを起動させて数枚の写真を撮った。撮らずにはいられなかったのだ。
たった数メートル、分離壁を隔てている向こう側とこちら側とでは、建っている建物があまりにも違いすぎて、かなり異様な光景だったからである。
イスラエル側は立派なマンションが立ち並んでいるが、パレスチナ側の家屋は板を立てて屋根を被せ、雨をやっと凌げるくらいにした程度の粗悪なものだった。この近距離で経済格差がこれほど分かりやすく反映された場所はないだろう。紛争も度々起こるわけである。
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ベツレヘムには一時間で到着した。町自体はかなりアップダウンが激しく、降誕教会等のメインスポットに行くには坂を登っていく必要がある。当然それを見越してタクシーがすぐに勧誘してくるが、振り払って前進する。自分はまだまだ若いのだよ。バス停から教会までの道はメインロードらしく、雑貨屋や食事処などが立ち並んでいて活気があった。
「どこから来たの?」パレスチナのおじいさんが話しかけてきた。「日本からです」と答えると、「あなたをもてなしたい」と言われたのには動揺した。人との距離が近い民族なのだろうか。
まずは降誕教会に行く。教会内を進むと地下へと続くかなり狭い入り口があり、そこを抜けると星形の印がある。これこそイエスが生まれたとされる場所だ。観光客がかなりいたが、このくらいはまだ序の口で、クリスマスにもなると教会の外にまで列ができるのだとか。
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ミルク・グロット教会にも行ってみた。ローマによるユダヤ人の赤子虐殺を逃れるため、母マリアとイエスが身を隠したところなのだとか。見学していると、エルサレムで出会ったプライベートカーの運ちゃんも後から来た。どうやら無事にお客さんを捕まえられたらしい。
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小腹が空いたので名物のひよこ豆コロッケ「ファラフェル」の名店でサンドを頼んだ。1940年代の創業の老舗でかなり美味しい。夢中で立ち食いしていると、その店の前にコロビの中坊がいて、アジア人が珍しいのか話しかけてきた。この町にずっと住んでいるそうだ。別れ際に売り物のきゅうりを一つくれた。
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そして最後に分離壁を見に行った。壁は10mほどの高さだろうか。まさに進撃の巨人のウォールマリアだ。壁の横のガソリンスタンドが不気味に立っているのが気になった。そこに一台のオレンジジュース屋があり、一杯どうかと尋ねてくる。「How much?」と聞いたのだが、質問には答えずにオレンジを搾り出す。結果15シェケル(580円)を請求された。「おい、随分ふっかけてきたな 笑」と思ったが、分離壁の下で売る彼も必死なのだろうから、パレスチナに寄付する気持ちで大人しく払っといた。分離壁アートペインティングもしているようで、彼の作品を説明してくれた。搾りたてのオレンジジュースはぬるかった。果たして、この壁が崩壊する時は来るのだろうか。
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13時。エルサレムに帰るバスに乗り込んだ。しばらくすると検問があり、イスラエルの軍人によってバスの外に出され、パスポートチェックを受けた。こんなことを毎日やらされるパレスチナ人は苦痛だろうなと思ったりした。
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