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【292日目】保健所による調整

ご隠居からのメール:【保健所による調整】

コロナ陽性が確認されたときは、軽症なので、当分は自宅療養、入院の必要はないとのことだった。午後になって市川保健所から電話が入り、パルスオキシメーター(血中濃度酸素濃度測定器)の数値が基準値の95%を下まわっていることから、ご希望であれば順天堂浦安病院への入院を調整するという申し入れがあった。あくまでも保健所からの指示や要請ではなく、患者本人の希望による自己決定とという建前だ。

そこで、素直に保健所に調整を依頼することにし、夕方には順天堂浦安病院に入院した。この間の体温の変化はピーク時が38度だったのに対して、入院後は38.9度まで上昇した。また、つけっぱなしのパルスオキシメーターは、常に95%以下の数値を示し続けている。これらの事実だけでも入院してよかったことがわかる。その後、患者数が急増して、病床使用率が20パーセント超になって蔓延防止等重点措置の適用は確実なので、入院を断られる可能性もあっただろうと想像できる。

考えてみると、私はこれまで一度も病気で入院したことがない。どんな体験をさせてもらうのか、好奇心が湧いてきたのも事実だ。

軍隊と刑務所と病院の生活を体験しなければ、人生はわからないという説を聞いたことがある。私には戦争体験も刑務所体験もない。せめて入院だけでも体験しないと、人生がわからないまま死んでしまうおそれがある。


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